The Folly of Renewable Electricity
再生可能エネルギーへと依存することの愚かさ

http://www.aei.org/article/103493
By Benjamin Zycher | Daily Caller 2011年4月20日水曜日

 春の訪れを祝う季節が我々と共にある。そして、ジェリーブラウン知事は、行政組合の団体交渉によって、州の財政に大打撃を与えたことを持って、一期目の任期を満足すべきである。また、彼は自身の「小さきことは美しき也」というデタラメな主張によって、州のインフラに大打撃を与えたことにも満足すべきであろう。
 また、彼は最終的に、更なる満足を得ることとなるだろう。なぜなら、彼は州の電力のうち33%を2020年までに風力及び太陽光発電へと置き換えるよう命じた法案へとサインしており、この法案はカルフォルニアの競争力に巨大な打撃をもたらすことになるからだ。

 影響が明らかになる頃には、ブラウン知事は問題なく離任しているであろう。残った我々は、空想的な再生可能エネルギーに付随する高い経費や低い信頼性、そして環境悪化という最新の課題に取り組まなくてはならない。

 風力や太陽光が含有するエネルギー量は凝縮された物ではない。これは、技術的に実用可能な再生可能エネルギーであったとしても、広大な土地と大量の資材を用いなければならないことを意味している。
 1000メガワットを生み出すガス発電所は、約10~15エーカーの土地を必要とする。それに対し1000メガワットを風力で賄うとなると、約5万エーカー(78平方マイル)の土地が必要だ。
 また、太陽光による発電は、理論上の話であっても1平方メートルで100ワット電球を灯すのがやっとである。太陽光発電で100メガワットを発電するとなると、約1250エーカー(2平方マイル)の土地が必要になるだろう。

 従来の発電所とは異なり、風力発電施設は充分な風量のあるところ、太陽光発電施設は激しく日光が照りつけるところに設置しなければならない。その結果はといえば、カルフォルニアの電力のうち33%を賄うに、120億ドルという高価な送電費用が必要になると、公共企業委員会が見積もったとおりである。
 さらに、設置に適した土地は限られている。再生可能エネルギーの生産が拡大するにつれ、発電に不適な土地を利用しなければならなくなるだろう。したがって、再生可能エネルギーに掛かるコストは上昇し、その信頼性は低下していくことになるだろう。
 これはとりわけ、再生可能エネルギー生産の将来における経済規模が、幻影に等しいことを意味している──多くの者は、非常に楽しげにそれを約束して見せたものだが。

 これはより悪化していくだろう。
 風力や日光の照射量に予定を立てる事は不可能であり、また、この事により再生可能エネルギーによる発電にも予定は立てられない。そのため、従来の発電所に比べて、その信頼性は1/3~1/4程度だと見なされている。そのため、停電を防止するために従来型のバックアップ用発電設備が、風力及び太陽光発電所と共に併設されねばならない。
 カルフォルニアエネルギー委員会による研究によれば、バックアップ用発電設備の出力は、ほぼ5000メガワットが必要になるだろうと推測されている。また、エネルギー情報局による評価においては、これに必要とされる資本コストだけで、50億ドルを遙かに超えるであろうと示唆されている。

 これらは、風力及び太陽光発電が、従来方式の発電と比べ100~300%のコスト増が必要としている、エネルギー情報局による推測の根拠となっている。これは再生可能エネルギーの必要条件毎のパーセント点増加は、企業向け及び家庭向けの負担を4~10%ひきあげるとした、Constant Tra教授による最新の調査結果と一致している。
 電力供給のうち33%を再生可能エネルギーで賄うのに、その費用増加率が7%程度に過ぎないという賛成者の主張は、現実味に欠けた考え方だと言えるだろう。

 よりクリーンな環境は、それだけのコストを掛けるだけの価値があると言うだろうか?
 ちょっと待って欲しい。
 そう感じる印象に反し、信頼を増している風力や太陽光発電は、環境に損害を与える。これは、環境左派が再生可能エネルギー計画を妨害するツールだと主張している、ゴキブリの絶滅のような偽の問題の事を言っているのではない。それどころか、これによるダメージは、より大きな大気汚染という形で現実化するであろう。
 信頼性の低い再生可能エネルギーをバックアップするための従来型発電機は、風力・太陽光発電の利用可能状況に応じ、システムオペレーターによってその出力を上下させる必要がある。これは、運用に多大な非効率をもたらし、また、より多大な二酸化炭素排出をもたらす事を意味している。
 これは、コロラドとテキサスにおける、再生可能エネルギーの必要条件の影響に関する工学技術研究で、最近になって判明した事実である。

 つまり、我々はより高いコスト、より低い信頼性、そしてより多大な環境劣化という、革新派の三連勝単式を完璧に引き当てる事となる。こうした災厄は全く聖書的ではないが、だからと言って取るに足らない問題というわけではない。
 ブラウン知事は最終的に満足を覚えるだろうか?
 それは明らかにないと言える。現在の彼が望んでいるのは、重い税金が非常に広い範囲において、州都サクラメントの怪物に餌を与える事であろうから。

Benjamin Zycher氏はアメリカ・エンタープライズ研究所の客員研究員である。

 うーーーーーーーーん、なんかあたい如きでは付け加えるべき事が思いつかない。

 福島第一原発の事故によって注目を集めている再生可能エネルギーですが、これを主流とするには、やはりハードルが高すぎますね。
 つい先日、風力・太陽光エネルギーによる発電量が原発を逆転したなんて記事が出てましたけど、ただ発電量を積み上げて比較しても意味はなく、どの程度の安定供給が可能だったのか、また、その発電量を達成するのにどれほどのリソース(単純な発電コストだけではなく、発電所に要した面積など)も比較しないと意味はありません。
 浮かれるのはいいですけど、その点を考慮せずにバスに乗ってしまえば、行き着く先は地獄なんて事にもなりかねないと思うのですが。

 従来型の蒸気タービン方式の発電機(要は火力や原子力)の補助としてはいいのかもしれません。ですが、主力を担わせるには、まだまだ力不足であり、将来的には技術の向上で効率はある程度改善されるとしても、安定性は文字通り風任せである事を考慮した上で計画を立てるべきでしょう。


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