2011年3月第4週のコラム~日本株、ハッキリ言えば日本をフルパワーで買い漁ろう!! | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

2011年3月第4週のコラム~日本株、ハッキリ言えば日本をフルパワーで買い漁ろう!!

昨日のコラムで国際的な大手機関投資家ブラック・ロックの動きを伝えましたが、同様の事は
債券投資で有名な大手国際機関投資家ピムコでも起きており、同社も「ピムコ・グローバル・
マルチアセット・ファンド」を通じて日本のETFを力いっぱい拾いまくったそうです。
災難がおこっている真っ最中に買い出動することは感情的にとてもむずかしい事ですが、
今日本株を買うことは同社が日本人を信じていることの証明になる上、日本企業や東京マーケット
への信認が揺るいでいないことを証明することになる、とコメントしています。米国人にとって
わかりにくいのは為替の問題です。大震災があってからドル・円は82.8から76.25
まで円高になりました。円高は日本の輸出企業にとってマイナスです。この円高がどうして
起こったかというと、先週の私のコラムで記載しましたが、それはびっくりした投資家が
リパトリエーションで資金を本国に戻したからです。これは一時的な現象にすぎないでしょう。
G7は円売り協調介入を決めていますし、日銀が今、最も起きてほしくないシナリオは円高で
しょう。復興費用負担がどのくらいになるかは試算するのは難しいです。神戸大震災のと
きは1230億ドルと言われています。シティグループは今回のダメージを当時と同額くらいと試算
する一方で、バークレイズ・キャピタルは今回の方が前回より70%以上、上回るとみているそうです。
いずれにせよ損失額はGDPの計算には捕捉されません。なぜならGDPは経済活動の成長ない
し、そもそも縮小を図る尺度であって資産は関係ないからです。目下最大の不確実要素は放射線の問題と

停電の問題です。米国政府は米国民に警告を出していますが、日本政府は問題ないことを強調しています。
東電は当初停電は4月まで続くとしているが可能性としてはもっと長引くことも考えられるます。
東京方面で不測の大きな停電が起こるリスクも日本政府が指摘しています。目先的には日本経済
の減速は不可避です。日銀は当初今年の日本のGDPは+1.6%と見ていましたが、マイナス成長に
なる可能性もありそうです。野村証券は先週、成長率予想をこれまでの+1.5%から+1.1%
に下げました。しかし長期的には今回の自然災害は逆に日本の経済成長率を押し上げる可能性もあ
ります。それは経済復興のための歳出によります。今回被害が出た地域は日本経済の7%に相当し
ます。ピムコのモハメド・エラリアン氏は「電気が完全に復旧しなければ今年の日本のGDPはマイ
ナスになってしまうかもしれない。だけど2012年にはどうせGDP成長率は+5%とか+8%
というデカイ数字になる」と発言し。最後に「いま最も割安で魅力ある株の多くは我々アメリカ人
も良く知っている世界ブランド企業だ。その多くは被災地近くに生産設備をもっているところもあ
るけれど、それと同時に彼らは国際展開もしているので日本だけに依存しているというわけではない。」
と結んでいます。ここでの企業は、NY市場でADRで上場している日本企業を指すものと考えられます。
具体的に企業名をいくつかあげて考えてみたいと思います。ソニーの場合、株価純資産倍率(PBR)
は0.87倍にすぎません。キヤノンは今回の大震災で工場の一部をストップすることを余儀なくされ
ましたが年初来14.6%も下げています。キヤノンのPBRは1.64倍、PER(株価収益率)
は14倍です。トヨタと日産は一部停電の影響を受けていますが日産のPBRは1.1倍、PERは
8.4倍です。一方、トヨタはPBR1倍、PER14.3倍で取引されています。注目したい銘柄で
JFEは復興需要が見込める業種にもかかわらず年初来-23.3%と下げがきつい状況です。PBR
は0.83倍です。こうした日本株の割安さで、海外投資家受けのよさそうなもの、もしくは復興需要
をフルに享受しそうな業種や銘柄に注目して見ていきたいところです。



Ken


(注意:当ブログは単に情報の提供を目的として作成され、何らかの行動を喚起するものでは
ありません。従って、投資判断についてご自身の責任で行ってください。)