たかじんのそこまで言って委員会「新エネルギープレゼンSHOW」(6.12) その1他 | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

たかじんのそこまで言って委員会「新エネルギープレゼンSHOW」(6.12) その1他

「脱原発してしまって委員会 新エネルギープレゼンSHOW」
という内容だった番組でしたけれど、
私もこれまでいろいろとお書きしていて、
それは、原発をやめるというのであれば、
何かしらのそれに代わるものが必要であろうと考えるからです。


飯田哲也環境エネルギー政策研究所長が紹介したのが、
太陽光、風力、地熱といった自然エネルギーです。
これらの共通点はなくならないという点。
数十億年もすれば地球がなくなっているので、
話は別でしょうけれど。

飯田所長は元々原子力の専門家です。
それが現在は自然エネルギーを普及させるべく、
「ISEP 環境エネルギー政策研究所」の所長をされています。
世界的に見ても、これらの発電は順調に伸びていて、
伸びでは原発を追い越しています。

問題は質のいい電気が得られるかという点と、
コスト面、電気代が高騰するのではないかという点です。

質の良し悪しというのは、安定供給が出来るかという問題で、
条件次第では発電量が極端に減少する、
あるいは全く発電されないというような発電方法の場合は、
他の発電システムと組み合わせる必要があるでしょう。
または、蓄電システムの劇的な進歩を待たねばなりません。
飯田所長もそのあたりは歯切れが悪くなるのが気になりました。


番組を離れまして、太陽光発電の場合を計算してみましょう。
現在稼働している九州電力・メガソーラー大牟田発電所は
出力3000kWとなっています。
これは昨年11月から稼働している発電所で、
面積は約8万平方メートル(ヤフードームとほぼ同じ広さ)と書かれています。
新しいタイプの原発1基は100万kWの出力ですので、
ヤフードーム333個ぶんの面積にパネルを敷き詰めれば、
原発1基ぶんの電力が賄える計算になります。
ただし、変電所、変圧器、その他管理に必要な施設はまとめられますので、
それよりは小さくて済むことが考えられ、
小さめに見積もって、ヤフードーム300個ぶんだとしましょう。
その場合、2400万平方メートルの土地が必要です。
伊豆七島の新島、東京千代田区の倍の面積、
我が大阪府寝屋川市をパネルで覆い尽くせば、
原発1基ぶんが賄えるかもしれません。
(原発の稼働率を70%で計算すると東京都三鷹市、大阪府四条畷市程度)

私が思うに、孫さんの「電田プロジェクト」では示されなかった、
如何にしてそれだけのパネルを用意するかが問題であるように思います。
その金銭コストもそうですが、
大牟田発電所では約1万3千枚のパネルが敷設されているようです。
これを元に計算しますと、
原発1基ぶん相当の電力を得るために必要な太陽電池パネルは、
390万枚になってしまいます。

原発1基相当でこれだけの膨大なパネルが必要で、
「電田」の50基ぶんですと、それをどうやって製造すれば良いのか、
見当も付きません。そのための電力も必要です。
これに金銭面の問題が加わります。
パネルの他に架台も莫大な費用が必要となります。
原発に注力していた資金をこちらに流したとしても、
その実現性は如何ばかりでしょうか?

風力発電の場合、繰り返しになりますが、
その立地が一番の問題となります。
低周波音による公害は無視できず、
技術革新でどうにかなる問題ではないようです。
ただ、人が住んでいない洋上風力発電は期待できると思います。
文字通り、海上に設置する風力発電所で、
3月の大地震でも、茨城県神栖市の洋上風力発電では、
地震と津波に耐えたことが注目されています。
ただ、この風車は洋上とはいえ、
ほぼ陸地というような立地であり、
他の海岸線にそのような場所は限られているでしょうから、
さらに沖合に風車を設置する必要があるのではないでしょうか。
その場合、海底に基礎を必要としない
浮体式洋上風力発電も選択肢の一つであろうかと思います。
とはいえ、風力にしても何千もの風車が必要で、
すぐにどうこう出来るものではありません。

地熱発電も以前触れましたけれど、
火山国である我が国には有望株だとは思いますが、
どこに建設するかが問題で、
温泉地などは嫌がるでしょうね。
自然エネルギーで一番期待できるのはこれだと考えています。



この記事のタイトルとは裏腹に、
番組では述べられていなかったことばかりお書きしてしまいました。

ここのところ、どうもムカムカしているんです。
リアリティのない話ばかりが聞こえてきて。

点検中などで停止中の原発が再稼働出来ないため、
全国的に節電の夏となる訳ですが、
原発は13ヶ月に1度の点検が義務づけられています。
そのために、需要が高まる夏に備えて、
点検を終わらせていたはずの原発が使えません。
この夏は乗り切ったとしても、現在稼働している原発が点検に、
次の年にはほとんど全ての原発が停止しますよ?

来年までにそれを補える発電なんて、
火力以外にはないというのに。
でも、既に京都議定書の目標達成は不可能に近い状態です。
天然ガスと石炭、石油はさらに高騰するでしょう。
それでも火力だというのであれば、
数年もあれば、火力発電所の新設などを行うことで、
置き換えることは可能であると思います。

反原発、脱原発は結構ですが、
電力の3割~5割を失う覚悟、あるんでしょうか?
家庭レベルならまだしも、全産業が深刻なダメージを受けるでしょう。
トヨタ自動車の豊田章男社長は10日

日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う

と述べています。
あのトヨタが、ですよ。
他の企業ならともかく、トヨタからこんな発言が出てきました。
既に産業の空洞化が深刻です。
さらに国内産業が虚ろなものへと朽ちていくことになります。
それは私たちの雇用を直撃するでしょう。
その覚悟はあるのか、
脱原発は仕方ないにしても、
10年規模のゆるやかな変化ではだめなのか、
自然エネルギーにしても、
どれも数年で原発に置き換えられるような夢の技術は皆無で、
今は原発を含めた現在の電力を使用して、
それらに必要なものを製造し、研究し、
出来上がり次第、順次、原発を停止していく、
合理的に考えれば、選択肢は他にないように思うんですけれど。

利権が関わっていようが、
そこに電力会社の陰謀が絡んでいようが、
現実に私たちは原発が産み出した電力を利用しています。
そのシステムの中で暮らしているんです。
それを改めるには時間が必要だということを、
各メディアが声を大にして訴えていくべきだと思います。

政府は、電力については
まず今年と来年についての問題に対応を。
そのためには地元に対する安全対策と
基準を示さなくてはなりません。

ねてしてタペ