中東情勢を歴史から見た分析~「ナセルの汎アラブ主義(欧米からの経済的自立の試み)」 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

中東情勢を歴史から見た分析~「ナセルの汎アラブ主義(欧米からの経済的自立の試み)」

列強の勝手な中東分割、支配に対して、アラブ人には「一つのアラブ」という思いが覚醒
します。具体的なアクションになったのが1950年代のナセル・エジプト大統領によるスエ
ズ運河国有化宣言です。これは列強が牛耳っていた運輸や石油などの中東の権益をアラブ
人の手に取り戻す試みです。この試みは英仏との衝突を招きましたが、当時の米国は静観、
ソ連は英仏に対して強硬姿勢を示したことで、英仏はスエズの権益を諦め、ナセルの宣言
は成功しました(逆に大英帝国の没落を象徴する事件になりました。)。これは、中東の
アラブ人が経済面での独立を勝ち取ることを意味し、これに触発されて同時期にはイラン
でもモサデク首相による、当時欧米の石油メジャーに押えられていた石油権益の国有化運
動がおこりました。





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