中東情勢混乱による原油高騰、主要国の見方ー英国
英紙タイムズの経済コラムニスト、アナトール・カレツキー氏は3月2日付のコラムで「原油価格を抑制しなけれ
ば新たな大災難のリスクが膨らむ」と予測し、欧米に対し、原油埋蔵が世界最大のサウジアラビアに増産を迫る
と同時に、「買いだめ防止策」を実施するよう呼びかけた。
カレツキーは2008年の金融危機から脱却した後も欧米の政府や金融機関の疲弊は続き、中東混迷が石油
危機を引き起こせば世界は新たな金融大異変に直面する-と予測。同氏の予防策はいずれも大胆だ。
①に欧米やアジア諸国はサウジアラビアに1日300万~350万バレルの増産を迫るべきだと主張。加えて
アラブ首長国連邦が50万バレルを増産すれば、 リビア160万バレル▽アルジェリア130万バレル▽オマーン
80万バレルの生産が止まっても十分に埋め合わせできるという。
②に原油の「買いだめ防止策」を説く。原油取引に課税する一方で、原子力発電など代替エネルギー普及を
援助し年金基金などファンド勢の投機的な原油取引は禁止すべきだという。
同氏は「自由市場主義に反する介入との意見があるが、市場は時として危険な機能停止に陥る。今の原油市
場がその好例なのだ」と指摘している。
Robin