3号炉で使用中のMOX燃料のプルトニウムは7割がアメリシウム241や
キュリウム242/244などになる。詳しいことはここの表1で。


半減期が163日のキュリウム242は、摂取すると、最大の体内被曝を
受けることになるだろう。

 放射能はヨウ素131の1/38で半減期が20倍、放射線の影響度がα線
 なので少なくとも20倍。総合で10倍以上!

 ところがWHO飲料水質ガイドライン(日本水道協会)の203ページ
 ではキュリウム242の上限がヨウ素131と同じ10Bq/Lになっている。
 (暫定基準値では1Bq/kg)
 


キュリウム242の実効線量係数は次の通り。出典はここの別表2

 すべての化合物 吸入摂取 3.7×10^-3 経口摂取 1.2×10^-5

因みにヨウ素131では
 ヨウ化メチル以外の化合物 吸入摂取 2.2×10^-5 経口摂取 1.1×10^-5

吸入摂取の係数がヨウ素131より小さいのは、どう考えても変だ。また
経口摂取の係数より吸入摂取の係数が小さいのもあかしい。まあ実効
線量係数なんてそんなものだと思えばよいのだが。



熱水や酸に溶けるのでプルトニウムより拡散しやすく、プルトニウムと
同様に線量計で捉えにくい。塩酸に溶けるので経口摂取でも腸から吸収
され、人体組織に蓄積されるので、プルトニウムより危険と思われる。
放射能だけでなく鉛の親戚みたいな元素なので鉛中毒のような恐ろしい
害があるかも知れない。

これらはウラニウムやプルトニウムと同様にα線を出して崩壊するが、
出来たものも放射能を持ち、人間の寿命に比べれば無限と云って良い
期間、放射線を出し続ける。これについては、Wikipediaの崩壊系列
ネプツニウム系列を見て貰いたい。

ハンフォード再処理工場で起きた大量の241Amによる人体汚染事故の場合、
被曝後11年後に病死した遺体では90%骨に、5%が肝臓に、4%が筋肉と脂肪に
集まっていたと云う。半減期が432年と長いので放射能は弱く、幸いにも
癌にはならなかった。体調に影響が無かった筈はないが、はっきりしない。
このケースは硝酸に溶けたものを顔面に浴びたと云う。出典はここ

被爆時には64才、死亡時75才だが、被曝後の11年間の健康状態は不明だ。

胎児、乳幼児、青少年の摂取は避けなければなるまい。

3号炉がメルトダウンしていたことが漸く明らかにされた。
幾ら水を注入してもだだ洩れになることも判っていた筈だ。

そして既にアメリシウム241とキュリウムは敷地内で検出
されている。ここ

いずれ格納容器も大破して、プルトニウム、アメリシウム、
キュリウムが露出するだろう。