餃子の王将はどれだけ濃いか?の考察(携帯読者用) | 新・バスコの人生考察

餃子の王将はどれだけ濃いか?の考察(携帯読者用)

※2009年・12月22日の記事を再編集

 先日、「餃子の王将」に行きました。

 僕は王将が大好きです。週に何回も通うほどのフリークで、この日は夕方だったために、店内はガラガラ。僕はカウンター席に座り、タバコを吸いながら料理の到着を待っていたのですが、1人の客が厨房に歩み寄り、なにやら願い出ています。

 「店内の自販機でタバコを買いたいんですけど、タスポを持ってないんですよ。誰か貸してもらえませんかね?」

 声をかけられた従業員は、タスポを持っていません。ほかの従業員に訊いても持っておらず、その従業員が僕のところに来て言ったのです。

 「お客さん、タスポ持ってません?」

 なんでやねん、お前!お前、なんで客の俺が貸さないとあかんねん!

 「ないっすか?」

 ないっすかやあるか!お前がないっすわ!

 「持ってないです!」

 頭に来た僕は、持っているにもかかわらず、ウソをつきました。すると、そいつがカウンターのほかの客に、「タスポ持ってません?」と順番に訊き始めたのです。

 こいつ、おかしいでしょ?食事中のお客さんにこんな失礼はないでしょ!?

 それでも見つからず、そのタイミングで新規の1人客がカウンター席に座ったのですが、「いらっしゃいませ」も言わず、いきなり「タスポ持ってません?」と声をかけたのです。

 何考えとんねん、お前!どこのどいつが2つ返事で「はいどうぞ」とか言うねん!

 「ないっすか?」

 ないっすかやないねん、だから!ていうか、そいつババアやろ!ババアがタスポ持ってるわけないやろ!

 「あるよ」

 持ってた!ババアがタスポ持ってた!

 「それより生ちょうだい」

 ババアが生て!ババアが生に手出すなよ!

 「それと餃子1、野菜炒め1……」

 ババアやんな?すごいもん頼んでるけど、自分、ババアやんな!?

 「ライスが1」

 だからババアやんな?まあまあボリュームのある飯になってるけど自分、ババアやんな!?

 「野菜炒めの味つけは薄味にしといて」

 そこはババアやんけ!どこババアにすんねん、お前!お前はまず、ババアとしてのキャラを定めろ!

 このように従業員だけではなく、客まで濃いのです。

 なかでも関西の王将は、異常に濃いです。関西人特有の気質も相まって、外界とは一線を画しています。

 「王将のドアを開けた瞬間に空気が変わる」

 こう言っても過言ではなく、人、物、事のすべてが濃いのです。

 そこで今回は、「餃子の王将はどれだけ濃いか?」の考察です。

 以下、僕が過去に目撃した、関西の王将の「濃さ」をご紹介します。

①営業中に、従業員同士でえげつない会話を始める
 王将は厨房が丸見えです。カウンター席に座ると目の前で調理姿が見られるのですが、少し暇ができると、従業員が私語を始めるのです。

 声も大きく、客に聞かれているのもおかまいなしです。つい先日も僕の目の前で餃子の皮を包みながら、普通に「近所の犬が3Pしていた話」を始めたのです。

 ふざけんなよ、お前!何が悲しくて飯食いながら「3D」の話を聞かないとあかんねん!

 「基本、バックやったわ」

 知らんがな、そんなもん!ていうか、3匹目の役割が気になるわ!3匹目がどう関わってるかを教えろ!

 しかもこの話がまた、長いんですよ。1分以上も引っ張り、1人が麺をゆで機に入れるために場所を離れたものの、戻るやいなや「どこまで話したっけ?」と言って3D話を続行したのです。

 どこまでやあるか、お前!引っ張るような話題と違うやろ、どう考えても!

 「で、その犬がすごい包茎で……」

 どの犬も包茎やろ!剥けてる犬とかおるか、お前!逆に保健所連れて行け、そんなイカツイ犬!

 ほかにも今年の春先に、近所の王将に行ったときのことです。カウンター席に座る僕の目の前で、フライパンを振る2人が、以下の会話を展開していました。

 「橋本も、来週で最後か……」

 「しかしあいつ、5年もよく働いたな。がんばり屋やな」

 「そうやな。橋本の送別会、行く?」

 「行かへん」

 「なんで?」

 「だるい」

 それだけかい!ちょっと待って、だるいだけなん!?5年も働いた奴の送別会をだるさを理由に欠席すんの!?

