海藻からヨウ素規制値50倍 海産物汚染止まらないグリーンピース発表 | 脱原発の日のブログ

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東京新聞5/27 こちら特報部

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海藻からヨウ素 規制値50倍

海産物汚染止まらない グリーンピース発表

国・県の調査遅れに漁師ら不満

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 調査は5月2~9日に宮城県・石巻港から千葉県・銚子港までの沿岸で実施。同

団体の調査船が沖合に漂流する海藻を採取したほか、沿岸各地の漁港周辺でも

漁師たちの協力で、魚介や海藻を集めた。

 

 このうち21サンプルをベルギーの国営研究機関とフランス政府認定の民間機関

の2カ所に送り分析を依頼。その結果、福島県沿岸で採取された14サンプルから

厚労省の規制値を超えた放射性ヨウ素やセシウムが検出された。

 

 ヨウ素を吸収しやすい海藻ではアカモクやホソメコンブなど三つのサンプルから

1キロあたり10万ベクレルを超えるヨウ素が出た。ヨウ素の規制値は2000ベク

レルで、50倍を超える。このレベルの海藻を1年間に1キロ食べると2・8ミリシー

ベルトの内部被ばくになる計算という。

 

 セシウムでも規制値の500ベクレルの5倍以上の海藻があったほか、シラスで

1219ベクレル、ナマコ1285ベクレルなどが続いた。

 

 調査チームリーダーのヤン・バンダ・プッタ氏は分布について「原発以北の数値

は低く、南に広がっている」と説明する。事故から2ヶ月近く経た時点で、半減期

が8日と短いヨウ素が検出されていることから「汚染水の放出が続いている懸念

がある」と指摘した。

 

 調査にあたっては、本部を置くオランダ政府を通じ、日本に海洋調査を申請した

が認められなかった。苦肉の策で訪ねた漁港で、意外なほど積極的にサンプル

を提供してもらえたという。

 

 海洋生態系問題担当の花岡和佳氏は「高い数値が出るのを不安に思いなが

らも、多くの漁港関係者が『風評なのか本当に健康被害を招くものなのかを確か

めることからしか、漁業再開のめどは立たない』と協力してくれた」と説明する。

 

 原発事故後、福島県ではすべての漁港で操業を自粛している。 何をするとも

なしに漁港に集まった人々が「これも調べてほしい」「これも」と、たくさんの魚や

海藻を採取してくれたという。

 

 「むしろ県や国の調査の遅れに不満を訴える声が多かった」(花岡氏)

 

 水産庁漁場資源課の担当者は「調査は漁獲シーズン前に各都道府県が行って

いるが、この結果を参考に、コンブなどこれまで検査していない品目も調査しなけ

ればならない」と話す。

 

 今回、数値が際立っていた海藻については天然ワカメ漁を前にした岩手県が今

月中旬、調査を実施。規制値以下の結果が公表された。千葉県や茨城県では3

月ごろにワカメ漁が始まっていたが調査は行われていない。

 

 「事故後、独立行政法人の検査機関に分析依頼が殺到しているため、取り扱い

がわずかな海藻より、イワシやカツオなど主要品目の調査を優先した」と千葉県

水産課。「1日に五検体ほどしか調べてもらえない。表層を泳いでいて数値が出

やすいカタクチイワシなどは週に何回も調べているが」とこぼす。

 

 グリーンピースは「政府は放射性物質を海が希釈するといっているが実際には

蓄積される。国は汚染水の放出を止めるとともに、徹底した調査を続ける必要が

ある」と訴えた。