今夜のビッグイベント~ECB政策金利発表とトリッシュ総裁会見 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

今夜のビッグイベント~ECB政策金利発表とトリッシュ総裁会見

今夜、ECB(欧州中央銀行)が政策金利を発表します。市場関係者の事前予想は概ね1.25%の現状維持が大多数です。今回は金利の数値そのものよりも、その後のトリッシュ総裁の記者会見で同総裁が、次回の金利発表で利上げの実施に踏み切るかどうかの、言わば腹の探り合いといってもよいでしょう。


今回の記者会見でタカ派色を出せば6月利上げの公算が非常に高まりますが、ハト派色を出せば6月も現状維持で7月以降に利上げが延期ということになります。直近EURUSDは上昇しており、マーケットは6月利上げを想定して先走っているように思えます。(現在明確になっている事はFRBは当面金融緩和策を継続する事を表明していますので、仮にタカ派色を出し、ECBが次回利上げに踏み切ればドルとユーロの金利差が拡大しユーロ高に振れる、というシナリオです。)


ただ楽観できない要素として最近の欧州の経済指標は今一つ足腰がしっかりしたものになっていない点です。常に指摘されていることですが、ECBが金融政策を実施するにあたって欧州のどの国を参考にして政策を策定すればよいか、決めにくい事です。ユーロ参加国の経済情勢は様々で、特定の国に偏った政策になると、参照先から漏れた、または軽視された国の経済に更なるプレッシャーを与え、当該国の経済情勢をさらに厳しい状況へと追い込んでしまうからです。かといって過熱気味の国の経済を放置するとバブルを招き、これはこれで後々大きな問題になっていきます。欧州は直近のギリシャ・アイルランド・ポルトガルなどで懲りているはずです。


それらを考えると今のユーロ圏の情勢は、どちらに振れることも考えられます。言い換えると金融政策は現状維持の可能性も、6月の利上げ姿勢の表明もどちらも考えられるストーリーと言えるでしょう。利上げを想定しEURUSDで先回りするか、はたまた当面の現状維持を想定し逆のポジションを取るか、もしくは当面の現状維持の場合に考えられる別のパターンとして、当面日米欧の中央銀行は金融緩和策を続けることで改めてインフレ懸念もう少し踏み込んだ言い方をするならマネーが蝕まれる事を嫌気しての資産防衛策としての金銀買い、またはインフレ懸念を想定しての原油買いなどの戦略も考えられるでしょう。



Ken


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