(参考:0968「ベネズエラ、キューバ、ニカラグアがリビアへの軍事侵略を警告」)


3月4日、ベネズエラの首都カラカスにおいて、「われらがアメリカ人民のためのボリバリアーナ同盟」(ALBA)政治委員会(外相会議)が緊急に開催された。これには主催するベネズエラのニコラス・マドゥーロ、キューバのブルーノ・ロドリゲス、ボリビアのダビド・チョケウアンカ、エクアドルのリカルド・パティニョの各外相、ニカラグアのバルドゥラク・ハエンストゥチケ副外相、ドミニカ、サンビセンテ、ラスグラナディナスの代表が参加した。


主要なテーマは、ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領が提案している、リビアの国内紛争を、外国による軍事介入によらないで解決するための提案、仲介役を討議するものであった。


チャベス大統領が発言した。「わたしは国連(ONU)や、欧州連合(UE)などの組織が、いかにも戦争を計画しているのを見てきた。いま世界を前に戦争が準備されている。それは狂気だ。それなら狂気を止めなければならない。戦争をやめろ。フィデル・カストロ、ダニエル・オルテガ、ラファエル・コレア、エボ・モラレスがわれわれを支持している。誰もが沈黙するなかで、ALBAが声をあげる」。


「かれらが求めているのはリビアの石油だ、しかしそれは非常に高くつくだろう。ヤンキー帝国はみずからの危機の脱出のため、千の手段を探している;その一つが戦争である。溢れるシニスモ(厚顔無恥)にたいして、ALBAが声をあげる」。


チャベス大統領は、NATOなど外国軍の軍事介入を避けるために、カダフィ大佐のリビア政府と、反政府派とのあいだを仲介する国際委員会を設置し、紛争の平和的解決をはかることを提案している。ALBA外相会議はこの提案を支持することを決定した。委員会のメンバー、期間などは明らかではないが、ALBAはアラブ連盟(LA)、アフリカ諸国連合(UA)そのほかの諸国と協力し、委員会を形成することを考えている。


チャベス大統領は、この委員会に米国の元大統領である、ジミー・カーターを候補としてあげた。チャベス大統領によると、2003年ベネズエラにおいて、反対派が石油生産などストライキによる攻勢をかけたとき、カーター元大統領が仲介をおこなった。「カーターは協力してくれるのではないか。この人物は良い考えを持っている。ここベネズエラにおいて、それは明らかである」。


リビア政府は、チャベス大統領の提案を受け入れた。リビアのモウサ・コウサ外相は、委員会の設置のために必要な措置が取られることを支持するという書簡を送っている。リビア反対派はこれを完全に拒否した。米国も平和のための国際委員会の派遣という提案を拒否している。米国のフィリップ・クロウリー国務省報道官はチャベス提案を退け、「カダフィ大佐に、国のため、人民の安全のためなすべきことをするように言うべきだろう」と述べた。


ALBA外相会議はこのほか、ボリビアにおいて2月下旬からの降水による被害にたいする援助のための作業委員会の派遣を決定した。ボリビアでは降雨による被害によって62人が死亡、11,000人が被害を受けている。とりわけコチャバンバ、ラパス、チュキサカ、ポトシ、ベニ、オルロにおいて被害が大きかった。(0972)


*この記事は、Granma, teleSUR, NOTIMEX, La Hora, を参考にしました。