米国特許商標庁は閉鎖?
ご存じのとおり、米連邦議会の与野党間対立で、予算が成立せず、10月1日から政府機関の一部が閉鎖されています。
航空管制や国境警備、警察業務など国民生活に必要不可欠な業務を除き、連邦政府の多くの機関が閉鎖対象で、連邦政府職員200万人あまりのうち約80万人が一時帰休を強いられているそうです。
グランドキャニオンや自由の女神、スミソニアン国立博物館に入れないなんて話も聞きますね。
さて、米国特許商標庁も連邦政府の機関です。これはどうなっていると思いますか?
米国特許商標庁のウエブサイトによると、米国特許商標庁には約4週間分のたくわえがあり、これを使って業務を続行しているとのです。
http://www.uspto.gov/news/2013ops.jsp
もし、それを使い切ってしまったらどうなるのか、という問題はありますが、最低限、出願の受付とITインフラの維持は行うようです。
日本の特許庁もそうですが、基本的に米国特許商標庁は審査機関です。審査官が大勢いて出願の審査を行っています。逆に言えば、この審査業務を停止すれば(一時的にせよ)大幅に支出は抑えられます。
まあ、このような事態が1か月以上も続くとは思えませんが、はたしてどうなることでしょうか?
「おめでとう東京」がダメだとかいう話
「がんばれ!ニッポン!」は登録商標です。公益財団法人日本オリンピック委員会 がほぼすべての商品・役務について商標権をもっています。
ですので、無許可で使うとたいていの場合、商標権侵害になります。
それはよいのですが、http://www.asahi.com/national/update/0910/OSK201309100014.html
によると、JOCは「おめでとう東京」もアウトだと言っているそうです。
ある表現が使えないというのは、その表現を使うと
(1)著作権侵害になる
(2)商標権侵害になる
(3)不正競争行為になる
(4)名誉棄損/侮辱/信用棄損等の犯罪になる
(5)何らかの特別法の違反になる
というのが典型的です。
「おめでとう東京」のような短く通常の表現には著作権は発生しません。
商標については、現状では商標登録はされていません。ただ、ひょっとすると、JOCが商標登録出願をすでにしている可能性はあります。
不正競争防止法で保護される不正競争行為とは言い難いでしょう。
名誉棄損等である可能性はゼロです。
特別法は、例えば、、「消費税還元セール」といった広告や宣伝の禁止を盛り込んだ消費税転嫁法案の例がありますが、現状ではありませんし、そうした法律が制定される可能性は乏しいでしょう。
ということを考えると―JOCが全く根拠なく「おめでとう東京」を使うなと言っているのでないとすると―JOCは、「おめでとう東京」の商標出願をすでにしているのではないでしょうか。
もちろん、JOC以外の第三者が先行して出願している可能性もありますし、そういう先後願の関係とは別に、このような言葉は登録されない可能性もあります。
いずれにしても、商標出願は出願後、しばらくすると公開されるので、やがて、これは明らかになるでしょう。
逆にいうと、上記の朝日の記事でアウトとされていない言葉は出願されていない可能性もあります。それでオリンピック絡みの言葉があればチャンスかも。
おもてなし商標
”お・も・て・な・し”
一気に流行語になりました。
商標ではどうでしょう。
”「おもてなし」って普通の言葉だから登録できないのではないか?”
と思われる方もいるかもしれませんが、指定商品・役務によっては可能です。
例えば、お米、パン等で登録されています。
また、「おもてなし」に何か別の言葉をつけたものもたくさん登録されています。「おもてなし検定」、「おもてなしママキユーピー」、「おもてなし引越」、「おもてなしたまご」、「おもてなしコンシェルジュ」等々。
何かピンと来たらWIN国際特許事務所へ
http://win-pat.net/
http://www.win-pat.jp/
メールでのご相談は無料です。