3.11の大地震の影響~東京電力株(9501) その4~ | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

3.11の大地震の影響~東京電力株(9501) その4~

3.11の大地震の影響~東京電力株(9501) その4~




最近のニュースの論調で、原発被害や電力供給を早期に回復させることが難しい事が鮮
明になりつつあるため、東京電力の「国有化」を唱える人もいますが、これは事件処理
の方法論の話が多いようです。



日本では沖縄電力以外の電力会社はすべて原子力発電所を保有しております。もしも東
京電力の株主が出資金額全てを提供させられる(我々は直近の事例で日本航空保有株者
の末路がどのようなものであったか、を目の当たりにしています。)のであれば、他の
電力株へも大きく影響を及ぼすでしょう。地震地帯に発電所を持たざるを得ない日本で
は、電力株保有のリスクプロファイルが全く別の物になってしまうからです。そうなる
とあるいは電力料金が安すぎるのかも知れませんので、電力株を保有する投資家は、原
発事業というハイリスクビジネスのエクイティに投資している分、電気料金を値上げし
て増配政策を迫ることになるのかも知れません。



このように考えると、原子力発電事業は東京電力のスパン・オブ・コントロールを超え
た事業であったと言うべきかもしれません。つまり一民間企業の負担できるリスクを越
えているといえるかもしれません。



最終的には国にすがりつく以外に、このリスクを処理する事が出来ないことが明白にな
りつつある今、日本の電力政策において原子力発電のみ国有事業で実施し、火力・水力・
風力等その他の発電や送配電事業は今まで通り各電力会社の事業領域とするなどして、
原子力発電事業を他の電力事業とは分離する事が必要なのかもしれません。






Ken