連休特別企画 「ネットゲッリラの兄さんと行く三島ツアー」 その2
(~前回からの続き
)
さてさて、竹倉温泉でお湯と (なぜか) 流しそうめんを頂いてまったりした我々は、三島在住の地元民の案内で、三島広小路駅から徒歩10分ほどの場所にある唐揚げ屋へ。
なんでもこのお店、地元の方々に大人気らしいんだが、三島まで来てわざわざ唐揚げねえ……。
と思ったらなんかスゴイのキターーーー!
これは唐揚げなのか?三島ではこの 「鶏ももの塊に塩を振って素揚げした物体」 を唐揚げと呼ぶのか?通年クリスマス気分かキミら!
しかしかぶりついてみるとコイツが塩気バッチリでジューシーでうまい。この場に居合わせた全員(女性含む) が一言も喋らずモシャモシャしてたくらいうまい。
確か中華料理にも鶏の半身揚げみたいな料理があるけれども、これはもっとシンプル。味付けは 「塩のみ!」 みたいな路線で、皮がパリッパリ。ヤラれた。これはヤラれた。
こちらは店いわく ”手羽” との事なんだが、どうすればこれが手羽に見えるんだろうか?これって胸肉の塊を揚げただけちゃうの?三島ではこれが手羽なの?三島の辺りってボクらとは違う日本語を使ってるの?
もも肉と比べるとしっとりとしていて肉感を楽しむタイプだが、これはこれで骨までかじれてツマミに最高。ビールやホッピーがいくらあっても足りない。
くそー、一軒目にして早くも三島の底力を思い知らされた!
この後はゲリラの兄さんを先頭に三島広小路界隈の飲み屋街を練り歩き、「ほら、ここが店のママが金貸してた女性客に殺されたスナックだよ」 なんていらない情報をもたらされながらディープ三島探訪。この時歩いた一角は、ゴールデン街と赤羽の裏路地が一体化したようないかがわしい雰囲気だった。
すると 「ここ知らねえなあ。スリランカカレーって書いてあるぞ?」 と言いながら、兄さんが一軒のバー に吸い込まれていく。
暗くて写真が撮れなかったのが残念だが、中はカウンターのみ10席ちょっとで、店の奥にはバンド演奏出来るようなスペースが。さらにカウンターの中には簡単なDJブースが作られており、客が好きなCDをかけてDJごっこも出来るらしい。
我々が行った時はサーフっぽい曲が延々と流されており、サーフコースターズ (あえてソフバの遠藤遼一とのコラボにリンク) とか、マイナーどころでは白井良明も参加してたサーフトリップ なんかが大好きなオレとしては非常に気分ヨシ。
そしてこの店で食べた 「知人のスリランカ人にスパイスを送ってもらってる」 というスリランカカレーが非常にうまかった。このスパイスの使い方は、並の日本人じゃ出来ないレベル。カレーには鶏と豚の2種類あるんだが、鶏の方はコリアンダーシードの香りがバッチリ立っており、豚の方はフェヌグリークの香りが前面に立っている。この 「数あるスパイスの中から1つだけ立たせる」 って方法論は、よほど慣れてる人間じゃないと出来ない手法かなと。オレもよくやるんだけど、スパイスをたくさん揃えていると、あれもこれもと欲張って、全体的に特徴のない仕上がりになっちゃうんだよなあ。これは本当に勉強になった。
で、スリランカプリンという謎のデザートもあったので頼んでみたところ、味はカラメルメインのいわゆるプリンなんだが、食感がベイクドチーズケーキのような固さで面白かった。
写真を撮らなかった事が悔やまれるが、ドリンクは500円均一で、フードは1,000円を超えず、CPも良心的。このテケバー って店は地元に欲しくなるくらい良い店です。
続いてやって来たのは三島広小路駅の立ち飲み屋。後で詳しく説明するけれども、この店はオレの理想そのまんま……というか、いずれオレがやりたいと思ってたスタイルの 「ある意味で完璧」 な立ち飲み屋だった。
立ち飲み屋といえば屋台メニューということで、キュウリの1本漬けなどかじりつつ安酒を呑む。ちなみにこの店は1,000円払うと ”おはじき” を3個くれ、ほとんどのメニューがおはじき1個で頼める。いわゆるチケット制の1000ベロ立ち呑み形式だ。
ただ少し気になったのは、中には500・600円と、微妙におはじき(1個=333円分) では頼めない金額のメニューがあったこと。その場合どうするのか聞いてみたら、普通にお釣りを渡すんだとか。
それおはじきの意味ないじゃん!
お、お、お、この適当さは何か感じるものがございますよ?あと先考えてないフリーダムな空気、そしてターミナルである三島駅から私鉄で1駅という立地。
そうか、お前は板橋なんだな?
この三島広小路の辺りって、池袋の隣町である板橋の繁華街と同じ空気だ!とりあえず適当なうまいツマミと安酒があればいいだろ的な場末ロジックをビンビン感じるぞ!
