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早期診断に関しての連載の5回目です。今回は、次男の事例を元に、グレーゾーンの子達にかえって支援が得られにくくなってしまう現状について、記事にしたいと思います。


【グレーゾーンの裾野の端に位置する次男坊!?】

次男が4月から保育園に通うようになりました。

しかし、そこに至るまでには長い道のりがあったのです。

次男のケースは、発達障害があるのか無いのか、

非常に微妙な位置にいるのでしょう。

それだけに、支援や療育環境を求めようとしても、

中々かなえられなかった現実がありました



そもそもの発端は、1歳半健診でした。

当時、次男は既に、発達の遅れと気持ちの共感性の部分で、

僕と妻には気になるところがありました。


・なん語も含めて、発語はほとんどなく、「指差し行動」が中々出ない

  この頃は、絵本への興味も薄かった。

・親との共同注意に応じない

  例えば、親が道に咲く花に向かって指差し、

  「ほら、あの花きれいだね」と言っても、視線も向かず、興味も示さない。

・気持ちのやり取りのことろに遅れを感じる

  例えば、キャッチボールをしようとしても、

  次男は、僕に投げ返そうとせず、自分の好きな方向に投げていた。

  ボール遊び自体は楽しんでいるのですが、

  「投げる」「受ける」「投げ返す」という、共同作業を楽しめなかった。


しかし、一方で、次男には発達障害の幼児期に、反する特徴も多くあります。


・多動傾向がほぼない

  次男なりに幼児期特有の多動性はあるのですが、

  長男の事を思うと、定型発達の範囲と余り変わらないように感じます。

・母親への愛着は非常に強い

  赤ちゃんの時から、抱かれるとぴったりと身を寄せて収まる子でした。

  母親への愛着行動も強く、2歳半の今もむしろママっ子です。

・感覚過敏的なところが少ない

  あえて言えば、新しいくつを嫌がるくらいでしょうか。

  長男は、9歳の今はほとんど感覚過敏がなくなっていますが、

  それでも、幼児期はジェットタオルの音を嫌がったり、

  バブルバスには決して近寄ろうともしませんでした。

  新しい靴は、試着ですら激しく抵抗していたのに比べると、

  次男の特性はかなり薄いと感じられます。

・こだわり行動の様なものが殆ど見られない


そんな様子でしたが、実際、発達検査でも多少の遅れは見られ、

親も希望しているという事で、保健所では親子教室に入れてくださいました。

週1回、親子で通って、共に学ぶ場でした。

その職員の言葉でも、

「お母さんなら、長男さんがいらっしゃるので判ると思うけど、

 このお子さんには発達障害があったとしても、

 かなり裾野の端の方に位置すると思う」と言われたくらいでした。


僕なりに端的に言うなら、

発達障害特有のこだわり行動や、幼児期の多動性がほとんどないのに、

気持ちの共感性の弱さと、言葉の遅れだけがあるという状態だったのです。


その後2歳を過ぎても殆ど発語はなく、さすがに気になって長男が診断を受けた病院に相談しましたが、「そういった状態なら、今はまだ診断は難しい年齢ですね。3歳になっても様子が変わらなければ、一度来てください」といった対応でした。


【2歳半が近付いても・・・】

親子教室に入って9ヶ月が過ぎ、

次男なりに、人との関わり方には成長がありました。


少しはキャッチボールを楽しむようにも成りましたし、

周囲とも気持ちの共感のところで、以前よりは関わりが出始めたのです。

散歩をしていても、ぼくの指差しに応ずるようにも成ってきました。

共同注意の行動が出始めたのです。

絵本も寝る前の習慣になり、

好きな食べ物の絵本など、

本人が持ってきて要求するようにもなりました。


しかし、言葉の遅れに関しては、ほとんど進展が無い状態で、

教室に通いながら様子を見ていた僕達夫婦も、

「これは、次の一歩を踏み出さなければ」と思うようになってきたのです。


しかし、保健所に相談した結果は、厳しい現実でした。


グレーゾーンであっても、裾野の端の方に位置してしまう次男には、

公的な支援はほとんど対象となりませんでした。


発達検査も再度受けましたが、保育園入所基準でも、

障害者枠にはギリギリあたらず、

市の療育機関でも受け入れてもらえる要件は満たせません。


僕ら夫婦としても、正式な療育施設は、

もっと重度な子達のための福祉機関ですから、

その子達に優先的に、場が与えられるのは致し方ないと感じていました。

それでも、長男の時の経験があったので、何とか保育園に入れて、

集団の中で子どもを伸ばせないかと手を尽くしたのですが、

中々話は進まなかったのです。


・・・・結局、もうだめかと思った頃に、

保育所の受け入れ通知が我が家には届きました。

保健所の職員さんや市の相談員さん達に、

状況を訴え、支援を求め続けたことが、結果となったのかもしれません。

そうでなくとも、受け入れられたのかもしれませんが、真相はわかりません。


しかし、今思うと、両親共にこうして望んだからこそ、

次男にはその場が与えられましたが、

もし、そうでなかったなら、

次男の様な子達はどうなるのだろうと感じたのです。


【グレーゾーンの子達に支援の場は不要なのか】

次男の事例をみて、病院の対応にも、その体制や人員的問題があるのかと思えてきます。うちが問い合わせた病院は、自閉症の専門病院であり、療育もおこなっている機関です。ただ、人的体制はおそらく充実しているとは言いがたいのでしょう。長男のケースでは、4歳時に予約を入れたのに、初診をを受けられたのは6歳です。2年も待たされたわけです。そしてその時の医師の言葉を今でも忘れませんが、「小学校に入る前に診断されていれば、うちの療育の対象になるんだけど」と告げられたのです。こちらは「ずっと待ち続けていたのに・・・」とノド元まで出掛かるのをぐっとこらえました。

 恐らく、次男のケースでも、息子の障害特性では、もし確定診断を下したとしても、2歳前後の軽度の彼に与えられる療育は無かったではと想像するのです。そうした体制もなしに診断したとしても意味が無いところから、「3歳になったら連れてきてください」となったような気がするのです。


ただ、長男の事例でもそうであるように、

こうした高機能グレーゾーンの子達であっても、

そこに発達の問題があり、人との関わりが弱いことは事実です。


彼らが、核家族化が進み、

少子化で近所にも余り同年代がいない環境で幼少期を過ごすより、

保育園の様なところで、大人数でもまれたほうが、

発達促進にも良い事は体感済みです。


本来であれば、保育園は、親が就労してるケースや、

重度の病気で子育てが出来ない場合の為にある施設であるなら、

うちの次男の様なケースが入る場所は、

本来は他にあってしかるべきだろうと感じます。


保健園や市の職員さんは、現状、そうした施設がない事も勘案して、

うちの子を保育園に入れる判断をしてくださったようですが、

これ程、発達の遅れの問題を露呈する子が増えている現状で、

いつまでもこうした福祉体制でよいのかと言う疑問は残ります。


今回の連載記事を通して、いろいろなコメントやツイッターを頂いています。

・日本で一般的である診断法では、幼少期の確定診断が出来る期間は少ない

・支援や療育の体制が無いから、早期診断を下せない

・学校では、余りに忙しすぎて、発達遅れの問題にまで関わる余裕がない


また、別のケースとして、親側の否認の問題もあるようです。

・親の障害受容が出来なさそうな環境では、診断を下すと、育児放棄や虐待に繋がりかねず、診断や告知を見送るケースもある。

・親に発達の遅れを指摘しても、療育すら拒むケースも少なくない。


次回は、このことについて、記事にしてみたいと思います。




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