特別支援学級から通常学級に転籍したいと言ったお子さんへの対応
大昔の話です。
特別支援学級にいた頃。
「本人に尋ねてみる」
「本人の希望をやらせてみる」
って大事ですね。特別支援学級在籍のお子さんが
「僕は通常学級に行きたいんだ」
と言った時の私の対応です。
背景を説明しておくと、そのお子さんはいろいろあって特別支援学級在籍。しかし「国語」「算数」の時間のみ特別支援学級で勉強していました。こういうのは現在の「特別支援教育」の枠組みだと通常学級在籍のままできるのかな?でも特別支援学級担当者から見ると、特別支援学級在籍にして下さったほうがありがたい。なぜってそれで特別支援学級担任の数が増えることがあるから。
そのお子さんの勉強の状態は
「学校って楽しい所やなあ」と言ってくれた話
というわけで、過去は合わない、難しすぎる勉強を教師も保護者もガンガンさせようとし、勉強嫌いにさせていたようです。で、私は、少なくとも特別支援学級では、彼に合った授業をしてあげようと努力しました。もちろんいごこちのいい環境を作ることに努力しました。するとその結果というか・・・
ぼくはここで勉強する
というようなこともあり、だんだん特別支援学級にいる時間も増えてきました。彼の学力は担当し始めた時よりすごくアップしていたと思います。もちろんお子さんの障害が治ったわけではありません。環境を整え合った教材(これも環境ですが)を用意しただけ。また自尊心もすごくアップしていったのじゃないかな。ところでそんなふうに過ごしていた時にこんな事件が起こります。
叩かれていた子の例2
保護者には「通常学級在籍にし、ずっと通常学級に居させたい」という思いは昔からおありになったのですね。
この時は、保護者・本人・校長と話しあって特別支援学級在籍のままとしました。
しかし、その冬のことでした。やはり保護者からは「通常学級に行けたら」ということは本人も聞いていただろうし、本人も何か自信ができてきたのだと思います。またプライドの面からも、友達がいっぱいいるという面からも通常学級在籍になって通常学級にずっと居れたら、という思いが出てきたのかな。本人が
「僕は通常学級に行きたい(ずっといる)」
と言い出しました。私はたぶんひとことくらい
「しんどいよ」
とは言ったと思います。しかし彼は「通常学級へ」と言ってました。聞いていて「よし。この子がそういう気持ちなら応援しよう」という気持ちがむくむくとわいて来ました。
で、保護者・交流学級(親学級)担任・校長と相談・報告しつつプログラムを組んでみることにしました。交流学級担任は、以前その子がクラスから特別支援学級に行きたいと言ったり、時には泣いたりする時に「あの子は甘えている」というような人でしたけど、そういう時も、またこの時も、そのお子さんの状態というのはできるだけ丁寧に説明しました。
で、1日2コマくらいが最高だったのを、3コマ、4コマと増やしていったのですが、4コマ当たりで本人が音を上げました。
「やっぱり僕は特別支援学級がいい」
私は淡々と
「そうか」
と返し、でまた以前の特別支援学級の体制に戻って行きました。
まあ、それだけの話です。
本人が「そりゃやめといたほうがええで」な選択をすることはあるんですよね。でもできれば体験させてあげたい。「良かれと思って」やめさせるよりも、やってみさせて、で、それから本人が考えればいい。そんなことを思います。
あ、通常学級・特別支援学級・特別支援学校などの転籍や進学を、教師や学校が保護者に対して「11月末までに決めてね」とか言うことがあります。学校というか教育委員会側の事情としてはこれはまっとう。書類の処理、人員の配置がスムーズに行きますから。(注・私が勤務していた当時)
しかし、そこまでに決断できない時っておうおうにあります。お試し体験なんかもしたいだろうし。
そんな場合、遅れても変更・決断は可能です。ただし、教師・学校・教育委員会は処理が面倒になるし、うまく人員配置ができなくて、お子さんに対する人手が少なくなる危険はありますが。(ただ、人手だけが問題ではないことは繰り返し書いている通り)でも大切な決断だから、時期が遅れても仕方のない場合もあると思いますよ。でもって、ひとたびした決断が失敗だった、ってこともあったりしますが、それはそれでまた考えればいいこと。
