ボランティア足りない 参加のべ人数「阪神」の3分の1
http://www.asahi.com/national/update/0618/OSK201106180141.html
2011年6月19日7時4分
 被災地でのボランティア減少に歯止めがかからない。震災後の3カ月間に岩手・宮城・福島の3県で活動したボランティアはのべ約42万人で、同時期に約117万人が活動した阪神大震災の約3分の1。「もはや関心は風化したのか」という嘆きも聞こえてくる。

 各県のまとめでは、5月の大型連休には1日に1万人以上のボランティアが集まった。だがこれがピークで、その後は一貫して右肩下がり。震災3カ月の節目にやや上向いたが、学生ボランティアが増えると見込まれる7月まで再び減少傾向が続くと見られる。

 「ボランティアが足りません」。6月上旬、岩手県で活動する「遠野まごころネット」のメンバーは東京・中野でチラシを配った。だが被災地の写真パネルの前で足を止める人はまばら。「もう風化?」。事務局の佐々木祐季さん(25)はショックを受けた。連休後に訪れるボランティアはピーク時の3分の1。「今後は仮設住宅に移った被災者の心のケアも必要なのに。このまま先細りさせるわけにはいかない」

 ボランティア不足の背景には、現地へのアクセスの難しさがある。大都市で起きた阪神大震災と違い、今回の被災地は都市部から遠く、広い。宿泊施設のない集落も多く、安全面からテント設置や車中泊を認めない自治体も多い。

 うーん、別にボランティアの皆様をくさするつもりもないですし、その働き自体は高く評価してはいるんですが……ボランティアが不足してるから意識が低いとかってのは的外れのような気が。
 こう言ってはなんですが、他人のために無償で働けるのは経済的にも肉体的にも精神的にもある程度の余裕があって、なおかつ時間的な都合が付く人達だけであって、意識の高低にかかわらず参加できる人は一握りだと思うんですよ。
 阪神淡路大震災の頃の参加者と比べて人数が減ったというのは、経済の停滞の反映であって、意識がどうこうって話ではないと思うんですよね。

 んー、なんというか、責めるべきはボランティアに行かない人ではなく、ボランティアに任せるばっかりで自分では動こうとしない政府なんじゃないかと思います。
 本来であれば瓦礫撤去などの作業は国がお金を出して大々的に雇用を創出し(地元の人が対象ならなお良し)、地元の人が関わるのは拙いような遺留品の洗浄(プライバシーの問題がありますから)などをボランティアに任せるという棲み分けが必要なんじゃないかと思います。

 だいたい、ボランティア団体もある程度は横の繋がりとか情報共有はしてるんでしょうけど、どうしたって民間レベルでは限度がありますし、支援の手から滑り落ちてしまうような人もいるでしょう。これもまず第一に国が支援し、そこから見落とされてしまったのをボランティアが救うって形にしないと効率もクソもあったもんじゃないと思うんですよ。まあ、ボランティア担当補佐官である辻本氏が、まともに仕事してないってのもあるんでしょうけど。

 どうも、このボランティアと行政の役割が逆転しているような今次の震災対応を見ていると、麻生元首相と鳩山前首相との間で政権交代前に行われた、党首討論を思い出してしまいます。今の状況がまさに、当時の鳩山氏が主張していた「ボランティアが輝く政治」って奴のような気がするんですけどね。
 この状況を見て、彼はどう思っているのか……もう忘れてますか、そーですね。


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