ミキサーさんに突き返されない録音方法 | お代官様 お戯れを!

ミキサーさんに突き返されない録音方法


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基本的に素材をもらうとファイルの音割れをチェックするんですが、

10%~20%くらいの確率で音割れしてることがあるのです。
ほとんどのミキサーさんは「音割れしてるよ」ってリテイクすると思うので、
せっかく上手く歌えて神テイクだと思ってたものを音割れで泣く泣くNGにしないように、ざっと録音方法をお教えしませう。

チェックポイント

1:マイクセッティング
2:オーディオ・インターフェースの録音レベル設定
3:録音ソフトの初期設定と録音レベル、wav書き出し時のレベル設定


1:マイクセッティング
 §1.マイクの固定
  最低でもマイクスタンドくらいは用意しましょう(2000円くらいから売ってます)。
  どうしても用意できない場合は、棚や家具などを利用して固定しましょう。
  手で持つと、ちょっと握りを変えただけでもノイズが入ってしまうし、マイクとの距離が一定じゃないので、
  声がいきなり遠くなったり近くなったりしがちです。

 §2.マイクと口との角度
  セッティングの際に気を付けなくてはいけないことは、吐いた息をマイクが拾わないようにすることです。
  これを防止するためには、
   ①ポップガードをつける
   ②マイクの角度を調節する

  ということが重要です。


 まずは口の位置と水平にして試してみましょう。

 うまくいかないときは、マイクの先端(コンデンサーマイクならダイヤフラムの向いてる方)

 を口に向けた状態で、マイクをやや斜めにセットして、少し上から狙ってみたりしてみましょう。


  どれくらいの角度で息を拾うかは、マイクによって違いますし、マイクの角度で音の拾い方も変わってくるので、

 録音状態にしたままマイクの角度をいろいろ調節して、最適な角度を探しましょう。
  ポップガードがない人は特に注意して角度を決めましょう。

 §3.マイクと口との距離
  マイクと口との距離は録り音に大きく影響が出ます。
  マイクとの距離を示す用語で「「オンマイク」「オフマイク」という言葉がありますが、
  歌録りの「オンマイク」は口をマイクに近づけること、「オフマイク」は口をマイクから離すことを指します。
  録音時はカラオケで歌う時よりもオフマイク気味にするのが一般的です。

  ひとつの目安として、マイクとポップガードの間に拳1個分くらい、ポップガードと口の間に拳1個分くらいに
  セットしてみてください。(あくまで目安ですから、好みである程度変えても構いません)
  たまにポップガードがマイクにくっついてるような方を見かけますが、高域成分がカットされるだけで、

  大抵の場合ポップガードの意味があんまりなくなりますよー。

  この状態でテスト録音してみて、声が遠い、細いと思ったら距離を近づければいいし、
  低音がもこもこして全体的にこもって聞こえるというのであれば距離を離せばいいのです。
  録音状態にしたまま、距離を前後に移動してみるとわかりやすいと思います。

   例)「ポップガードから拳1個分あーあーあー、(ちょっと離れて)拳2個分あーあーあー、
     (さらに離れて)拳3個分あーあーあー」みたいに話したものを録る。

  歌っている間にノッちゃって、気づかないうちにマイクとの距離が変わってしまうという人は、
  マイクからポップガードまでの距離を増やして、ポップガードに常時近づいた状態で歌うといいでしょう。

2:オーディオ・インターフェース(以下IFと略す)の録音レベル設定
UA-4FXというIFを使っている方が多いので、UA-4FXを例にとります。
みんな持ってるから画像いらんよね・・・

 §1.インターフェース周りのあれこれ
  録音の場合、基本的にエフェクトは全部OFFで構いません。下手にエフェクトをかけると、
  後でMIXする時にエフェクトが邪魔になることが多いです。
  マイクとIFの接続は出来るだけXLR端子-XLR端子(キャノン-キャノンとも言う)のケーブルを用意し、
  本体左側の入力端子に接続しましょう。ノイズを若干軽減出来ます。
  コンデンサーマイクの方はファンタム電源をONにするのをお忘れなく。
  本体左側のSAMPLE RATEスイッチでお好みの数値に設定します。
  設定後はUSBケーブルを挿しなおしましょう。

  基本的にサンプルレートの数値が大きくなればなるほど音質はよくなりますが、
  ファイルサイズも比例して大きくなります。
  歌ってみたの場合、CD化するのでない限り、16bit44.1kで十分だと俺は思いますよ、
  そもそもMIXするオケはmp3という音質的に必ずしもいいものではないし、
  ニコニコ動画にうpするときもAACとかの非可逆圧縮フォーマット
にエンコードされるしね。
  まぁこれはあくまでも俺の考えですので、念のため。
  あたりめPさんはビットレート、サンプルレートを上げて録音するのを推奨しているようです。

