3月の勉強会 | 一目均衡表日記

3月の勉強会

日時 3月26日(土曜日) 午後1時から午後5時
場所 貸し会議室内海(水道橋駅徒歩5分)3F教室
講師 細田 哲生
会費 10,000円

講義内容  一目均衡表で整理する売買の入り口、出口

勉強会のお申し込みはこちらから

https://ssl.formman.com/form/pc/YLhffB8V52uXdmMw/



先日「美の巨人たち」という番組を見ました。

平田郷陽という人間国宝の人形作家をとりあげたものでした。

芸術は全く判らない私ですが印象に残ったのはお弟子さんに対する一言でありまして何年も顔ばかり彫らせる理由として「はじめに身についたことは一生ついて回る」といったそうであります。

良い事も悪い事もということでしょうけれど一目山人のことを思い出しました。


私が小学4年生から6年生ぐらいまで毎週日曜日は家族で祖父の家(現在の私の仕事場です)へ訪れるのが習慣でした。

鰻をご馳走になり、NHKを見ながら祖父の話を聞いている間に父は書斎で一週間分の祖父のグラフを作成しまして大体3時頃みなのいる部屋へ戻ってきます。

それから一時間ほど祖父と二人でなにやらごちょごちょと話をしているのですが、大体は祖父が「君はどう思う」と問うたのに対し、父が思ったことを述べるという繰り返しでありました。それに対して祖父が何かアドバイスをしたということは一度も聞いたことがありません。父が帰りの電車で「何も教えてくれない」とこぼしていたのを記憶しています。


祖父が亡くなった後、父がグラフを広げてああでもない、こうでもない、とうなっている側に必ずいなければならないという事が毎週日曜日の私の義務となってしまいましたが、時折「父親はこの事を教えたかったのだ」と私に教えてくれましたが、その中で私にも非常に記憶に残っている事があります。

祖父の家へ行き始めた当時、父はやはり初学者でありましてわからぬままに自分で銘柄を選んで持っていたものがありました。

父はその銘柄はまだ上げると思い、グラフを祖父に見せたところ、「直ちに売りたまえ(利食いするということ、空売りではない)」とだけ、理由も教えてくれなかったようであります。


帰りの電車では「山人は長らく兜町から遠ざかっていて勘が鈍ってきているのだ。僕はまだあがると思う」と言っていましたが、父は祖父の指示通りにしました。

結果的にはその銘柄は更に上昇し父の想定自体は正しかったのでありますが、何年か後「あの時はやっぱり売らなければならなかった。山人は正しい。」と大いに反省していました。


一目山人の意図は二つあります。

一つは三波動目を狙い、運良く利が乗った初学者が先ず徹底させる事は三波動構成の一応の終了ポイントでは利食いするということでありましょう。

今ひとつは判断の確信度を自覚させる意味もあります。

利が乗っている事と利食いしたという事実の間にはやはり決定的な違いがあります。

上げると思っている人が「売れ」と言われてその指示通りにすると言う事はやはりその想定に確信が持てなかったと言う事になりますが、確信無くとも利食いしておけば、その分だけは確信無くとも試してみる事は出来ます。


三波動が大事、三波動を基本とするというのはやはり自身の現状に即して、そして相場に即しての事でありますが相場の出口は何より次の入り口の為に大事ということなのでありましょう。


今回の勉強会では「放れにつく」ということの意味を均衡表の図表から、三役好転の論理的意味を相場変遷からコメントしたいと思います。

何れも売買の入り口を何処にすべきかでありまして、完結編鐘化の準備構成についても触れたいと思います。


このところ2時間の勉強会では時間が足りない事も多いのですが今回久しぶりに土曜日、4時間の勉強会開催となりました。

何れにせよ基本的なことですので近年一目均衡表に興味をもたれた方は是非ご参加下さい。