エジプトで政府と野党勢力が対話、野党側は不十分な内容と批判
http://jp.reuters.com/article/jpEgypt/idJPJAPAN-19416220110207
2011年 02月 7日 09:10 JST
 [カイロ 6日 ロイター] ムスリム同胞団などエジプトの野党勢力は6日、事態打開に向け政府と対話した。しかし野党勢力は、ムバラク大統領の即時退陣という要求は受け入れられなかった、としている。

 エジプト政府が今回、ムスリム同胞団との対話に応じたという事実は、デモ隊の要求が一部通ったことを意味する。野党勢力はこれまで、大統領が退陣するまでは政府とは交渉しないとの構えを示していたが、今回協議が行われたことで、野党側に一定の妥協の兆しが見え始めた。 

 政府は野党側との協議終了後に声明を発表し、さらなる交渉に向けた行程表を作成することで双方が合意したことを明らかにした。政府はまた、拘束中の活動家の解放、報道の自由の保証、非常事態法の解除のほか、憲法問題について協議するための委員会設置でも合意したという。

 一方、ムスリム同胞団の幹部は、政府の声明について「その意図は良いものだが、具体的な変革は何も含まれていない」との認識を示した。

 また、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は、米国のNBCテレビに対して、自分は対話に招かれなかった、としたうえで、協議はスレイマン副大統領と軍が主導したなどと述べて批判した。

 秩序だった権力移譲に向けた段階的な変化を呼びかけている米国は、今回の協議を支持したが、対話には時間が必要との姿勢を示している。 

 タハリール広場のデモは6日も続き、ムバラク大統領退陣をさらに強硬に求めていく構えを示している。ただ、6日からは銀行が1週間ぶりに営業を再開するなど、国民生活は徐々に正常な状態に戻りつつある。 

 国営テレビによると、ムバラク大統領の後継候補とされていた次男のガマル・ムバラク氏が5日、与党国民民主党の政策委員長を辞任した。

 デモ隊と野党勢力は、同氏辞任について、ムバラク大統領の即時退陣を求める要求は変わらない、としている。米政府の高官は、辞任は前進と評価した上で、米国は一段の措置を望んでいる、との姿勢を示した。

 中東の衛星テレビ局・アルアラビーヤは一時、ムバラク大統領が国民民主党の党首を辞任した、と伝えていたが、その後、報道を撤回した。

 ガマル・ムバラク氏のほか、シャリフ国民民主党幹事長も辞任した。

 エジプトの現行憲法に基づくと、国民民主党の政策委員長を辞任したガマル・ムバラク氏は、同党の大統領候補にはなれないこととなった。

 ようやく妥協を探るように状況になってきたのかな。現実問題としてエジプトの現行憲法ですと、与党の要職を一定期間務めなければ大統領候補になれないなど、改革派が大統領になるのは難しいらしいですし、即時の退陣を求めるより、そのあたりの改憲をしてからって方向になるのはやむを得ないと思います。デモ隊応援してる人には歯がゆいかもしれませんけど、正規の手順踏まない政権奪取では、後の国政にも外交にも悪影響しか残しませんからね。

 ただ、この記事読む限り、野党側もムバラク退陣以外では足並み揃ってないのかな~とも思います。まあ、今回が初の交渉ですし、政治ってのは妥協点を探ることでもありますから、根気よく調整してくしかないのでしょう。

 が、日常への復帰へと向けた動きが出てきたところで、なんかWikileaksがそれに水挿すような真似を…

■エジプト副大統領がムスリム同胞団に嫌悪感、流出公電で明らかに
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19424020110207


 うーん、なんだってこの時期に…
 そろそろ何らかの形で妥協点を探らなければ、国民生活にも支障が出てくるというのに、なぜそれを妨害し、落ち着き始めた情勢の火に再び油を注ぐような真似をするのでしょうか。
 確かに理想としては民主主義の達成は必要かもしれませんが、達成したからってあらゆる問題がいきなり消え失せるわけではありません。
 むしろここである程度の妥協点を見出し、経済の立て直しを図らなければ、デモの範疇に留まらない暴動にまで発展して、結局はエジプト国民が苦しむことになると思うんですけどね。
 どーも、状況を安全な場所から引っかき回して、混乱させるのが目的なのかなとか勘繰ってしまいます。そりゃまあある種の人々にとって、自分が傷つかないモニター越しでの戦争や暴動ほど楽しいものは無いでしょうし。
 同胞団の側も本当にエジプトの民の事を思うのであれば、この手の愉快犯に踊らされず、冷静に対処して欲しいものです。


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