世界の原発事業~仏原子力大手アレバ社 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

世界の原発事業~仏原子力大手アレバ社

4連続コラム2日目の本日は、原発メーカーの世界と、その中で福島原発の放射能処理で一気に有名になった仏原発大手のアレバ社について書きたいと思います。


現在も各国の原発メーカーは、独自の安全技術を盛り込んだ新型炉の開発、売り込みに激しい火花を散らしています。技術力の高い欧米メーカーが有利になるか、あるいはロシアや韓国といった低価格炉のサプライヤーが勢力を伸ばすのか?少なくとも、先進各国で原発建設が立ち往生している現状では、各メーカーがその分小さくなったパイを争うこととなり、競争は激化するでしょう。「フクシマ」ショックが長期化すれば、先進国での原発アレルギーが大きくなり、先進国での原発市場の縮小、引いては日欧米と露を含めた新興勢力の原発メーカーの原子力産業の勢力地図が塗り替わる可能性も否定できません。


現在、世界の原発メーカーの中で安全性を重視した次世代原子炉の開発で先頭集団を走っているのは、原子力世界最大手の仏アレバです。同社が手掛ける第3世代炉「欧州加圧水型原子炉(EPR、出力1650MW)」は地震や津波といった自然災害に備えて複数のバックアップシステムと安全装置が付いた設計で、2001年9月の米同時多発攻撃のような航空機の衝突も想定した災害耐久力が売り物です。


アレバによれば、EPR1基が1年間に炉心溶融(メルトダウン)を起こす確率は100万分の1未満で、第2世代原発の1万分の1と比べて安全性が大きく向上した事を強く主張しています。仮に、最悪シナリオのメルトダウンが起きた場合でも、EPRが格納容器底部に備える「コアキャッチャー」が溶け出した炉心をせき止め、溶融物が地中に浸出するような事態には至らないそうです。同社は福島の原発がこの製品だったら災害に耐えられた、と話しているそうですが、私はどうだろうか?と思います。


そんなアレバ社が現在最も熱い視線を送っているのが中国です。中国は国内の中規模プラントに第3世代原発技術を導入する意向だと明らかにしているからです。これはアレバ陣営にとって大きな追い風となる可能性があるからです。同社は三菱重工業と合弁会社「アトメア(ATMEA)」を設立し、中型の第3世代炉である加圧水型軽水炉(PWR)「アトメア1」(電気出力1100MW)を開発・販売しています。アトメアは英国、米国、インド、中国、チェコなどと約20のプロジェクトを交渉中です。福島原発事故のため事業の遅れも懸念されていますが、同社は2030年までに世界の新設原子炉市場で3分の1のシェア獲得を狙っています。




Ken



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