元気な新興国ブラジルとインド~景気過熱と通貨高のダブル防止策!? | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

元気な新興国ブラジルとインド~景気過熱と通貨高のダブル防止策!?

4連続コラムの2日目の本日も昨日に日い続きブラジルの経済について書きたいと思います。具体的には
ブラジル中銀の手練手管とそれが及ぼす同国への影響とブラジル経済の今後を考えてみたいと思います。

中銀は、インフレ率の加速を強く警戒しており、政策金利をさらに引き上げると私は予想しています。


また、利上げに加えて、追加的な「マクロプルデンシャル措置(金融システムの健全化・安定化措置)」が導
入されることも考えられます。昨年12 月3 日、中銀は、インフレ抑制を目的に、預金準備率の引き上げ、金
融機関の自己資本規制の強化を含む「マクロプルデンシャル措置」を発表しました。また、その後、政府は、3
月29 日に、銀行及び企業による海外からの借入れに対する金融取引税(IOF)を6%に引き上げ、さらに4
月6 日には課税対象となる借入れの期間を1 年までから2 年までへと拡大しました。また、4 月7 日には、消
費者ローンに対するIOF 税率を2 倍に引き上げ1.5%から3.0%としています。これらは、「マクロプルデンシ
ャル措置」の一環と見られ、政府・中銀は、引き続き銀行貸出の抑制など量的引き締めによるインフレ抑制策
を打ち出すことが考えられます。これら措置の効果から、インフレ率は2012 年には徐々に低下することが見
込まれます。


ブラジル経済は、向こう数年間、インフレ率の高進を抑えつつ、潜在成長率近辺の4~5%程度の成長を続
けることが可能と私は見ています。また、ここにきて、ジルマ政権の堅実なマクロ経済運営に対する内外
の評価が高まっています。4 月4 日には、大手格付機関フィッチ・レーティングスがブラジルの外貨建及び自
国通貨建長期債格付を「BBB-」から「BBB」に引き上げました。同社は、引き上げの理由として、潜在成長率
が4~5%に上昇していることに加えて、新政権の財政健全化に向けた取り組みを挙げています。


ブラジルは工業化に向けてまい進しつつ、同国の豊かな国土が農業国としての大きなプレゼンスを示し、
また近年は沖合に海底油田が発見されるなど、資源国としての一面も強めつつあります。


今後、投資家のリスク選好度が持ち直し、先進国から新興国への投資資金の流れが再び活発化することが
見込まれる中で、ブラジル市場に対する投資家の注目度が一段と高まることが期待されます。




Ken