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ここまで、メジャーアスペクトと呼ばれる、天体間の関係性のインパクトが比較的強いものをリーディングしてきましたが、ここでマイナーアスペクトにも少し触れておきます。

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上のチャートは、現代日本象徴チャートの外枠に、20110311の東北地方太平洋沖地震の瞬間の天界の星の配置を書き込んだものです。ここではマイナー複合アスペクトのヨッド、別名「神の手」を取り上げました。

ヨッドというのは、3つの天体が、150度、150度、60度で関わり合う時にできる二等辺三角形を示します。このチャートの中には2つ、ヨッドが形成されています。

この150度という角度を説明すると、150度の位置関係にある2つの天体は、互いに一切の共通要素を持たないので、共感することもなければ、反発することもない、全く不可解なもの同士となります。従って互いを理解し合うのに非常に時間を要する関係なのです。

ですから、150度の角度の関係性を持つ天体がチャートに表れる時、それらの天体の持つテーマ性が、長期に渡って問われることになります。

一方で60度の角度の関係性は、親和の関係性。ちょっとした努力や工夫を添えればスムーズに交流ができる相性となります。決して悪い相性ではないのですが、ツーカーの仲という程ではない、といった所です。

親和する2つの天体同士から、線対称に150度ずつ伸ばした先に、第三の天体が加わったのが、ヨッドという形となるのです。

さて、上のチャートのヨッドを分析していきます。
まず、現代日本象徴チャート上のしし座冥王星を頂点に、天界のやぎ座の冥王星、天界のうお座の火星で形成されるヨッド。

冥王星には「極限」「核」「生と死、死からの再生」といった象意があり、火星には「本能」「闘争心」「サバイバル力」といった象意があります。どちらも、エネルギー的にはインパクトの強い天体で、恐れられることが多く、占星術の本などでもあまりよい星とは紹介されていないことが多いようです。

ストレートにリーディングすれば、東北地方太平洋沖地震が日本にもたらした甚大な災害と、世界をも震撼させた福島第一原発事故のことを、そのまま表しているようにも感じます。この角度からチャートを捉えると「恐れ」のエネルギーがクローズアップされるのが分かります。

けれど、スピリチュアル界では、わたし達の生きるこの現実世界は二元性の世界と言われ、「恐れ」の反対側には必ず「愛」の側面もあると考えます。そこで、このヨッドを「愛」の側面からもリーディングしてみます。

わたしは冥王星は「魂」を、火星は「意志」を表す、と解釈しています。現代日本象徴チャート上の冥王星はしし座なので「自分をどう表現するのか」を模索する「魂」というテーマが見えてきます。

それに対して、天界の冥王星はやぎ座。「次世代に繋ぐ種を創るために必要なもの、不要なものを取捨選択」する「魂」的なエネルギー。

天界の火星はうお座。このうお座の火星は、わたしは不思議な印象を持っています。うお座というのは水のエネルギーなのですが、その中に火星という「火」のエネルギーが入っている、というのが、「水の中で燃える炎」という、何だか錬金術っぽいイメージがするのです。

さらに読み解くなら、うお座はわたしの中では「子宮」のエネルギーなのですが、火星を「生き延びたい!」と熱望する「命の火」と捉えるなら、この火星は、母親の胎内で地上に降誕するその日を待ちわびる「新しい命」だと言えるのではないでしょうか。

これらのことから、東北地方太平洋沖地震という出来事を通して、「日本という国の在り方、姿勢」を「どう表現」するのが問われていて、「何を次世代に引き継ぎ、何をここで終わらせるのか」を選択し、「新しい命」の始まり、「新たなスタートに繋げていく」ことがその鍵となることが見えてきます。

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非常に興味深いのが、もう1つのヨッドが、上記で検証した天界の「うお座火星」が頂点の二等辺三角形となり、同じく、先に検証した現代日本象徴チャートの「しし座冥王星」と、現代日本象徴チャートのてんびん座太陽、その太陽の上に滞在中の天界の「てんびん座土星」で構成されていること。

太陽は、しし座と同じく「自分をどう表現するのか」がテーマの天体です。てんびん座は「自己と他者」という「パートナーシップ」がテーマ。日本という国を表しているチャートですから、この場合、「外交」と捉えてよいでしょう。

土星は物ごとを物質化、具現化するエネルギーを司りますので、今、日本は国としての外交力を試され、善くも悪くも、その実力が目に見える時、ということが分かります。

世界中から申し出を頂いたと言われる援助や、続々と送られて頂いている義援金などは、日本がここまで築き上げた「徳」の顕われだと称賛される一方で、受け入れ態勢のゴタつきから、危険地域まではるばる足を運んできて頂いた海外からの救助隊や専門家達を、そのまま追い返す結果となったこともあった、と伝え聞きます。これなどは「お国」意識、「島国根性」が、弊害として顕われたケースではないでしょうか。

2つ目のヨッドは、「国」としての姿勢、「国」としての精神性を、それぞれどう表していくのかが、今問われていること、また、その問いかけに、新しい出発の可能性の鍵の答えが秘められていることが解釈できるでしょう。

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わたし達ひとりひとりの誕生の瞬間のチャートが、わたし達人生の在り方を一生を通じて象徴するように、ある出来事が起こった瞬間というものは、その瞬間から後の姿を象徴すると考えられています。

起こったできごとはあまりにも衝撃的で悲痛ですが、東北地方太平洋沖地震の瞬間が、新しい日本の幕開けの可能性を秘めていることは、パンドラの箱に最後に残されたのは「希望」だった、という神話にも通じるものを感じます。

去年、幕末に活躍した坂本龍馬がブームになったのも、振り返ればとても象徴的だったのではないでしょうか。

この2つのヨッドという形が示す通り、日本の再建は長期的な課題となるでしょう。この先も紆余曲折が待っているかもしれません。けれど、「元に復興させる」ことだけが再建ではないこと、新たな選択の道もあることを、この機会にひとりひとり、考えてみることが大切だと感じます。それが「東北地方太平洋沖地震」という誕生の瞬間が意味していることなのではないでしょうか。