武満徹
遮られない休息3 愛のうた
遮られない休息 Uninterrupted Rest は 瀧口修造の詩「遮られない休息」にインスパイアされ作曲。短い3章に分かれており「1」は1952年、「2」「3」は離れて1959年に初演された。「3」は一番短く、最後の余韻を入れて2分ほど。演奏:高橋アキ版。
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跡絶えない翅の
幼い蛾は夜の巨大な瓶の重さに堪えている
かりそめの白い胸像は雪の記憶に凍えている
風たちは痩せた小枝にとまって貧しい光に慣れている
すべて
ことりともしない丘の上の球形の鏡
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