1万5千人が孤立死する国 セルフネグレクトする老人たち
君子には三つの楽しみがある。
天下の王者となることは、それとは関係ない。
一つは、父母が健在で、兄弟も息災なこと。
二つめは、天にも人にも恥じるようなことがないこと。
三つめは、天下の英才を見出して教育くること。(孟子)
3・11の大震災で、一つめの“楽しみ”の重要性を痛いほど感じた方も少なくなかったことと思いますが……
ニッセイ基礎研究所のまとめによれば、65歳以上の高齢者で、誰にもみとられずに死んでいく人が年間1万5000人を超える可能性があるそうです。
孤立死を「死後4日以上経過して発見された人」と定めた場合、その数は1万5603人。
さらに、「死後2日以上」と区切って推計した場合、その数は2万6821人にも達するのだとか。
そして自治体の生活保護課が把握した情報によると、孤立死を迎える人たちの8割が、
「セルフ・ネグレクト」(飲食や最低限の衛生状態の保持、金銭の管理などをやろうとしないか、する能力がないため、安全や健康がおびやかされる状態)に該当するそう。
もう、生きる気力も能力も失ってしまった、ということでしょうか。
若者は未来に希望を持てず、高齢者は生きる気力を持てない国っていったい……?
今はよくない状況でも、せめて、未来に望みが持てる国を、私たち皆でつくっていかなくてはと切に思います。