 「だるいからやめとくわ」

 冷たっ!相当冷たい奴やな、お前!『蛍の墓』に出てくる西宮のおばちゃんか!

 王将には、おかしな従業員が多いです。客の前で私語を連発し、その多くが「濃いバナ」なのです。

②元ヤン従業員のガラが悪すぎる
 王将の厨房の従業員は、半分以上が元ヤンキー、と考えて間違いありません。

 茶髪の奴が大半で、言葉も汚ないです。つい先日も、「このヤキソバ定食どこですか?」と訊かれた茶髪の奴が、カウンター席のすぐ近くで「カウンターのオッサンや!」と叫んだのです。

 丸聞こえやねん、お前!お前の3メートル先にそのオッサンおんねん!

 「どっちのオッサンですか?」

 「ヒゲのほうや」

 ええ加減にせいよ!口悪すぎるやろ、いくらなんでも!戸愚呂兄か!

 一方、なかには気の弱そうな、普通の従業員もいます。その結果、必然的に、いじめの構図が生まれるのです。

 なかでも、僕がよく行く地元の王将はすごいですよ。

 この店は、元ヤンの従業員が厨房をしきっています。先日、フライヤーに水を入れてしまった新人に、「このキチ○イ生ゴミ野郎が!」って言ったんですよ。

 キチ○イ生ゴミ野郎ですよ、キチ○イ生ゴミ野郎!?こんな暴言、カタギの奴では出ないでしょ!?

 「お前は史上稀に見るキチ○イ生ゴミ野郎やな!」

 お前も史上稀に見る奴やぞ!こんな暴言、有史以来5本の指に入るぞ!

 「お前みたいな奴、やめるか死ぬかどっちかしろ!」

 やめるわ!そんな2択にしてくれんでもやめるほうを選ぶわ!

 いじめられたほうは、恐怖で顔を紅潮させています。「すいません!」と謝罪したものの、そいつの背中を助走をつけておもいっきり蹴ったんですよ!

 戸塚ヨットスクールか、ここ!戸塚のマニュアルにありそうやぞ、その体罰!

 こいつは「いじめのプロ」みたいな奴で、忙しくなると厨房内を見まわります。順番に「お前、いけてんのか?」と訊いてまわり、その際に必ず、お尻にキックを入れます。キックと同時に「いけてんのか?」と訊き、従業員に1人、「ブタ」と呼ばれている奴がいるのですが、そいつには「ブタ、大丈夫か?」と言いながら首の裏にハイキックを入れるのです。

 どんな確認やねん、これ!そもそもお前に蹴られたから大丈夫じゃないわ!

 「大丈夫です」

 大丈夫と違うやろ!怒れよ、お前も!ていうか訴えろ、こんな奴!

 ブタはそれでも、ブタと呼ばれることには怒ります。

 「ブタって呼ばんといてくださいよ!」

 こう言い返すものの、それでも必ず、ブタと呼ばれます。あるとき、ブタと呼ばれないようにするためか猛烈に痩せているときがあったのですが、「元ブタ」って呼ばれたんですよ。

 元ブタて、おい!どうしたらいいねん、こいつはもう!

 「元ブタ、ブタ肉買ってこい!」

 「ブタって呼ぶな!自分で行け!」

 ブタがキレた!ブタ肉が切れてブタもキレた!

 ガラの悪い奴が現場を仕切ると、このような空間になります。事実、この店はこいつのやりたい放題で、座敷席をシャットアウトして、こいつが昼寝をしていることもあるのです。

③ヤ○ザのようなエリアマネージャーがいる
 ガラが悪いのは、バイトの従業員だけではありません。「エリアマネージャー」と呼ばれる、それなりの地位に就く者までもが恐ろしく、ヤ○ザみたいな奴がいるのです。

 「週5で誰かの指を詰めてます」と言わんばかりの殺気を放ち、日々、各店舗を視察しています。おかしなことがあれば、その都度指示を出して改善させるのですが、如何せん、ヤ○ザです。「スカウター壊れるわ!」というぐらいのガラの悪さで、1度、汗かきの従業員に真顔で「汗かきすぎやねん、コラ!」とブチギレたのです。

 むちゃ言うなよ、お前!汗ぐらいかくやろ!

 「汗をかかんような奴になれ!」

 おるか、そんな奴!大卒の海賊よりもおらんわ!

