【結果】アイスリボン5・25蕨 | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

【結果】アイスリボン5・25蕨

『アイスリボン・294』
◆5月25日(水)埼玉・イサミレッスル武闘館(19:30)
観衆124人(超満員札止め)
 
▼10分1本勝負
 みなみ飛香(8分1秒/ブロックバスター・ホールド)成宮真希
 
 飛香の素早い動きに翻弄されながらも、成宮は逆エビ固め、スリーパーで攻める。スワンダイブで飛んだ飛香をたたき落とすと、手刀の応酬。コーナーからの手刀を決めた成宮がエクスプロイダーを狙うも、飛香が耐える。成宮はバックブリーカーに切り返し、アルゼンチン式背骨折りで担いだ。腰にダメージを蓄積した飛香はブロックバスターで投げられない苦しい展開が続いたが、掟破りの手刀からブロックバスターでフォールした。
 
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▼10分1本勝負
 宮城もち(6分31秒/メタボリックサンド→体固め)志田光
 
 来週タッグ王座挑戦が決まっている宮城。序盤はグラウンド、コーナー上と、腹ウオッシュを見舞って優勢に試合を進める。うすDONも決めたが、その後はクロスフェースに捕まり、カナディアンバックブリーカーからのフェースバスターと苦戦を強いられる。しかし、ブレーンバスターで態勢を入れ替えてプレスすると、もっちりバディシザース。これはカウント2で返されたが、志田のニーアタックを腹の肉で弾き返し、前から後ろからとシャイニング腹ザードを浴びせる。最後にスタイルズクラッシュを決めるとカウント3。元タッグ王者からきっちり3カウントを奪って見せた。
 
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▼15分1本勝負
 ○さくらえみ&都宮ちい(14分13秒/腕ひしぎ逆十字固め)大石真翔&●真琴
 
 「基礎体力がない」と言われ「SMASHの合同練習に参加するのは4月中に腕立て伏せ100回ができるようになったら」とさくらに条件を出された真琴。19時女子で挑戦するも腕を負傷し、前大会は初となる負傷欠場をした。
 
 真琴は左腕に包帯を巻いて入場。序盤は大石が捕まりながらも、さくらをキャメルクラッチに捕らえる。大石に呼び込まれた真琴だが、マコトタッグを嫌がる真琴はなかなか応じない。しかし、客席の声援に押され、吹っ切る様に「萌え萌えキュンキュン」を大石と一緒に決めた。都宮は躊躇なく真琴の左腕を攻めるが、さくらは都宮の「左腕を攻めろ!」という言葉に「言い訳になるから攻めなくていい」と答える。都宮はさくらの態度に「は?」と嫌悪感を示す。真琴はトペを敢行し、ダイビングボディーアタックとさくらを攻め込み、さらに大石との連係からW・W・ニーを放とうとするも、腕をかばってやめてしまった。これを見たさくらが豹変。蹴りを浴びせてから捻りあげるなど、左腕を攻め始める。真琴がさくらのムーンサルトプレスをかわすと、大石がミラクルエクスタシー。真琴は腕をかばいながらもW・W・ニーを放ち、人間風車固めを決めた。しかし、張り手からスマッシュマウスで再び劣勢となり、トラブルクラッチで腕を絞めあげられた。これはロープに何とか逃れたが、残り1分のコールからさくらがラ・マヒストラルを仕掛けると真琴は切り返しを狙う。しかし、さくらはさらに切り返して腕ひしぎ逆十字固め。真琴はたまらずタップした。
 
