世界の原発事業~アレバを猛追する「東芝Westinghouse」コンビ | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

世界の原発事業~アレバを猛追する「東芝Westinghouse」コンビ

4連続コラム3日目の本日は、昨日のコラムでアレバ社の事を書きましたが、今日はそんなアレバ社を猛追撃する企業グループとさらにもうひとグループを紹介したいと思います。


まず現在、世界の原子力業界はアレバと三菱重工の連合、東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所の連合という3陣営がしのぎを削る構図となっています。その中で最大手のアレバにとって、背後を脅かす最大のライバルは東芝WHです。


WHは中国で、第3世代原子炉「AP1000」を計4基建設中です。1基目の操業開始は2013年を予定しているそうです。最新モデルとされるAP1000は、EPRのように安全対策として幾重ものバックアップシステムを備えるのではなく、「受動的安全性」というコンセプトを採用しているのがポイントです。これは非常時に、原子炉上部に設けられた30万ガロン(115万リットル)の水タンクの弁が自動的に開き、重力で水が注がれて炉心を冷却する仕組みで、電力を使って冷却水を注入する必要がないためバックアップの動力も不要という構図になっています。


WHもアレバ同様、自社の新型炉であれば東日本大震災と津波の被害にも耐えられたと主張しています。WHのアリス・キャンドリスCEOは、今秋にも中国でさらに10基のAP1000建設に最終合意するとの見通しを示しています。また英国、チェコ、ポーランド、リトアニアにも同炉を輸出する交渉が進んでおり、ブラジル、インドとも予備交渉を始めたことを明らかにしています。


福島の原発事故の影響の広がりにも、ひるむところを見せないアレバとWHですが、それに比べ、劣勢に立たされているのはGEと日立のグループです。理由は明快で、福島第1原発の原子炉を設計したのがGEだからです。両社の合弁「GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)」は日本で「改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)」と呼ばれる第3世代機2基を運営しており、さらに新型の「単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)」を開発中です。しかし今回の件で今後日立ーGEグループがどうなるか、注目したいところです。




Ken

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