低線量被曝について、「しらくもの健康をとりもどそう」さんからコメントを

いただきました。ご指摘の稲さんという方の講演動画、ざっとですが見た(聞いた)

ことがあります。

 ざっと・・・なのでもし違っていたら申し訳ないのですが、稲さんは超低線量
被曝は高線量被曝よりかえって危険たりうる という、
大阪高裁が認定してくれた事実(ないし疫学的知見)について触れていらっしゃらないのでは?

 上記赤字部分はベトカウさんという方が実験で実証していますが、それより
何より“人体実験”で証拠が挙がっていることなのです。
 この疫学的事実・知見を詳しく書いている『放射線の衝撃 
低線量放射線の人間はの影響(被爆者医療の手引き)』という本を
肥田さんが訳され、これを読んだ大阪高裁が納得して被爆者認定体を
求める訴訟で原告を実質勝訴させました。これで国はついに上訴をあきらめました。
 
 以下は大阪高裁が採用した「放射線の衝撃」核心部分です。
 *は転載を中略した箇所につけました。
 
 特に重要な部分を太字や色で強調してみました。

   :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 
 平成20年5月30日判決言渡
 平成18年 * 原爆症認定申請却下処分取り消し等請求控訴事件 *
    判決
    主文
     *
    事実及び理由
    第1章 控訴の趣旨
     *

4 低線量放射線による被爆の影響に関する指摘
   証拠*によれば、低線量放射線による被爆の影響に関する議論や指摘
  等に ついて、次の事実が認められる。
 (1) ドネル W. ボードマンの指摘(1992年)*
    ケンブリッジ及びマサチューセッツの原子放射線研究センターの
   ドネル.w. ボードマンは、著書「放射線の衝撃 低線量放射線の人間
   への影響(被爆者治療の手引き)」(肥田舜太郎訳)において、以下
   の指摘をしている。
       (略)
 (2) ジェイ M. グールドらの指摘(1994年) *
    「放射線と公衆衛生に関する研究計画」の責任者であるジェイ. 
   M. グールドとベンジャミン A. ゴールドマン は共著「死にいたる
   虚構 国家による低線量放射線の隠蔽」(1994年 肥田舜太郎ほ
   か訳)において、以下のような指摘をしている。
     広島原爆の経験に基づく高線量域から外挿した(機械的
   当てはめた)量反応関係(被爆線量の増加に応じて、被害が
   増加する相関性)に基いて、フォールアウト(放射性降下物)や
   原子力施設の放射能漏れによる低線量の危険は過小評価さ
   れ無視することができるほど小さいと信じられてきた。しかし
   医療被曝や原爆爆発のような高線量被曝の影響は、ま
   最初に、細胞中のDNAに向けられ、その障害は酵素によって
   効果的に修復されるが、この過程は、極低線量での障害に主とし
  て関与するフリーラジカル(遊離基)の間接的、免疫障害的な機序と
  は全く異なっている。このことは、チェルノブイリ原発の事故後の
  ミルク中のヨウ素131被曝による死亡率が、ヨウ素131のレベルが100
  pCi 以下で急激に上昇しているのに、高線量レベルになると増加率が
  平坦になってしまうことから裏付けられた。チェルノブイリの経験から
  言えば、この過程は最も感受性のある人々に対する低線量被曝の
  影響を1000分の1に過小評価していることを示している。
   チェルノブイリ事故以後の健康統計から計算すれば、低線量の線量
  反応曲線は、低線量域で急峻なカーブの立ち上がりを示す上方に凸の
  曲線又は対数曲線であり、線量反応関係の対数カーブは、べトカウ博
  士らが行った1971年の放射線誘発フリーラジカルの細胞膜障害の
  実験結果と一致する。低線量放射による慢性的な被曝は、
  同時には、ほんのわずかなフリーラジカルが作られうる
  だけであり、これらのフリーラジカルは血液細胞の細胞膜
  に非常に効率よく到達し、透過する。そして非常に少量の
  放射線の吸収にもかかわらず、免疫系全体の統合性に
  障害を与える。それと対照的に瞬間的で強い放射線被曝は
  大量のフリーラジカルを生成し、そのため互いにぶつかり
  合って、無害な普通の酸素分子になってしまうため、かえ
  って細胞膜への障害は少ない。
   チャールズ・ワルドレンンと共同研究者たちも、極めて低い線量の
  放射線の場合、高線量を用いた通常の方法やエックス線装置からの
  瞬間照射よりも200倍も効果的に突然変異が生じることを発見し
  た(体内摂取されたベータ線による持続的な被曝は、外部からの
  エックス線瞬間被曝に比べて細胞膜への障害が千倍も強い。)。彼ら
  のデータは、線量反応曲線は直線であり、低線量の影響に
  ついても高線量のデータによる直線の延長線上で評価す
  ることができるとしてきた伝統的な化学的ドグマと対立している。
   ストロンチウム90は、化学的にはカルシウムに似ているため、
  成長する乳幼児、小児、思春期の男女の骨髄の中に濃縮される。
  一度骨中に入ると、免疫担当細胞が作られる骨髄に対し、
  低線量で何年にもわたって放射線を照射し続ける。ストック博士と
  彼の協力者は、1968年、オスローがん病院で、わずか10~20mrad
  少線量のエックス線がおそらくフリーラジカル酸素の産生を通じて
  骨髄造血細胞にはっきりした障害を作り出すことを初めて発見した。
  このことが、
  直接的には遺伝子を傷つけ
  間接的にはがん細胞を見つけて殺す免疫の機能を
 弱め
 骨肉腫、白血病その他の悪性腫瘍の発育を導く。ストロンチウム90
 などによる体内のベータ線被曝で最も効率よく生産されるフリーラジカル
 酸素は、低比重コレステロールを酸化して動脈に沈着しやすくし血流を
 阻害して心臓発作を誘導すると考えられており、発がん性と同様に冠動脈
 心疾患の一要因なのかもしれない。
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 以上はPKO「雑則」を広める会さんの「死にいたる虚構ー国家による
低線量放射線の隠蔽 参考資料ー2010・4・12」からの孫引きです。
これを欲しい方は0422-51-7602(同会)へ。A5版30ページ¥100。
(送料ご負担を。それからなるべくカンパを。頻繁に青森県にいらしては、
各自治体の首長や職員に六ケ所再処理工場の危険性を説明していらして、
すでにm百万円を投じていらっしゃるとおもう。お金がいくらあっても足り
ない!)