見たこと、教わったこと
朝日新聞の健康サイトに『軽度認知症患者さんはどこへ』というものがあります。
概要は 「厚生労働省は12月22日、軽度の認知症患者が病院ではなく地域で生活できるよう促すため、市区町村や医療機関、ケアマネジャーが連携して退院後の治療計画をつくり、支援策を拡充することを決めた。」という記事に対するものです。
筆者は「いったいどこに認知症患者さんの受け皿を求めていくのか?という問題が改めて浮上してきております。」
そもそもの問題は、少子高齢化・核家族化です。認知症高齢者を家庭で受け止める余力は、現代の「家族」には乏しいのです。」と疑問を呈しています。
特に「軽度の認知症患者が病院ではなく地域で生活できるよう促す」という厚労省の発想は、認知症の介護者が一番苦労するのは「動き回る認知症患者さん」であるという視点への配慮に欠けるような気がしております。
デイサービスですら、BPSDが目立つ方のサービス利用はやんわりとお断りするような状況は現実に存在しています。軽度の認知症患者が病院ではなく地域で生活できるよう促すためには、先ずは地域での受け皿をしっかりと確立していくことが大きな課題なのです。 と締めくくっています。
新たに知ったこと、考えたこと
家内をはじめとして、介護で苦しんだ人の多くが語るのはまさに記事にある『介護者が一番苦労するのは「動き回る認知症患者さん」』の部分です。
「今は症状が進んで落ち着いてくれてほっとしている」
「アリセプトなどで進行を遅らせることができるのはよいが、歩き回るなどの問題行動(最近ではBPSDと呼ばれます)が長引くならば、あえて進行は早まったほうが助かるとすら思った」
とまで家内や周辺の人は話します。
軽度の認知症ならば健常者に近いのだから、地域で預かっていても問題ないだろう。そうした安易な考えで記事冒頭の厚生労働省の発表がなされたものと確信しています。
よく軽度の認知症患者の家族が他人から「普通と変わらないじゃない」「何が問題なの」「施設で預かってもらうなんてかわいそう」と言われ困っているという話を家族の会などで聞きます。
しかしそういう人に実際に患者を短期間でも預かってもらうと「あなたの苦労がよくわかった」と手のひらを返したような応答をされるということも。
厚生労働省も地域で預かることができると思うのならば、BPSDで苦しむ患者さんを省内で預かってみてはどうでしょう。きっとああしたコメントはすぐさま訂正されるのではないかと予想しています。
また一つ新たな思いを得ることができました。感謝です。
もし文中や事例などに誤りがあったり、こうした情報もあるよという方、是非ともお教えください。
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