特別支援学級にいた頃。
「本人に尋ねてみる」
「本人の希望をやらせてみる」
って大事ですね。特別支援学級在籍のお子さんが
「僕は通常学級に行きたいんだ」
と言った時の私の対応です。
背景を説明しておくと、そのお子さんはいろいろあって特別支援学級在籍。しかし「国語」「算数」の時間のみ特別支援学級で勉強していました。こういうのは現在の「特別支援教育」の枠組みだと通常学級在籍のままできるのかな?でも特別支援学級担当者から見ると、特別支援学級在籍にして下さったほうがありがたい。なぜってそれで特別支援学級担任の数が増えることがあるから。
そのお子さんの勉強の状態は
「学校って楽しい所やなあ」と言ってくれた話
というわけで、過去は合わない、難しすぎる勉強を教師も保護者もガンガンさせようとし、勉強嫌いにさせていたようです。で、私は、少なくとも特別支援学級では、彼に合った授業をしてあげようと努力しました。もちろんいごこちのいい環境を作ることに努力しました。するとその結果というか・・・
ぼくはここで勉強する
というようなこともあり、だんだん特別支援学級にいる時間も増えてきました。彼の学力は担当し始めた時よりすごくアップしていたと思います。もちろんお子さんの障害が治ったわけではありません。環境を整え合った教材(これも環境ですが)を用意しただけ。また自尊心もすごくアップしていったのじゃないかな。ところでそんなふうに過ごしていた時にこんな事件が起こります。
叩かれていた子の例2
保護者には「通常学級在籍にし、ずっと通常学級に居させたい」という思いは昔からおありになったのですね。
この時は、保護者・本人・校長と話しあって特別支援学級在籍のままとしました。
しかし、その冬のことでした。やはり保護者からは「通常学級に行けたら」ということは本人も聞いていただろうし、本人も何か自信ができてきたのだと思います。またプライドの面からも、友達がいっぱいいるという面からも通常学級在籍になって通常学級にずっと居れたら、という思いが出てきたのかな。本人が
「僕は通常学級に行きたい(ずっといる)」
と言い出しました。私はたぶんひとことくらい
「しんどいよ」
とは言ったと思います。しかし彼は「通常学級へ」と言ってました。聞いていて「よし。この子がそういう気持ちなら応援しよう」という気持ちがむくむくとわいて来ました。
で、保護者・交流学級(親学級)担任・校長と相談・報告しつつプログラムを組んでみることにしました。交流学級担任は、以前その子がクラスから特別支援学級に行きたいと言ったり、時には泣いたりする時に「あの子は甘えている」というような人でしたけど、そういう時も、またこの時も、そのお子さんの状態というのはできるだけ丁寧に説明しました。
で、1日2コマくらいが最高だったのを、3コマ、4コマと増やしていったのですが、4コマ当たりで本人が音を上げました。
「やっぱり僕は特別支援学級がいい」
私は淡々と
「そうか」
と返し、でまた以前の特別支援学級の体制に戻って行きました。
まあ、それだけの話です。
本人が「そりゃやめといたほうがええで」な選択をすることはあるんですよね。でもできれば体験させてあげたい。「良かれと思って」やめさせるよりも、やってみさせて、で、それから本人が考えればいい。そんなことを思います。
あ、通常学級・特別支援学級・特別支援学校などの転籍や進学を、教師や学校が保護者に対して「11月末までに決めてね」とか言うことがあります。学校というか教育委員会側の事情としてはこれはまっとう。書類の処理、人員の配置がスムーズに行きますから。(注・私が勤務していた当時)
しかし、そこまでに決断できない時っておうおうにあります。お試し体験なんかもしたいだろうし。
そんな場合、遅れても変更・決断は可能です。ただし、教師・学校・教育委員会は処理が面倒になるし、うまく人員配置ができなくて、お子さんに対する人手が少なくなる危険はありますが。(ただ、人手だけが問題ではないことは繰り返し書いている通り)でも大切な決断だから、時期が遅れても仕方のない場合もあると思いますよ。でもって、ひとたびした決断が失敗だった、ってこともあったりしますが、それはそれでまた考えればいいこと。