 とはいえ、これはまだ、ましです。先日、とあるエリアマネージャーが、サングラスをしながら現場にやってきたのです。

 取れよ、サングラス!どこの世界にグラサンはめて職場に来る奴がおんねん!

 「おはよう!」

 おはようやあるか!ていうかお前、ヅラやろ!お前はヅラもサングラスも取れ!

 「ここの従業員、髪の毛乱れてんな」

 お前もや!お前の頭も一皮むけば乱れまくりやねん!

 「おはようございます!」

 「おい、店長!あいさつするときは帽子取れ!」

 お前も帽子取れ!お前も「K」の帽子を取れって、店長もよく見たら一部分ヅラやんけ!違う意味の「KKコンビ」やんけ、こいつら!

 このヅラは厨房に入り、各従業員に指示を出し始めました。ですが、途中で思い出したかのように、厨房の帽子をかぶり始めたのです。

 何個かぶんねん、お前!2個も帽子かぶんなよ!KKコンビで2発ずついくなよ!

 僕はカウンターに座っています。ピークがすぎたことから客も少なく、エリアマネージャーの罵声がガンガンに聞こえてきたのですが、ふと見たそいつのカツラが軽くずれてるんですよ!途中で帽子を取った結果、頭皮の一部分が完全に露出しているのです!

 勘弁してくれよ、おい!ヒヤヒヤして飯食ってられへんやんけ、こっちは!

 「口答えすんな!ごちゃごちゃ言わずにエリマネの言うこと聞いとけ!」

 やかましいわ!お前のほうこそ、自分の頭頂部エリアのマネージングをきちんとしろ!

 「ほんまにこいつ、頭に来るわ!」

 もう来てんねんけど!?お前の頭、もうかなり来てんねんけど!?

 王将のエリマネは、その多くがヤ○ザ風の男です。ランチのピークを過ぎたあとに頻繁に現れるので、1度確認してみてください。

④食べまくる客がいる
 王将で濃いのは、従業員だけではありません。冒頭でご紹介したババアしかり、客にも濃い奴が多く、その最たる例が、よく食う奴でしょう。

 信じがたいレベルで大食いの奴がいるのです。来ていきなり、「とりあえず餃子3つ!」と言う奴などザラ。過去に1度、餃子が3人前ある餃子定食に、餃子を追加している奴がいたのです。

 病気やわ、もう!「チャオズ症候群」という名の病気やわ!

 「それとお持ち帰り用の餃子を5人前!」

 住め、もう!何かわからんけどもう王将に住め、お前みたいな奴!

 ほかにも、「天津飯と天津麺」といったありえない食べ方をする奴までおり、つい先日も、「ニラレバ定食のニラレバって大盛りにできます?」と訊いて断られた奴が、ニラレバを単品でもう1個注文しやがったのです。

 ゾンビか、お前!そんなシャバい肉いっぱい食いたがる奴なんてゾンビしかおらんぞ!

 「それとジンギスカン!」

 ややこしい肉多いねん、お前!なんでそんな癖ある肉ばっかり食いたがんねん!

 王将には頻繁に、太った家族がやってきます。家族全員が王将フリークで、注文の仕方がすさまじいのです。

 先日、僕が友達とテーブル席に座っていると、隣のテーブルに4人組がやってきました。父親、母親、息子、娘の全員が100キロ近くある太っちょで、席に座るやいなや、べらぼうな注文を始めたのです。

 「えーと、酢豚定食と王将スペシャルとサービスランチが3つ!」

 4人やんな?定食の数が合わへんねんけど、自分ら4人やんな!?

 「それと餃子9!」

 9て、おい!9!?それぞれの定食に餃子がついてんのにさらに9!?もう1回言わせろ、9!?

 「それと皿うどん1、ヤキソバ1……」

 多い多い!ネロが見たら泣き出すぞ、この量!

 「春巻き2、エビの天ぷらが1……」

 解放明けの奴隷か、お前ら!こんなに食う奴、解放されたての奴隷しかおらんぞ!

 「とりあえずそれで!」

 とりあえずやあるか、お前!アリが運ぶのに2年はかかるぞ、この量!

 注文が多すぎるため、4人掛けのテーブルを2つ引っ付けて、四隅にそれぞれが座りました。目の前に自分の定食を置き、単品のオーダーを真ん中に並べ始めたのです。

 どんな食い方やねん、これ!王様のテーブルみたいになってるやんけ!「王様食い」と名づけるぞ、この食い方!

