アメリカのシェルターレポート、その1(動物収容施設/保健所) | 被災地動物情報のブログ

アメリカのシェルターレポート、その1(動物収容施設/保健所)

※この記事はリンクはOKですが、

転載はしないでくださいー。

またアメリカは州により法律や習慣が違います。

国土も広大ですので全米を網羅したわけではありません。

文章は私の住む地域や、

知る範囲のことを取り上げていますので、

他の州と違うことがあります。


・・・・・


アメリカのシェルター(保健所)には、
日本と同じように殺処分を行うシェルターと
譲渡を中心とした殺処分をなるべく行わない
ローキルシェルターの二種類があります。


※日本ではアメリカは殺処分を全く行わない

施設を持つノーキルシェルタ―が
たくさんあるように思われている節がありますが、
完全に殺処分をしていない施設はあまりありません。
またアニマルポリス(や同じような働きをする組織)も
全米で数えるほどの都市にしかありません。


・・・・・今日はキラーシェルター(アニマルコントロールです)・・・・

※悲しい画像があります




キラーシェルターはアニマルコントロールと呼ばれる
動物管理局のような州立の機関であることが多く、
動物の収容以外にも
野生動物の死骸の駆除や
動物の障害事件、苦情などを受け付けています。


キラーシェルターに連れてこられる動物たちの事情は様々で
迷子になった子、虐待から保護された動物、飼い主の持ち込み、
通報など様々なケースが挙げれます。


ノー&ローキラーシェルに比べハイキラーは
古くて殺伐としている雰囲気で、
薄暗い檻には犬や猫が収容されていて、
いつも強い消毒液の臭いがします。






その雰囲気が苦手でいつも足を運ぶと
どんよりした気分で帰ることになるんですが、
他州のシェルターでボランティアをしていた知人曰く、
私の住む管轄のキラーシェルは
比較的状態が良いほうで、
他州のハイキラーは屋根がなく、
ひとつの檻に複数の犬を収容し、
雨風に野ざらしになってるところも少なくないと言うです。




州の機関であるアニマルコントロールは

動物の管理をする機関ですので、

保護した動物は4日で殺処分されるきまりになっています。


また動物たちに提供できる檻が限られているので、
収容された動物たちは場合によっては
すぐに殺処分の待機状態になります。


ガス処置機
アメリカでは、
「ガスによる安楽死は動物に苦痛を与える」
と近年減少傾向にありますが、
収容数&処分数の多いキラーシェルターでは
依然ガスによる殺処分がメジャーです。



(アメリカのアニマルレスキュー事情は
場所や自治体によって状況が様々です。
収容動物はすべて殺処分を前提にしている
譲渡に力を入れていないシェルターや
&収容中に餌も与えない施設も多くあると聞きます。
以下、私の住む地域でのレポートになります)


比較的アニマルレスキューが進んでる私の住む街では、
ハイキラーシェルターのスタッフや常駐のボランティアが、
収容した動物に適性検査を受けさせた後、
(攻撃性や病気、癖など)
地元のノー&ローキラーシェルターや
アニマルレスキューグループ(愛護団体)と連絡を取り合い、
殺処分の前にローキルシェルターや
レスキュー団体が抱える一時預かりの家庭(フォスターホーム)に
搬送&保護されて殺処分を免れることが多いです。




キラーシェルターからローキルへ。動物の移送用バン。
イベントの時には収容動物の展示カーに早変わりします!


また直接キラーシェルターに動物を探しに来た人に対しても、
動物の性格や犬種の特徴などを説明したり、
譲渡後の相談窓口や

安価で受けれるクリニックが設けられています。


私の住む街のキラーシェルターのスタッフは
どうにかすべての動物を生かそうと、
様々な努力をしています。




それでも収容数に檻の数が追いつかなかったり、
人の扱い間違いで矯正できない習性をもった子は
自分たちの手で殺処分しなければなりません。


 


「せめて彼らの最後の時くらいは人のそばで」

キラーシェルターのスタッフは涙を浮かべて言います。


毎年、アメリカでは6~800万匹の動物が
シェルターに収容される中で、
約半数が新しい家に譲渡されています。

(日本は収容される動物はアメリカの1/20ですが
殺処分率は96%です)

狂犬病の発生国でもあるアメリカも
数十年前までは日本と同じ、
殺処分ありきのシェルターがメインでした。


でもまだまだ、死んでる。




動画で見る→Shelter Story1Story2Story3Story4


アメリカの動物事情も、
まだまだ、まだまだ!!



アメリカは動物愛護先進国の仲間入りをしたのはつい最近です。

日本との違いはほんの少しです。



アメリカや外国の方法や考え方が

そのまま日本に受け入れられるとは思いませんが、

アメリカの動物愛護への歩みは

比較的日本でも参考になるのではないかなーと思ったりもします^^



次回は動物を極力殺さない保健所、

ローキルシェルターの紹介をしたいと思います~☆


「おまけ」


日本では保健所の収容動物の情報があまり公開されませんが、
アメリカでは全米のシェルターを網羅できるサイトがたくさんあります。

●シェルターにいる動物をネットで探す
Pet Harbor
●ハイキラーシェルターにいる犬をネットで探す
Dogs in Danger
●シェルターやレスキューからあらゆる動物をネットで探す
Pet Finder
The save the pet show
PETS911

※上記サイトは検索は出来ますが、
実際のアダプション(譲渡)時は面接や家庭訪問があります。