東日本大震災の津波で全校児童の7割が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校(柏葉照幸校長)の合同慰霊祭が四十九日にあたる28日、市立飯野川第二小学校でしめやかに営まれた。

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 会場の体育館には、亡くなったり行方不明になった児童74人と教職員10人の写真が祭壇に飾られた。PTA会長らが弔辞を述べ、保護者の代表が「助けられず、ごめんね」と無念の思いを語った。

 狩野あけみさん(42)は慰霊祭に参列後、6年生だった娘の愛さん(12)が遺体で見つかったと警察から連絡を受け、対面した。「すごく優しくマイペースな子だったので、ずっと見つからないと思っていた。おうちが好きな子でした。よく帰ってきてくれた。『冷たかったね。大変だったけど、よく帰ってきてくれたね』と声をかけました」と話した。妹の孫2人を失った宮城県東松島市の高橋なおさん(73)は「四十九日を迎えても、気持ちに区切りはついていない」と涙ながらに話した。

 また、岩手県大槌町の蓮乗寺ではプレハブの仮設本堂が建てられ、集まった遺族ら約100人が持参した骨つぼや卒塔婆に手を合わせた。

 蓮乗寺は津波被害は免れたが、直後の火災で全焼。住職の木藤養顕さん(50)は避難所を回って法要を行うことを檀家(だんか)らに伝えた。参列した同町の三浦和子さん(37)は夫を亡くし、父も行方が分からない。「『頑張ろう』という気持ちはまだ遠い。現実を受け止めるだけで精いっぱい。でも残された家族と、この町で暮らしていきたい」と話した.