米国の2011年のIPOブーム~適正なバリュエーション!? | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

米国の2011年のIPOブーム~適正なバリュエーション!?

4連続コラム最終日の本日は、昨日のコラムのオチをまずお伝えして、IPO市場及び現在の環境の変化
をお伝えしたいと思います。


私は、これからの時代は創業者やベンチャーキャピタリストにとっての「本当の黄金時代」である、
つまり、一般投資家の黄金時代は終わった、といえるかもしれません。その理由は、上場前に大き
な価値創造が出来る環境が整ってきているからです。


今になって考えればその最初のカタリストとなったのがGoogleであり、同社のIPO時点での時価総額
は、AmazonやeBay、Microsoftと比べ物にならない、$40bn(3.2兆円)という巨大なものでした。
振り返って考えると当初GoogleのIPOをバブルだと判断した人は、6年後の2010年に、同社が$12bn
(約9700億円)もの営業利益を稼ぎ出す潜在性を秘めていたことを見逃していたと言えます。


実際、Amazon.comのIPOバリュエーションは、翌年売上の1倍以下であったそうで、$650m(約530億円)
のeBayのIPO時価総額は、翌年売上のたった3倍弱であったそうです。更に驚きなのは、1986年上場の
MicrosoftのIPO時価総額は、Windowsが既にPCのOSとして事実上のスタンダードになっていたにもかか
わらず、たった$640m(約520億円)で、バリュエーションは売上の約3倍であったそうです。


仮に、創業者やベンチャーキャピタルファンドが、このようなバリュエーションで、Amazon、eBay、
Microsoft株を、IPOと同時に売却していたとしたら、失われた機会価値は計り知れません。これは、
ベンチャーキャピタリストとしては、忸怩たる思いであろうと想像します。


そこで私が本日のコラムで最初に書いた、Google以降のネット企業が、上場前までに大きな価値創造
が出来るようになった理由について、3点挙げて説明します。


一つ目はインターネットの大幅な普及であり、AmazonやeBayが上場した時点と現在では、インターネット
ビジネスの持つ潜在性に対する理解度が、大きく異なるという点です。そして、二点目は世界市場を席巻
できるスピードが、経済のグローバル化の進展や途上国市場の急拡大により、以前と比べて遥かに速く
なっているという点です。


これら二点によって、投資家にとってインターネット企業が将来的にどのような利益を生み出す可能性
を秘めているかを見極めることは、大幅にたやすくなったと言えるでしょう。しかし、最も興味深いのは、
2000年以降のヘッジファンド業界の成長が注目するべき点です。


2000年代に入って大幅に投資残高を伸ばしたヘッジファンド業界は、多くのファンドがテクノロジーなど
専門分野に特化していることから、インターネット企業の持つ潜在的価値についての理解がより深く、
プレIPOやIPO時点で「正しいバリュエーション」を企業につけることが出来るようになったそうです。


そして、かつてIPO前の価値創造の割合が、最終企業価値の1%程度であったのが、IPO時価総額(バリュエーション)の「正当な」大幅上昇により、2004年上場のGoogleでは25%程度、2006年に$12bn(約9700億円)で上場を
果たしたVMWareの場合には3割程度まで上昇したそうです。今後上場が見込まれるFacebookなどでは、
主幹事証券であるゴールドマンサックス証券はその数値を50~75%にまで上昇するだろうと分析していました。


IPO時点での時価総額の拡大は事実であり、注目に値する考え方といえるでしょう。これから2年程度の間は、
インターネット企業の大型IPO案件から、目が離せなそうです。多くの企業が市場に出てくるということは、
中には事業がしっかりしていないものや、収益性が見込めないものも、多く含まれている可能性があります。
また、それらにつられて既存企業のバリュエーションが拡大したり縮小したりする可能性もあり、興味深い
展開になりそうです。



ご注意事項


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Ken



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