『スターバックス再生物語』に見る強さ
昨日22日、『スターバックス再生物語』を課題本とした読書会に参加してきました。
スターバックス再生物語 つながりを育む経営
ハワード・シュルツ
場所はもちろん、スターバックス。
ランドマークプラザ店にお邪魔してきました。
では、以下、読書会を通して感じたことを記します。
1.直感力とリーダーシップ
スターバックスコーヒーカンパニー会長兼CEOであるハワード・シュルツ氏。
彼の直感力とリーダーシップには感心しました。
業績が悪化する中、様々な改革を打ち出し、時にはパートナー達の反感を買うこともありました。しかし、そのような環境になっても、スタバのミッションと共に自分の直感を信じて突き進む力。
本書でシュルツ氏は次のように述べています。
創業者には独特の視点がある。
会社をつくり上げた起業家として、わたしはスターバックスや市場を、学校で知識を学んだ経営者とは違うレンズを通して見ている。
そのレンズには、強みも弱みもある。
創業者の強みは、会社の基礎となるブロックの一つひとつを知っていることだ。(中略)その知識が、その歴史が、成功のために必要な情熱を呼び起こし、なにが正しくて、なにが間違っているかを判断する直感につながる。
しかし、ときには状況に巻き込まれすぎてしまうことがある。
(同上書P.58-59、太字は筆者が付け加え)
創業者だからこそ見えるもの。
僕には経験がないので実感できませんが、きっとあるのでしょう。
また、しっかりと弱みも把握しているところがシュルツ氏のバランスの良さを表していると思います。
2.コミュニケーション力
これは、読書会での気付きでした。
シュルツ氏は、なにか決断をするときにはほとんど、パートナー全員へメールを送信しています。また、意識して店舗を回るようにしています。さらに、オープンフォーラムという集まりを定期的に開き、パートナーに直接話をする機会を設けています。
こうした地道なコミュニケーションがあるからこそ、シュルツ氏の「直感」には信頼が生まれるのだと思います。
顔の見えないCEOが直感的に改革を打ちだしたら、部下はどう思うでしょうか。
きっと、あまり乗り気にはなれないでしょう。
でも、いつも積極的にコミュニケーションをとっているCEOであれば、その状況は変わるかもしれません。また。シュルツ氏について言えば、彼は「まず自分が行動する」というリーダーとしての原則を愚直に実践しています。それも、信頼性を生むひとつのカギかもしれません。
これに関連して、ワタミ株式会社の渡邉美樹さんは、以下のように述べています。
アルバイトさんの数は三万人に及びます。せっかくワタミに関わったのなら、時給以上のものを学んでほしい。大上段に構えてもっと言えば、「ワタミに関わった人はみんな幸せになってほしい」との思いを込め、毎月、ビデオを通して、私は語りかけています。
(『きみはなぜ働くか。』渡邉美樹, P.11)
きみはなぜ働くか。(日経ビジネス人文庫)/渡邉 美樹
渡邉美樹さんも、毎月のビデオレターという形で、地道に自分の思いを伝えることで、コミュニケーションを図っているようです。
大企業になるほど上と下の信頼関係構築は難しくなりそうですが、こうした努力の積み重ねが強い企業を作るのだと感じました。
3.「コーヒービジネス」ではなく「ピープルビジネス」
スターバックスは人々にサービスを提供するコーヒービジネスではない。コーヒーを提供するピープルビジネスなのだ。
(同上書,P.183)
一般に、「飲食業は接客業である」と言われますが、実際のところ、「接客業」といえるものは数少ないでしょう。それも、スターバックスほど多くの店舗を持つチェーン店で、「接客業」といえるお店はどれほどあるでしょうか。
スターバックスでアルバイトをしている友人から話を聞くと、研修システムが大変充実しているようです。また、職場は働いていて楽しい雰囲気があるとのこと。パートナーの満足が、顧客の満足につながっているということもあるかもしれませんね。
さて、スタバのプロモーション戦略に完全に乗せられ、スタバに行きたい気分(笑)