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4月米雇用:24万人増も失業率は9%に上昇、就業率が低下
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aJvI8Oz.doFo
 4月の非農業部門雇用者は予想以上に増加したものの、失業率は前月から上昇した。
 米労働省が6日に発表した4月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比24万4000人増加と、2010年5月以来で最大の伸び。増加幅はブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(18万5000人増)を上回った。
 一方、家計調査に基づく4月の失業率は9%(前月8.8%)に上昇した。失業率の上昇は昨年11月以来初。予想では8.8%が見込まれていた。 (中略)
 政府関連機関の雇用は2万4000人減少。特に地方政府の雇用は1万4000人減少した。 (中略)
        広義の失業率は15.9%に上昇  
 一方、自営業者を含む家計調査では、就業者数が前月から19万人減少、就業比率は58.4%(前月58.5%)に低下した。  
 失業者に加え、経済悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は4月に15.9%と前月の15.7%から上昇した。 (後略) 』


 アメリカの失業率が、一進一退の状況になっています。3月には8.8%と9%を切っていた失業率が、4月にまたもや9%に戻ってしまいました。


 共和党やティー・パーティの財政赤字削減要求が強すぎ、今後のオバマ政権は大々的な財政出動がやりにくくなっています。地方政府の財政も極端に悪化しているため、公務員の雇用も削減していかざるを得ないでしょう。


【アメリカのマネタリーベース、マネーストック(左軸、単位:百万ドル)、貨幣乗数(右軸、倍)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_33.html#Money


 上記の通り、アメリカのマネタリーベースはリーマン・ショック以降、恐ろしい勢いで増えていっています。QE1はGSE債(ファニーメイ、フレディマック債など)をFRBが購入していたわけですが、現在のQE2(量的緩和第二弾)は米国債が中心です。


 FRBが各銀行から米国債を買い取るとは、銀行から米国債を受け取ると同時に、新たにFRBが各銀行の準備預金口座にお金を振り込むということです(すなわち、ドル発行です)。

 すると、FRBのバランスシートの資産に買い取った国債が計上され、負債に準備預金が計上されます。FRBは名目的な負債である準備預金を増やすことで、ドルをジャブジャブと発行することが可能で、実際にやっているというわけです(日銀の場合は、日銀預け金という負債項目になります)。


 国債を買い取ってもらった銀行側は、準備預金口座にあるお金にはほとんど金利がつかないため、懸命に民間に貸し出そうとするわけです。民間にお金が貸し出されると、それが支出行為を経て銀行に戻ってきて(実際には口座間を移動するだけですが)、信用創造の働きによりマネーストック(社会全体のお金)が拡大していく。結果、通貨の価値が下がり、デフレ(=通貨価値の上昇)を回避できるという話ですね。
 
 ところが、現実にはFRBがマネタリーベースを増やしても、リーマンショック以降はマネーストックがあまり増えていきません。要は、アメリカの国内の民間(企業や家計)が金を借りないという話です。
 結果、貨幣乗数(マネーストックがマネタリーベースの何倍あるかという指標)は、リーマンショック以降にほぼ半分になってしまいました。
 
 要は「FRBが笛吹けど、躍らず」状態になっているわけです。とはいえ、流動性(貸せるお金)が増えたおかげで株価はそこそこ上昇し、対日本円などでドル安が続いているわけですから、バーナンキFRB議長としては「これが精一杯」と思っているのかも知れません。


 本来であれば、ここで政府が投資や消費を拡大して、経済のエンジンを回したいところですが、財政赤字が政治問題化し、困難な状況です。


米財務省、デフォルト回避に向けた最終期限見通しを8月2日に延長
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-20919020110503
 米財務省は2日、これまで7月8日としていたデフォルト(債務不履行)回避に向けた最終期限見通しを8月2日に延長した。
 ガイトナー財務長官は、税収が予想を上回ったことに加え、緊急の借り入れ能力温存措置により、8月2日まで引き続き合法的に国債を発行することが可能になったと説明した。4─6月期の借り入れ見通し額は1420億ドルと、半分以上減少したという。
 連邦債務の上限引き上げ問題をめぐり、議会にはさらなる時間的猶予が生まれた格好となった。(後略)』


 本ブログで時折取り上げる、アメリカの国債発行の法的上限問題ですが、とりあえず期限が8月2日にまでずれ込みました。(元々は今月でした)


 アメリカが合法的に国債を発行し続けるには、議会に法的上限を増やしてもらわなければならないのですが、現在のアメリカ議会は「小さな政府」志向の共和党が主流を占めています。現在のアメリカは、政府が財政出動を拡大して、国民の借り入れ意欲を刺激したいところですが、それ以前に財源たる国債発行も、議会の協力がなければ困難な状況になっているわけです。


 そんな中、QE2(量的緩和第二弾)が来月、予定通り終了しそうです。


 アメリカの今回のQE2は、世界的な食糧価格、資源価格の高騰をもたらしました。別に、そればかりが理由というわけではありませんが、中東・北アフリカ諸国における騒乱、政府崩壊を引き起こしたわけです。


 世界への影響はともかく、結局のところアメリカ国内の失業率を見る限り、FRBが「笛吹けど、躍らず」状態に近かったように思えます。もちろん、やらないよりはやったほうが間違いなくマシなわけですが、かつての日本同様(今もですが)に、現在のアメリカは「ストップ&ゴー」状態に陥っているように見えて、心配です。


 笛吹けど躍らずな中、FRBは来月、笛を吹くのを終了します。優先順位トップの目標であった失業率改善に、今ひとつ進展が見られない中、アメリカはどうするのか。
 日本はユーロはもちろん、アメリカも重大な分岐路に立っているわけでございます。


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