僕自身、ファッションユーザーとして、このお店「ASYLUM」をスタートする前から、たくさんのシャツに触れて、様々なシャツを着てきました。
また、シャツを作る現場にも従事してたので、生地・縫製を見るのはお手のもの。

そんな「買い手・作り手」と「売り手」の経験から「良いモノ」をお伝えすべく、今回は、シャツの縫製【脇の縫い合わせ】について、掘り下げてご紹介!

この【脇の縫い合わせ】をチェックするだけでも、簡単な良し悪しの判断材料になると思いますよ。



【巻き縫い+伏せ縫い】 オススメ度 ~10
本格的なシャツの縫い合わせです。
シャツ専門のファクトリーが作るドレスシャツや高価なデザインシャツなどに用いられてます。

 
ひとりごと-ドレスシャツ 裏

 
ひとりごと-ドレスシャツ 表

表から見るとステッチは1本、裏は2本見えます。

シャツ専門ブランドは、だいたいがこの手法です。
同じ所を2種類の手法「巻き縫い+伏せ縫い」で縫い合わせてます。
 *「地縫い+本縫い」とも言います。

両方の端を巻き込みながら縫い合わせた後、縫い目を伏せながら縫い上げてます。
裏側のステッチとステッチの間隔が狭い程、ミシン目が細かく「丁寧な仕事」になります。

素肌で着ても邪魔になりにくく、とても丈夫です。




【地縫い+折り縫い】 オススメ度 7~8
一般的なデザインシャツの縫い合わせです。
DCブランドのシャツなどに多く見られます。

 
ひとりごと-Aエィス 裏

 
ひとりごと-Aエィス 表

少し間隔が開くのが特徴で、表から見るとステッチは1本、裏は2本見えます。

「巻き縫い+伏せ縫い」よりもカジュアルな手法です。
2枚を縫い合わせた後、端を折り返しながら縫い上げてます。





【2本針・3本針】 オススメ度 7~10
ワークシャツやアウトドアシャツの縫い合わせです。
ワークブランドのシャツなどに見られます。

 
ひとりごと-シュガーケイン 裏

 
ひとりごと-シュガーケイン 表
表裏ともに、ステッチが見られます。(裏はチェーンステッチ)

ご覧の通り、2カ所(または3カ所)をチェーンステッチで一気に縫い上げる手法です。
道具的アイテムに用いられてるだけあってとても丈夫です。
素肌で着ないシャツ向きとも言えます。





【袋縫い】 オススメ度 5~7
カジュアルシャツの縫い合わせに見られます。

 
ひとりごと-スプーナー 裏

 
ひとりごと-スプーナー 表

表から見るとステッチは見えません。

「地縫い+折り縫い」より更にカジュアルな手法です。
2枚を縫い合わせた後、端を折り返しながら縫い上げてます。




【ロックミシン】 オススメ度 ~5
量産品のシャツなどの縫い合わせです。

 
ひとりごと-某SHOPオリジナル 裏

 
ひとりごと-某SHOPオリジナル 表

表から見るとステッチは見えません。

商業ベースのシャツ(安価な量産品)に多く見られます。





【番外編】
縫い目を見せるデザインの縫い合わせです。
 
ひとりごと-JOURNAL STANDARD ステッチシャツ

 
ひとりごと-JOURNAL STANDARD ステッチシャツ

シャツよりもボトムスなどの縫い合わせに見られる手法です。

ロックミシンで端を処理した生地を縫い目が見えるように縫製しています。



Attention & Advice 
*同じ手法でも、ミシン目が細かい方が良い仕事と言えます。
*同じブランドでも、年代やファクトリー(製造国含む)によって縫製手法が変わる場合もあります。





今の日本の縫製技術(俗に言うジャパンクオリティ)は、素晴らしいものが多くなりました。
食物だけでなく、服も地産地消の「Made in Japan」を意識してもいい時代です。

とは言え、洋服が日本に定着して1世紀ちょっと・・・
まだまだ欧米諸国の伝統・カルチャーには適いません。


「いいモノには訳がある」のです。



 (^O^)/~~ see you ! ぺこ
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