生きていてさえいてくれたら
今回は
私がいつもお世話になっていて
4月にも福島にご一緒していただいたことのある
猫の保護を得意とするボランティアさん2チームと
今回初めて 車の提供と運転をして頂いたボランティアさんとで
福島に行きました
行きも帰りも ずっと雨
私たちにとっては
鬱陶しい雨ですが
残された動物たちには
恵みの雨です
これでしばらくは
渇きを忘れることができるでしょう
ここは海の近く
幸いこの地区だけ小高い丘になっていたので
津波の被害を免れました
この丘の両側は津波で全滅していて
ほとんど孤立している地区なのです
そんな地区に
犬や猫が取り残されているという情報を受け
ボラさんたちにお願いして来ていただいたのです
降り注ぐ雨の中 ゆっくり車を走らせていますと
家に通じるアプローチに猫発見
猫がいると情報を得ていた場所よりずいぶん手前だ
1 2 3 4匹いる!
これは見捨てては置けない
さっそく車から降りて捕獲作業に入ることに
車から降りてよく見てみると
さっきは4匹だったのが
6匹になってる!
あわてて捕獲器をさらに降ろし
セットの準備をしだしたのだけれど
家の敷地内に入ると
さらに猫がいて
どんどん数が増えていく
6 7 8 9 10・・・・
11 12 13 14 15 16!
16 !?
これはひどい
16匹もの猫たちがお腹をすかせていたのです
そんなにたくさんの捕獲器は持ってきていない
いったいどうするのかと私は動揺しました
しかし ボランティアさんたちは慌てず騒がず
犬用に持ってきたケージを
急遽捕獲器に流用
すごい
3匹一度に入った!
こんなの初めて見ましたよ
そのほか10台の捕獲器をセットして
入ったら小さいケージに移し変えてまたセット
結局14匹の猫を捕獲
残り2匹はどうしても捕まらなかった
嵐のような時間
私も写真どころじゃなくなってお手伝い
運転ボランティアの人も必死になってお手伝い
目的地に着くまでに
こんなに捕獲してしまい
嬉しいやら残念やら
捕獲作業の嵐が過ぎ去って
猫たちを積み込んでいたら
後方から
ニャー・・・
力ない猫の声
猫は
ゆっくり
ゆっくり
鳴きながら
近づいてきます
アメショーです
その体は
骨が浮き出ていて
あきらかに飢餓状態であることが判ります
人間にも良く馴れていそうです
この子は後方にあるどこかの家からやってきたのでしょう
見渡すと家は津波に一部やられているような家しかありません
そんなところにずっといたのでしょうか
じっとしていて
誰かが来るのを待っていたのかな
そして今日
人間が来たのを見つけ
力を振り絞ってやって来たのでしょう
ごはんがもらえる
人間が来たら ごはんがもらえると
その一心でやって来たのでしょう
遅くなって ごめんね
でも来たよ
お前を迎えに来たよ
間に合って良かった
わき目もふらず
食べます
ゆっくり食べさせてあげたいけど
諸事情により
なるべく早くここを離れなければいけません
さらに進んで
本来行こうと思っていた場所には
餌を置いて 次回にまた来ることにしました
それに2匹捕まえられずに残してきましたからね
餌と水は十分に置きましたからしばらくは凌げるでしょう
その子達も絶対に助けないといけません
捕獲器が一つ残りましたが
帰る道でもう一匹捕獲して
16匹
別働隊のチームが5匹で
今回は 合計21匹の保護活動でした
東京に着いたよ
ごはんをお腹いっぱい食べて
病院にも行こうね
この写真を見て
君の飼い主さん見つけてくれるかな
みんな
よく頑張って生きていてくれたね
生きていてくれて ありがとう
君たちが生きて待ってくれているから
ボランティアさんたちは頑張れるんだよ
生きてさえいてくれれば
生きてさえいてくれたら
【追記】
今回 保護した猫たちのお世話をして頂くのは
こちらで病院での検査治療 一時預かりや里親探しをして頂くことになっています
すでに今回保護した猫たちの診察は終わり
悲しいけれどエイズ白血病のダブルキャリアの子もいたようです
少なくとも何週間も彼らはご飯をもらっていなかったでしょう
食器はカラカラで枯葉や埃が溜まっていました
餌をもらえなかった彼らは
カエル ねずみ バッタ など
食べられるものは何でも食べて
寄り添いながら 必死で生きてきたのでしょう
お腹の中には 全頭もれなく虫がいて
その虫も都内の猫には まずいないような虫だったそうです
ひとりぼっちで生きていたアメショー
この男の子の脱水症状 貧血はひどいようで しばらくは安静にしておくようでした
私が 後のことを考えずに お気楽に猫を保護してこれるのも
こちらのボランティア団体さまがしっかりバックアップしてくださるからです
のちほど保護した子達の情報が こちらのサイトで出ると思います
何か協力して頂けることがありましたら よろしくお願いいたします