シングルやアルバムに比べて、単独でトピックスとして取り上げられることは少ないミニアルバム。
しかし、安眠妨害水族館では、ミニアルバムに絞ったランキングまでやっちゃうよ!
ってことで、続けているミニアルバム編。
毎回、候補不足!とか言っておきながら、なんだかんだで選抜が難しいほど、リリースされてるものなんですよね。
ミニアルバムで存在感が出せるバンドって、なかなかの実力者だと思っているのは僕だけでしょうか。
第5位
駆け込みでランクインとなりました。
yazzmadの全国流通となるミニアルバム。
バンドとしてのスタイルは、まだまだ確立できていない感はあるのですが、音楽性については、一貫しています。
漂うように浮遊するメランコリックな楽曲たちは、最近のV系バンドにはなかなか見られないアプローチ。
どことなく、deadmanなどの古き良き名古屋系を思い起こさせる部分もありますが、全体的に、淡々とした優しさが感じられて、徹底した雰囲気モノ路線に仕立てているのは好印象でした。
メンバーの脱退が、どのように影響を与えるのかは見えていない部分もありますが、これからに期待です。
第4位
- ア・カペラ 【通常盤】/アヲイ
- ¥2,310
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詳細なレビューは<こちら >
ラウド・ミクスチャー系のバンドとして、スタイリッシュに生まれ変わったアヲイ。
このクオリティがあれば、この位置は妥当でしょう。
ラウドになりすぎると、無個性になってしまうところで、メロディアスなストレートナンバーを上手く持ってくるあたり、音源を作る意図で曲を書き下ろしたからこそのメリットが出たといったところ。
もう少し、前編成時代の面影、蓄積してきた音楽性を詰め込めていたら、ベストスリーに入れていたかも。
ムックっぽいバンドから脱したという意味では、褒めるべきなんだろうけれど、昭和歌謡テイストが薄まってしまったことに寂しさがあるのは確か。
新人賞
- ルルリニア/レクレンズ
- ¥2,000
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詳細なレビューは<こちら >
この作品を最後に、ボーカルさんが脱退してしまったので、ここに入れるか迷ったところではあるのですが、歩みを止めずに活動している姿勢に敬意を表して。
ピコピコ系らしいサイバーな音楽性と、案外攻めのフレーズを差し込んでくる楽器隊とせめぎ合いが面白い。
キャッチーさもあり、第一印象がなかなか良かった作品です。
聴き込むと、表現力などに物足りなさは感じてしまうものの、その辺に優れた新Voが加われば、鬼に金棒。
今後の展開が未知数ながら、期待は膨らむバンドですね。
第3位
- 桜ヶ丘流星群/マイナス人生オーケストラ
- ¥1,000
- Amazon.co.jp
1,000円というロープライスで発表されたミニアルバム。
この価格で、この内容であれば、もう買うしかありませんよね。
マイナーコードで切なさのあるメロディラインと、ピコピコ系という音楽ジャンルながら、様々に展開を見せるバラエティ豊富な演奏。
そして、それに重なる真面目なのか不真面目なのかわからないネガティブな歌詞。
表題曲のサビでは美しく、はっちゃけるところははっちゃける、自らの強みをよく理解した構成にノックアウトされました。
第2位
- Apples/Moran
- ¥2,625
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Zillさんの遺作となった作品。
全体的にダウナーさが漂っていて、気怠いHitomiさんのボーカルとともに、メランコリックな世界観を作り出す。
マニアックなのかストレートなのか、捉えどころのないアレンジの妙も、まさにMoran。
アルバムとしての完成形をイメージしないで作られた楽曲たちだと思いますが、決して流れが良いわけではないからこそ滲み出る「一癖」が、かえって人間味を感じさせ、切なくなります。
追悼盤、という肩書がない状態で聴いてみたかったな、というのが本音でしょうか。
第1位
- 神様、ディスコにて堕天。/マイナス人生オーケストラ
- ¥1,000
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詳細なレビューは<こちら >
キラーチューンである「僕の神様」を筆頭に、1曲1曲の粒が大きい。
ここまでリアルな感情を紡いだ、白塗りピコピコ系があったでしょうか。
「桜ヶ丘流星群」同様、ミニアルバムながら1,000円の価格設定に、ジャケットとオビがくっついている保存に邪魔な仕様、8cmサイズのCD盤面など、ギミックのB級感を逆手に取ったスタイルも、次は何を仕出かすんだと、リスナーにワクワク感を抱かせるには十分。
なんだかんだで、歌が非常に安定しているのも魅力的です。
2011年上半期、マイナーからの脱出に一歩近づく、名前の売り方に成功したバンドと言えるかもしれません。
そんなわけで、こうして並べてみますと、マイナス人生オーケストラの飛躍が嫌でも目立ちますね。
そもそも、半年に2枚もアルバム作品を出すなんてこと自体が異色なんですが、そのどちらもが、楽曲の質が高かった。
Moranも、相変わらずハイクオリティで、トップスリーは、選定前から決まっていたようなもの。
4位以降は接戦。
yazzmadが駆け込まなければ、5位になる予定だったのは、花少年バディーズ。
実際、ドラフトの記事も書いていたのだけれど、投稿直前に書き直しました(笑)
Fenrirのミニアルバムも、デジタルポップというヴィジュアル系としては珍しい方向性で、個性的。
リリースペースも早いので、知名度・流通量が増えてくることを期待します。
FEST VAINQUEURの作品もなかなか聴きごたえがあったのですが、1stプレスは去年の作品なので、ここは対象外とせざるを得なかった。
2ndプレスは、収録順が変わっていたりするので、不作の年であれば、きっとランクインさせていたのだけれど、他に有力な候補があるのなら、純粋に今年の作品を入れてあげたいですよね。
ゴールデンボンバーという選択肢もあったのですが、2010年上期ベストに比べて、インパクトが劣って見えてしまったので、相対的に。
さて、下期についてですが、迷って選ぶだけミニアルバムを買っていればいいのですが・・・
シングルしか出してないようなバンドさんは、もうちょっと頑張って、ミニアルバムくらいは作ってみましょうよ。
少なくても、ここに買ってくれそうな人がおりますよ。
もっとも、ランキング記事を書くためにCDを買うなんて、本末転倒もいいところなのですけどね(笑)