埼玉県産在来大豆でもやしを作り出したのが、今年の4月です。
深谷のもやし屋、飯塚商店では県産大豆もやしでは初めての冬を迎えているわけですが、ここにきて在来大豆の発芽、成長力が衰え、
『しっかりと伸びた大豆もやしになり難い状況』
になってきました。もやしの新芽、発芽大豆までなら問題ないのですが、その先に伸びる力が明らかに衰えてきて途中で豆が溶けてしまう(死んでしまう)のです。
4月から11月まではなんの問題もなく大豆もやしになりました。特に4月~6月は非常に強い成長力を見せました。ではなぜ同じ育成条件下で12月になったら育たなくなったのか・・・・現在その理由を考察しています。
栽培室・・ムロの室温は年間通して25℃くらいに保たれていますが、やはり旧いムロですので外気が冷え込むと多少明け方など温度が低くなりがちです。最初はその一時的な冷えが豆の発芽熱を奪ってしまったのかと思い、ムロの設定温度をやや上げましたがそれだけではなさそうです。
季節と共に生きてきた在来大豆です。もっとも種まき(播種)に適した季節は初夏。一般的なその頃の気温と湿度が発芽・成長には理想なのでありましょう。となると現在の非常に乾いた状況も成長阻害要因になっているのかもしれません。そして水遣りの回数を一日4回から5回に増やしました。通常もやしにあまり水をやらないのは、飯塚商店のスタイルでありますが、それは通常の緑豆、ブラックマッペの場合です。品種の違う在来大豆にはまったくその法則は当てはまらないのかもしれません。
もう一つ考えられるのは豆そのものの成長力です。現在使っている豆は21年産(昨年の10~11月に収穫された)の古い豆・・・ヒネ豆です。新豆とヒネ豆では仕込み時の水の吸水性も、その後の成長も変わってきます。
そうなると仕込みの水温、漬け込み時間なども変えねばならないでしょう。
大豆もやしをお待ちのお客様、申し訳ありませんが季節に合わせた栽培法の確立までもうしばらくお待ちください。もう少しもやし屋に在来大豆もやしの研究をさせてください。