 全員、黙々と食べています。誰ひとりとして言葉を発する者はおらず、5分後、ようやく父親が言葉を発したのですが、口から出た言葉が「ラー油取って?」やったんですよ。

 食うことしか頭にないんか、お前ら!家族で飯食いに来てるんやから少しは会話せいや!

 「餃子、もうちょっと頼まへん?」

 なんで足らんねん、9で!定食の分も含めたら14人前あるんやぞ!末期のチャオズ症候群か、お前ら!

 店内には、宇多田ヒカルの『ファーストラブ』が流れています。メロディーの美しさとデブ一家とのアンバランスさが、おかしくて仕方がありません。僕らは食事を終えたのに、デブ一家が帰るまで店にいたほどでしたから。


 そして、最後。これこそが、餃子の王将の真骨頂です。

⑤ピーク時のすべてが雑すぎる
 王将の料理は雑です。なかでもランチピーク時の雑さは尋常ではなく、過去に1度、僕が注文した定食のトレーにマスクが載っていたのです。

 ごめん、俺、マスク定食なんて頼んでないねんけど!?「ウイルスをおかずにチャーハンを食べたい」とか思ってないねんけど!?

 「店員さん、この定食、マスクが載ってるんですけど?」

 「すいません!ゴホンゴホン!」

 お前のやろ!お前のマスクやろこれ、どう考えても!

 忙しくなるにつれて、ますます雑になります。その雑さは餃子に顕著に表れ、焦がすのはもちろんのこと、皮が破けて中身が出ている奴を平気で出してくるのです。

 ふざけんなよ、お前!ケンシロウが秘孔突いたみたいになってるやんけ、これ!

 「春巻き、お待たせしました!」

 これも秘孔突かれてるやんけ!厨房にケンシロウなんて入れんなよ!「破くのは服だけにしとけ!」って注意しとけよ!

 「エビの天ぷら、お待たせしました!」

 衣多すぎんねん、これ!小2のチンチンぐらい衣あるやんけ、これ!

 「皿うどん、お待たせしました!」

 うずら入ってへんやんけ!お前、なんぼ忙しいか知らんけど皿うどんにうずら入れ忘れんなよ!うずらのない皿うどんなんて、寅さんのいない柴又やぞ!もしくは目当ての子に帰られた結婚式の2次会や!

 「カニ玉、お待たせしました!」

 ごめん、これのどこにカニが入ってんのって、短っ、このカニ!めっちゃ短いのが入ってた!お前これ、病人ジジイの歩幅より短いやんけ!

 「ラーメン、お待たせしました!」

 麺引っ付きすぎやねん!麺が松葉くずししてるやんけ、これ!

 「たまごスープ、お待たせしました!」

 薄っ、これ!もっと塩使えよ、このスープ!加藤鷹の指舐めてるほうがまだ味あるぞ!

 雑なのは、料理だけではありません。接客も雑で、オーダーを頻繁に間違えるのです。

 ランチピーク時のホールをしきっているのは、オバハンが多いです。接客だけではなく、顔がすでに雑な奴が多く、こないだ入った王将なんて、デンゼル・ワシントンそっくりのオバハンがいたんですよ。

 いつ来日してん、お前!聞いてないぞ俺、デンゼルが来日してるなんて!

 「いらっしゃいませ!」

 俺のほうが言わないとあかんわ!「この国にいらっしゃいませ!」って俺のほうが言わないとあかんわ!

 ランチピーク時のため、店内は混雑しています。あまりにも注文が遅いのでデンゼルにクレームをつけたところ、「あと5分だけ待って!」と、舌を出しながらかわいく言いやがったんですよ!

 デンゼルが舌出すなよ、気持ち悪い!お前もう、この行為1つで地獄行きやぞ!

 「(ウインクしながら)もうちょっとだけ待って!」

 オスカー像返せ、お前!もう返還や、お前みたいな気持ち悪い奴!

 夜のピーク時に至っては、口紅が付いたジョッキを渡されることもあります。入れ歯が挟まったままのジョッキを出されそうな勢いで、とにかくすべてが雑なのです。


 以上が、今回の考察です。

 今回、こんな記事を書きましたが、僕はそれでも、王将が大好きです。

 その濃さを差し引いても、値段と味は文句のつけようがありません。僕は本当に、世界ナンバーワンの中華料理屋だと思っていますから。

 ちなみに②でご紹介した、元ブタ。

 しばらくして元の体重に戻り、再び、「ブタ」と呼ばれていました……。