チェルノブイリの被災者が来日 「原発考え直すべきだ」
2011年4月22日 23時06分
1986年のチェルノブイリ原発事故から26日で25年になるのを前に、
被災した非政府組織(NGO)メンバー、パベル・ウドビチェンコ氏(59)が22日、来日。
東京都内で記者会見し、福島第1原発事故について「チェルノブイリと同じく世界を震撼させた。
どんな楽観論者でも原発の存続について考え直さなければならない」と指摘した。
同氏が住む町はチェルノブイリ原発から約180キロ離れているが、土壌が放射性物質で汚染され、
今でも木の実やキノコ類、魚などは食用禁止。甲状腺がんなども多発しているという。
教師として汚染地域に住み続けNGOを結成、子ども向けの医療などに取り組んでいる同氏は
「ロシア政府は事故による病気の調査に消極的だ。なぜ原発を造るのかという大きな問題に広がり、
政府にとって危険な動きになるから」と指摘。
「問題は山積しているが、政府はあてにできない。自分たちで行動するしかない」と訴えた。
医師や教師が離れてしまい、医療や教育の水準が低下したとして「子どもたちは満足な
医療が受けられず、差別的な目でも見られている。苦しみは続いている」と話した。
全国の集会でチェルノブイリの現状を報告する。
問い合わせは原水爆禁止日本国民会議、電話03(5289)8224。
(共同)