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 真琴は「今からやります!」と腕立て伏せをやろうとするも、さくらから「そんな腕でできるわけがない。腕を攻めてもらってよかったね。だから攻めなくていいって言ったんだよ。できない理由になるから」と辛辣な言葉を浴びせられる。「なめんじゃねえぞ! ババァ!」と吐き捨てて腕立て伏せを強行しようとしたが、やはり1回もできない。そこにTAJIRIが現れ「やらなくていいよ、そんな腕でできないでしょ」と真琴に言葉をかける。さくらが「アイスリボンの問題なので」と遮ろうとするも、TAJIRIは「元々はオレが言った言葉が発端になってるって。こうやってお客さんの目に触れている以上、アイスリボンだけじゃなく、みんなの問題じゃないですかね」と言い返し、観客は拍手で支持。TAJIRI「いいじゃん、ちっちゃいこと言わなくて。すごい素質あるんだから。長い目で、大きな目で見てあげないと」、さくら「ちっちゃいことじゃないですよ。それでもケガをして、今からやろうとしていることを、ちっちゃい問題と言ったら、本人の中ですごい大きな問題です」、TAJIRI「今日じゃなくていいでじゃん」、さくら「本来なら4月中にやらなければいけなかったんです」、TAJIRI「じゃあさ、(真琴は)下半身はすごいんだよ。上半身はちょっとまだ弱いかも知れないけど、下半身はすごい太くなってきたと思わない? 全然しっかりしてるから。あとは上半身。もう1回、うちに預けて。サイボーグみたいにしてあげるよ。サイボーグまこちゃん見たくない?」。2人の口論が続く中、都宮が「結局、(真琴には)逃げ道ができただけですよね」とさくらの腕を掴んで2人で退場。TAJIRIは「何でもかんでも今日決めなくてもいいんだよね。長い目で見ろって。(真琴に向かい)明日から(SMASH練習)来る? みなさん、それでいいでしょうか? (観客の拍手が)ちょっと微妙だな。いいよ、やっちゃえ! 世界を目指すんだろ? ちっちぇえって、こんなこと」。真琴は「はい!」と答えながらも号泣。TAJIRIが退場すると、大石が「マコちゃん、立って。自分の足で立たないと世界には行けないよ。僕はこれ以上何も言えません。マコちゃん、笑顔で帰ろう」と真琴を立ち上がらせ、「萌え萌えキュンキュン!」で締めた。
 
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▼ICE×60選手権試合20分1本勝負
 藤本つかさ(11分1秒/ビーナスシュート→片エビ固め)松本都
※第11代王者が4度目の防衛に成功。負けた松本都がアイスリボン退団となる。
 
 「都は何も変わってない」というさくらが「都が敗れたらアイスリボンから所属を外す」と決めたタイトルマッチ。藤本は「都とはゼロからプロレスを一緒に始めた仲間。どうしてこんな試合をしなきゃいけないんだろうって思いましたが、情は捨てました。このベルトを持ってやりたいことがたくさんあるので、自分も負けたら退団するくらいの気持ちでやりたいと思います」とリングに上がった。序盤は手を出さず、都に攻めさせた藤本だが、エルボー1発で倒すなど力の差を見せるような攻撃。都がエルボー、蹴りで反撃してもダメージはなく、サッカーボールキック、逆片エビ固めでやり返した。コブラツイスト、卍固め、グラウンド卍固めを許すも、すぐに裏ヒザ十字固めでお返し。ダイビングボディープレス、リバースタイガードライバー、足極め首固めはすべてカウント2で返し、ビーナスクラッチでフォール。ウラカンラナをパワーボムに切り返され、マンマミーアを許したが、藤本は1カウントも許さず肩を上げた。シャイニングウイザードを食らっても流れは渡さず、延髄斬りからビーナスシュートを見舞う。都はフォールされないように場外へ逃げようとしたが、藤本は捕まえてフォール。都は必死にサードロープに手を伸ばした。藤本のミサイルキックをかわした都が逆転勝利を狙ってみやここクラッチへ。さらに横回転して3連続フォールしたが、藤本はすべて返す。技を出し尽くした都はガムシャラにエルボーを放っていくが、藤本はミサイルキックで動きを止め、ビーナスシュートでトドメの一撃。都に3カウントを聞かせた。
 
 目に涙をためた志田が都を介抱する横でベルトを巻いた藤本は、都と両手で握手し、都の手を上げた。都は四方に向かって礼をし、先に退場。他の選手がリングに上がりエンディングへ。
 
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▽エンディング
 
 成宮「自分は3月にデビューしたばかりの新人です。今日も負けてしまいました。生意気かもしれないけど言わせてください。アイスリボンは歌とプロレスの国ですよね? 5月の後楽園でさくらさんはダンスとプロレスの国って言ってましたよね? 都さんが退団したらダンスはどうなってしまうんですか? 私はいつでも踊る準備できてます。雁之助さん、ミュージックスタート!」マッスルビーナスや真琴、都宮が涙を流し、下を向いている重い空気の中、成宮は思いっきり踊って見せた。
 
 飛香「今日のメインを見て、前回のシングルマッチで都さんが(藤本に)勝ったというのが信じられません。正直、都さんがベルトを獲れる気がしませんでした。自分は明後日、つくしのIW19のベルトに挑戦します。自分は都さんみたいになりたくありません。必ず獲ります。ていうか、成宮さんすげえ! 私も負けない。雁之助さん、いや本田雅史さん、ミュージックスタート!」飛香も元気よくダンスを披露。
 
