まだNHKに良心があった頃に作られた番組、チェルノブイリの10年後と20年後を追ったドキュメンタリー。西側では公表されていないはずだった事をちゃんと取材・報道してたんですね。で、観たはずなのに、他人事だと思ってました。

絶対にNHK総合で3月中に放送すべきだったと思いますが、昨夜、BS1で2006年に放送された番組の再放送、さっそく書き起こしを掲載してくれたブログがあります。
こちら→NHKチェルノブイリ20年番組『汚された大地で~チェルノブイリ20年後の真実』

当初から、チェルノブイリ事故の汚染規模では済まないと聞いていたのに、やっと今頃になってそれが公表されました。だから絶対に知る必要があります。同心円を批判する意味を勘違いしている人がいますが、将来の風向きやその時の降雨の場所はわからないので、予測のためには距離は意味があります。遠いからと安心はできない、ということです。振り返った時点で近い割に汚染が低かったところもある、というだけです。

一部、書き起こしを抜粋します:
放射線が飛び散った汚染地帯隊は原発から600キロまで及び500万人が被曝しました。放射性物質は除去されておらず、今も放射線を出し続けています。長期にわたって被爆した人からは、染色体の異常が相次いで見つかっています。先天的な病気を持って生まれてくる子供も増えているため,被爆との関係が研究者によって調べられています。
:抜粋終わり。

文科省が見解を変えるまで、土を除染しながら校舎で子どもを教えていていいでしょうか。日本中、経済は確かに大変ですが、退避は絶対ムリですか?とても辛い健康状態で将来生きなければいけない。50年生きられない人も多く出る。近隣は少しの風でも汚染大気でいっぱいで、地面には常に蓄積しています。行程は6か月の予定だけど、その期間で成功する保証はないし、既に福島市でも東京の数百倍の放射線が計測されています。(ツイッターで、住民の方のツイートが。高さ50㎝で20μSv超えてたので、東京の百倍以上。)

東京だって福島から200km程度だけど、一応、風向きに救われる時期が長いため、今の所は救われていますが、チェルノブイリで最悪となった全員退避の死の町は原発から280km離れた場所でした。

チェルノブイリ事故の汚染は今でもヨーロッパでは続いていて、フランスでも大人の男性を含め数千人が甲状腺ガンなど罹患。今でも法廷で争っています。

放射線の量がチェルノブイリ事故と比較にならない(特にMOX燃料使用の3号機については情報が出ない)というのに数十キロ圏内に子どもや若い女性が居るのは考えられないはずなんです。

既に、事故のとき久ノ浜に居たという小学校5年生の子どもが急性症状のため、静岡県の病院で子どもの日に亡くなりました。その病院には他にも似た症状の子どもが何人か居るそうです。

また、こんなツイートも。
@AND07231: 福島原発から100km離れた那須から避難してきている友人の車の放射線量は0.515μSv/hだった。その後3回も念入りに洗車して0.397μSv/h。いぜん高い数値!「野菜の放射性物質は洗ったら落ちる」ナンテとんなでもない!簡単には放射性物質は洗い流されないことを実感しました。
海に向かって風が吹く日が多いですが、14日の3号機の大爆発で飛散した放射能汚染物質は15日には東京にも相当飛んできたといいます。

今、大丈夫でもわからない。影響を受けない生物生命はいない、と言われます。耐性に個人差はあっても、遺伝子は放射線を浴びるとほぼ必ず影響を受けます。近隣の人たちのひとりでも多くがなんとか少しでも遠いところへ退避できますように。それこそ、津波到達直前で避難完了を実現させた「てんでんこ」…。


NHK番組の書き起こしをされたchizukosさんと、掲載されたPeace Philosophy Centreに感謝です。