福島県内もしくは北茨城(主として子供)の住民や現地取材の
報道関係者が鼻血やノドの痛みを訴えるケースがあります。

季節的なこともあり、風邪や花粉症あるいは停電、断水等の影響による
「衛生上の問題」だろうとスルーしていました。

が、鼻腔内の狭い範囲にダストが滞留し「薄皮一枚で止まる」β線被曝が半内部
被曝的に影響した場合どんな感じか?ちょっと気になったので計算してみました。
(肺癌でいう「肺内のホットパーティクル」の様な懸念の類です)

結論から言うと、
・大気ダストが1000Bq/m3程度あった福島県や近隣地域では
 有り得るかもしれない?レベルの様な気がしてきました。

・6月現在、大気ダストは不検出なので強く心配する必要は
 ないと思いますが、3月~4月は北茨城より近い地域では
 子供は退避か少なくとも野外活動は控えるべきでした。

 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304006.htm

・この件も見積もるのが遅すぎたかも知れません。
 例によって今は後悔しています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー<以下粗い見積もり>ーーーーーーーーーーーーーー

①先ず1日あたりの吸気量です。小学生などは体は小さい割に大人に近い
 レベルで息を吸ってる様です。(だから一人前に生意気なんでしょうねw)
 http://www.nirs.go.jp/data/pdf/i14_j3.pdf
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

②気化した放射線性ヨウ素やセシウムは気体の状態でも飛ぶ様ですが、
 ホコリ等(エアロゾル)にくっついて振る舞うとのことです。
 数ミクロン以上の微粒子が鼻腔や気管支で捕集・排泄されるそうです。
 (ダストサンプルも粒径0.1μm以上の「ダスト」をフィルターで越し取る
  http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/RM1.pdf
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

③大気中のダスト測定は(特に事故直後において)あまりデータが取られておらず明確な
 ことは言えませんが原発近隣地域では1000Bq/m3程度は何日か続いた恐れがあります。
 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo4-2.pdf
 (追記:8月24日の原子力安全委員会でヨウ素とセシウムの総放出量はそれぞれ10%程度
     下方修正されました。Te132の評価モデルを用いた為で放射線の総量という意味では
     多少議論が複雑化しますがオーダー的には変わらないと仮定します
     http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan064/index.html
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

④震災直後は断水や停電、あるいは避難所などで洗顔や入浴が不自由な地域がありました。
 排出が追いつかず、少しずつ蓄積する様な「1つの悪いケース」を仮定してみます。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

⑤10日間程度(内部被曝的には20日程度)粘膜が晒されると「狭く薄い範囲」
 とはいえ1シーベルトオーダーの被曝をした恐れがあります。これくらいになる
 と僅かな刺激で鼻血や血痰が出る事はそれほど珍しいことではありません。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ

 
 ・放射性物質が粘膜に吸着され一定期間留まる恐れがあること
 ・(γ線は透過しますが)β線(電子)は2mm程度の「薄皮」で吸収されること
 を考慮すると「放射性ダストの飛散で鼻血など有り得ない」と
 簡単には断ぜられないかも知れません。