 志田「自分は踊りません。ドラマ『マッスルガール』、昨日の放送を見てくださった方はいますか? さくらさんと藤本とオーディションに行きました。通ったのは自分だけです。テレビにたくさん出ているのも自分です。本当はもっと有名になると思っていました。街で声をかけられたり、サインを求められたり。ドラマに出て、今実感していることは、藤本と差がついたということです。今日のメインを見て、自分ももっと藤本と対戦していきたいと思いました。さくらさん、土曜日、藤本とシングルお願いします」。
 
 宮城「ちょっと待った。ダメダメ。志田さんさ、『マッスルガール』見ましたよ。あんなにうまそうに牛丼を食ってるからさ。牛丼が食いたくなって。だから、私の試合を見て、みんなお腹空いて私のこと食べちゃいたいって言われたらどうしようかって。それは困っちゃうね。藤本さんと差がついてしまったって言ってるけど、差がついてしまったのは藤本さんだけですか? 余裕ぶってるんじゃねえの? プロレスのやり方忘れちゃったんじゃねえの? もっとバーンとさらけだしていこうよ。あんたもお腹出してるんだからさ、タッグ組もうよ」。
 
 会場が驚く中、さくらは「いいと思います」と即答。「次の土曜日はシャッターリボンなので、2人のお腹を比べればいいと思うよ。飛香ちゃんと成宮の変なダンスのタッグと組みたいと思います」。
 
 大石に促され、真琴がマイクの前に座るも、都宮が奪う。「自分は今日、さくらさんに腕を攻めるなって言われたのが信じられません。プロレスって何ですか? 気持ちじゃなくて技術があればいいんですか? 真琴さん、今日も腕を痛めたみたいですね。腕立てできない理由ができてよかったですね。土曜日欠場しないでくださいね」。
 
 真琴「自分は絶対に欠場しません。腕なんて痛くありません。このリングから、アイスリボンからも腕立てからも絶対に逃げません。見ていてください」。
 
 藤本「正直、自分でもビックリするくらい都の退団は考えられません。今日、栗原あゆみさんがNEO2冠のベルトを返上するニュースを聞きました。自分はその先にどんな目的があろうと、このベルトを失う時は負けた時だと思っています。常にリングの中に存在している、それがベルトの価値です。平日にも関わらず、こんなにたくさんの人が見に来てくれて嬉しいと思っています。でも、満員になったのはお客さんのおかげ。それじゃダメだと思う。自分が満員にしなきゃいけないと思う。このままでいいのか、ダメです。毎回さくらさんに振り回されたらアイスリボンはダメになる。自分が真のトップにならないとダメです。さくらえみ、自分に挑戦してこい!」
 
 さくら「私は70キロあるので…」。
 
 藤本「都とはこれから別々の道になってしまうんですけど、マッスルビーナスの絆がなくなるわけではないし、今後もいち友人として向き合っていきます。8月の後楽園、満員にして見せます」。
 
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▽都が新団体設立を発表
 
 さくらが「最後に締めてくれるのは?」といつも通り、大会を締め括ろうとすると、都がイス2脚を持ってリングに上がる。さくらを座らせ、並んで座った都は「これから緊急公開記者会見です」と始めてしまった。
 
 都「さくらさん、今日は最後にメイン、タイトルマッチという貴重な舞台をいただきありがとうございます。3年間、アイスリボンという団体でプロレスをやってきましたが、感謝してもしきれない気持ちです。自分はわがままで口だけだったかもしれないけど、本当に今日という日までプロレスを続けてこられたのは、ここにいるファン、選手のみんな、さくらさんのおかげだと思っています。だけど、だからこそ、松本都このままでは終われない。このままでは終われないと思っています。松本都はこのままでは終わりません!」立ち上がった都はさくらに蹴りを浴びせた。
  
女子プロレス専門誌『RINGSTARS』-アイスリボン5・25蕨  都「私は宣言します。本日をもってアイスリボン退団となりますが、オフィス都、新団体を旗揚げしたいと思います。新団体の名前は崖のふちプロレス。この女子プロレス全盛期の中、女子プロレスのど真ん中を走っていけるようにします。アイスリボンにはできないこと、さくらさんの嫌がることをすすんでやっていきます。団体のコンセプトはシークレットになっています。藤本、今日はありがとう。道は分かれるけど、友達として協力お願いします。さくらさん、これからは団体を束ねる代表同士、これからもよろしくお願いします、会場はレッスルアリーナを使わせていただきます。さくらさん、帯広、飛香さん、これからは代表同士、頑張っていきましょう。よろしくお願いします」。
 
 さくら「バカすぎる…」。