『世界最先端社会』への第一歩。(2)~「21世紀型社会」を作るために~ | busakoのブログ

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先程の(1)に引き続きまして、昨日(4/6)放送されたNHKラジオ第一「ビジネス展望」での金子さんのお話の続きです。


※「『世界最先端社会』への第一歩。(1)~「東日本大震災」を越えて~」 http://ameblo.jp/sakanakun-muratetsu/entry-10854519709.html もあわせてお読みください。


『東日本大震災』と、『東京電力原発事故』によって壊滅的な被害と国際的な信用を失った日本。これからどう「復興」すればいいのでしょうか?


金子さんは次のことを提言しています。


1.今回の震災と原発事故によって完全に失った日本の国際的信頼を回復するには、『東京電力原発事故』二間して、まず早急に国会で事故調査委員会を設けて事故原因を究明するとともに、東京電力、経済産業省、原子力安全・保安院の責任を明らかにすべき。もちろん、これまでの経済産業省における原発依存のエネルギー・電力行政も検証の対象とすることも不可欠。


2.今回の震災からの復興のベースとなる今後のエネルギー・電力行政のあり方を根底から考え直すべき。検討すべきは、戦後ずっと放置されてきた『電力会社の地域独占』のあり方、発電」と「送配電」の分離、原子力の安全行政のあり方を抜本的に見直し(原子力安全委員会および原子力安全保安院の官庁と政治的圧力からの独立性の確保)など。



3.今回の原発事故で明らかになった、老朽化した、また危険な原発(特に中部電力の浜岡原発、高速増殖炉「もんじゅ」)は停止し、仮に再稼働する場合にいくらかかっるかの「安全コスト」を厳格に算出し、それでも稼動が必要ならば、本格的な安全投資を行うべき。

自民党政権時代の「原発の増設と輸出」でCO2削減という方針に安易に乗っかってきたことを反省し、環境エネルギー政策の根本的転換を図るべき。民主党が2009年の総選挙のときに掲げたマニフェストに立ち返り、再生可能エネルギーの『高値固定価格・全量買い取り制度』の導入、キャップ・アンド・トレード方式の排出量取引、地球温暖化対策税(環境税)の諸政策の実施に向けた体制を早急に構築すべき。



4.今回の震災で壊滅的な被害に見舞われた東北の街々を、すべて防災を加味したうえでスマートシティ にし、世界最先端の町作りを実現するべき。


5.東京・大阪・名古屋など大都市では、学校・病院などの公共施設や商業ビルは『徹底的な高断熱化』を行い、太陽光発電や風力発電などの「再生可能エネルギー」によるエネルギー自給を義務づける。一方で住宅は原則として太陽光発電の設置を義務化し、更にピーク時に対応しやすい太陽光とガスのコージェネレーショんシステムを導入したり、あるいはほとんどの照明をLEDへの転換を進めたりすることで、世界一の省エネ都市を実現するべき。



6.一方で、地方は太陽光発電や風力発電だけでなく、地熱発電や小水力発電、バイオマス発電などの『再生可能エネルギー』によって「エネルギーの『地産地消』」を図ると同時に、スマートグリッド ネットワーク型発電(分散型発電) による双方向的な送配電網を整え、この再生可能エネルギー転換をベースに『地域分散型経済』を創出するべき。それは(全量・高値固定価格買取制度によって)地方に売電収入をもたらすだけでなく、新しいエネルギーに関連する雇用を生み出す。これによって「中央集権・メインフレーム型経済」からリスクに強い「地域主権・ネットワーク型経済」へ転換するべき。



以上のことを提言されていました。


今回の震災と原発事故を教訓に、日本を「世界最先端社会」に変貌させることが失った国際的信用の回復と、『真の意味の復興』につながるのではないのでしょうか?


金子さんはご自身のブログの終わりにこう述べています。

「インフラの復旧が必要になりますが、復興需要が終われば元の木阿弥になってしまうような、旧来型の災害復旧対策の焼き直しや石炭火力エネルギーへの逆戻りではいけません。3.11(東日本大震災)によって一つの時代が終わりました。世界は一変したのです。私たちは発想を大きく変えなければなりません。
かつて敗戦の焦土の中から、一から出直して、この国の再生・復活を図ってきたように、今こそ、この巨大地震をこの国を生まれ変わらせる契機としなければなりません。今こそ戦後無責任体制を一掃するとともに、「国家改造計画」を打ち出さなければなりません。
その基軸となるのは、本格的な再生可能エネルギーへの切り替えです。それによって世界最先端の環境エネルギー先進国を目指すべきです。そのために、この分野において新しい技術を開発し、そこに一気に投資を呼び込んでいく仕組みを作るべきです。そうでなければ、被災地の人々も、そして若い世代も未来に希望を持つことができません。



決して後戻りするのではなく前に進もう。
必要なのは、元に戻る復旧ではなく前に進む復興なのです。」



この日の金子さんのお話は、来週の月曜日(4/11)より、NHKラジオ「ビジネス展望」のHPからPCまたはスマートフォンから「Itunes」でお聞きになれます。http://www.nhk.or.jp/r-asa/business.html