名詞の性は、宗教的なものですか?
こんばんは。
丸山@実務翻訳者養成所です。
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先週、「イタリア語の衝撃の事実 」というお話をしました。
これは名詞の単数・複数の形についてでした。
それから「スウェーデン語の衝撃の事実 」というお話もしました。
これは名詞の男性・女性、中性・両性についてでした。
こういう日本語にないことは、なかなかやっかいですよね。
覚えていくしかありませんが、慣れると意外と問題ないものです。
これに関してよく聞かれる質問が、
「名詞の性は、宗教的なものですか?」
です。
欧米語の多くには「性」がありますが、これは実際に男性・女性の区別があるもの以外にも「性」が決められているのです。
ですから、例えば「石」という単語に「性がある」と言われると、どうしても「宗教」と絡めて連想されてしまうのでしょうね。
何か自然を超越したような、何か・・・
(ちなみに、ラテン系の言語で「石」は女性が多いです)
もちろん、人間の生活自体が宗教と少なからず関連性があるので、言語すべてにおいてまったく宗教と関連がないというとそうともいえません。
しかし、言語学的に名詞の性を考えるときには、基本的に宗教や思想とは関係なく、単に文法的な問題として処理されます。
ですから、フランス語で「大地」が女性(la terre)であることと、「母なる大地」と、大地が母で形容されることとの関連性は、言語学的には偶然と言うべきなのでしょう。
いずれにしても、名詞には、無生物で性別のないものでもすべて性が決まっているのが欧米語の特徴です。
両性や中性も、いずれにしても実際のものとは関係なく、文法的なきまりごとということです。
だから覚えるしかないのですね。
でも(繰り返しになりますが)、言語をマスターする上で名詞の性別を覚えることはまったく問題ではありません。結構簡単なものです。
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