  なるべくS/Nを稼ぎたいということだと思いますが、好みや志向の違いということですな。

  せめて声だけでも音質にはこだわりたい、という方や、CD制作を前提にするのであれば、
  24bit48kや24bit96kの方がいいと思いますが、ミキサーさんの使用ソフトによっては
  対応出来ない設定もありますので、事前にミキサーさんと相談しときましょう。

  ここで設定したSAMPLE RATEの数値をメモしときましょう。

 §2.録音レベルの設定
  そして音割れ防止の第一歩、録音レベルの調節です。
  UA-4FXはゲインが低めなので、多分GUITAR/MICつまみを目一杯右にしても大丈夫だと思います。
  重要なのは一番右のOUTPUTのつまみの位置です。
  (もしOUTPUTのレベル設定が適切で、それでも歪みや音割れを感じるようなら、
  一番でかい声出したときでも歪みがなくなるポイントまでGUITAR/MICつまみを左に回していきましょう。)

  一番でかい声を出した時に、OUTPUTのつまみの上のメーターが赤く光らないように調節します。
  録音段階で音割れしてる場合、まずこの段階でメーターが赤く光っていないかチェックしましょう。

3:録音ソフトの初期設定と録音レベルの設定

 §1.初期設定
  ここではAudacityを例にとります。
  まずは「編集」→「設定」で設定画面を開きます。
  ほとんどの方は普段録音されていると思うので、「デバイス」の設定は出来ていると思いますが、

  一応ひとつだけ。

  

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  録音のチャンネルが「1(モノラル)」になっているか確認しましょう。
  歌の録音はモノラル録音が通常です。

  次に見るところは「品質」です。
  ここで、UA-4FXの設定時にメモしたSAMPLE RATEの数値と、サンプリング周波数の欄の数値を
  同じ値にしましょう。ここでは16bit、44.1k(44100)Hzにセットします。

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  IFの方でSAMPLE RATEを高音質に切り替えたら、ここの数値も同じにしないと、
  録音・再生時の音がおかしくなるので気をつけましょう。

 §2.録音レベルの設定
  ここでも録音レベルの調節をします。やはりここでレベルオーバーしてしまうと音割れにつながります。
  試しに一番でかい声を録音してみましょう。

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  画像のオレンジの丸部分を見てください。録音レベルメーターの一番右側に赤い線が入っています。
  これはどこかでレベルオーバーして音割れしてるよ、という証拠です。
  録音した波形からも音割れがわかります。画像の赤丸部分を見てもらうとわかると思いますが、
  波形が上下いっぱいにくっついている場所があります。
  ここは音割れしている可能性が高いです。というよりまず割れてます。

  要はレベルメーターの一番右側に赤い線が入らないように、波形が上下にくっつかないような
  
レベルに調節するってことです。
  画像の緑丸部分のツマミを動かして、録音レベルメーターが右まで振りきらない、
  波形が上下にくっつかないとこまで入力レベルを下げていきましょう。

 §3.オケと頭揃え
  ここでいよいよ録音に入ります。
  最初にオケのファイルを読み込んでおきます。それに合わせて歌って録音していくわけですが、
  ミキサーさんによっては「頭揃えたファイルくれ」と言われることもあると思うので、やり方だけ。

  曲の最初から録音ボタンを押して、歌が始まるところまで無音部分を録音する、これだけです。

  これをメインボーカル、ハモり、コーラスなど、全パートでこの作業をしとくと、
  ミキサーさんは自分が歌ったタイミングでオケと合わせてくれます。
  頭が揃ってないと、ミキサーさんが波形を見ながらオケと合わせる作業をするので、
  場合によっては自分が歌った時とタイミングがズレたりすることもあります。
  部分的に一部だけ歌い直す時以外は、なるべく曲の最初から録音状態にして、
  ファイルの頭を揃えてあげるとミキサーさんは喜びます。

 §4.wav書き出し時のレベル設定
  最後にOKテイクをwavフォーマットで書き出します。
  再生してみて、画像の黄色丸部分の再生レベルメーターが右いっぱいに振りきって、
  オレンジの丸部分のような赤い線が残らないように、
  先程の画像の青丸部分のつまみをつかって再生レベルを下げていきます。
  レベルの調整が終わったら、wavに書き出します。
  書き出す前のノーマライズ(正規化)やノイズ除去などはしない方がいいです。
  そこらへんはミキサーさんにお任せしましょう。

以上、ざっと説明してみましたよっと。
ね、簡単でしょ?