そんなこんなでモツカレー。レトルトのカレーに豚モツを入れて煮込んだ的な品なんだが、コイツがじわじわうまい。ただし、ライスとセットで頼むと600円くらいしするので、この店の中じゃ最も高級品。
でもこれならライスいらないかもなあ。少し甘めでモツと玉ねぎがたっぷり入ってるから、ツマミとして食べられると思う。
出来上がってる人達と、客がキープしているおはじき。この店ではおはじきをその辺の柱に貼り付けてキープしてくれるそうだ。
ところで、この店の何が問題って、すぐ隣が券売機と改札 なんだよね……。
三島広小路の住民ってバカだろ?(褒め言葉)
すげえなあ、改札を出てすぐ立ち飲み屋。しかもこの店の大将は、三島広小路駅周辺の飲み屋情報を網羅してて、客がこの後どこに行くかを 「店の予約含めてナビゲーションしてくれる」 という素晴らしすぎるサービス。ここは風俗紹介所ならぬ、飲み屋紹介所 なのだ。
この店がいかに凄まじいか、下記のフローをご覧頂きたい。
<この日起こった三島広小路ミラクル>
(1) ネットゲリラの兄さん が 「三島には美川憲一の柳ヶ瀬ブルースの作者が住んでてな、近所の中華屋によく入り浸ってんだよ」 と話をする。
(2)店の大将が 「宇佐英雄さんご存知ですか?」 と声をかけて来る。
(3)ゲリラの兄さんが 「話した事はないけどよく見かけるよ」 と返す。
(4)大将が 「じゃあ宇佐さんの行き着けの中華屋を今から予約するから行ってみたらどう?宇佐さんも呼んでおくから」 と、その場で中華屋を電話予約して、おまけに宇佐英雄氏を 「いま宇佐先生のファンが来てるから出て来てよ~」 と呼び出す。
こうして嫌でももう1軒ハシゴしなけりゃならなくなったわけで。
そしてやってきた柳ヶ瀬ブルースの作者・宇佐英雄氏が夜な夜な顔を出すという中華屋 「やぶれ傘」 さん。なんで中華屋の店名がやぶれ傘なのか理解出来ないが、この辺に昭和の叙情演歌を感じてしまう。
店内は意外と奥行きがあるんだが、店の大半をコミックが詰め込まれた本棚に占拠されているという正しい場末スタイル。たまらねえ。三島たまらねえ。しかもこの店は明け方4時くらいまで営業してるらしい。たまらねええええ!
板橋だ!三島広小路周辺は間違いなく板橋だ!なじむ、なじむぞジョジョぉぉぉ~~!
メニューは一見普通なんだが、味噌ラーメンとカツ丼のセットって重すぎないか?そして何でもかんでも唐揚げが乗せられてくるのは気のせいか?
このメニュー票からわかることは、どうやらこの店は 「唐揚げ推し」 らしい。
セットメニューの中で最も気になったのが、ラーメン目玉焼きライスセット。何が出て来るか完璧に想像できてしまうところが一回転してステキだ。次回この店に来たら頼むかもしれん。
こういう店には妙に瓶ビールが似合うわけで。そして中華屋なのにお通しがひじきという正しさ。正解に正解を重ねて、結果として歪んで見えるっていう。
この店の2大看板メニューは、餃子と唐揚げらしく、両方とも素朴で外さない旨さ。餃子の方は餡にびっちり味が付いており、ビールのアテに最高。そして唐揚げもタレによく漬け込まれていて、カリカリに揚がっており、ビールのアテに最高。
結論=ビール最高
そうこうしていると、店に宇佐英雄先生がご来店。グレーの長髪で内田裕也のように見えてしまうルックスなんだが、妙に物腰が柔らかい爺さんで好印象。
ネットゲリラの兄さんが前もって店の人に 「宇佐先生がいらっしゃったらビール1本お出しして!」 とお願いしていた事もあり、店の人が 「あちらからおビール頂戴してますよ~」 と声をかけてくれ、宇佐先生は 「あらあら、なになにぃ?いいのぉ?ありがとぉ~♪」 と開幕からご機嫌。
なんでもこの宇佐先生、「柳ヶ瀬ブルース 」 と 「釧路の夜 」 の2曲の印税だけで、未だに月収30万くらいあるらしい。見事なまでの不労所得だ。
宇佐英雄氏は元々アチコチで流しをやっていたそうで、伊豆長岡の温泉街での経験を元に 「長岡ブルース」 という曲を作り、それを柳ケ瀬(岐阜) で歌っていた時に音楽会社のディレクターに目をかけられ、「柳ケ瀬ブルース」 として美川憲一の新曲に採用されたという経緯がある。当時は作詞と作曲はそれぞれ別の ”先生” が書くのが当たり前とされていたから、宇佐英雄という人はシンガーソングライターの草分け的存在でもあるのだ。
ネットゲリラ曰く 「あの当時の流しはさ、みんな早死にしてんだよ。なんでかわかる?店で歌ってると酔っぱらいが酒を奢りたがるから、どうしたって内臓がすぐダメになっちまうんだ。だけど宇佐英雄はビールしか呑まなかったから生きながらえたの」 だそうなんだが、ホントかよw
いかがわしい、三島の街自体もいかがわしいが、この兄さんのいかがわしさは格別だ。さすが先輩。オレも若手にいかがわしい話を吹き込む胡散臭い大人になりたい!
と、この後はさらに酒を呑みに行く者と、ネットゲリラ邸に戻る者とに分かれて自由行動。オレは奥方様含む女性陣と一緒にネットゲリラ邸に戻ったんだが、女性陣が早々と寝てしまったため、ネットゲリラとおはら汁という嫌すぎる2人だけのアングラトーク祭りが開催された。
何を話したかネットには書かない方がいい話題ばかりだった気がするんだが、下記の2つは前々から言っていた事なんで書いてもいいかなあ。
(1) エロ屋はゲリラである
(2) しかしエロ屋の方が一般人より遵法精神が強い
この2つは矛盾してるように感じるかもしれないし、特に2の方は 「なに言ってんだよ」 と思われるかもしれないが、コワモテの先輩にビシっと教育を受けたエロ屋というのは本当に法を犯さない。だって法を犯したら速攻で摘発されて無一文になっちまうんだもの。自己防衛の意味で、まず 「何をやったら捕まるか」 を叩き込まれるんだな。
しかしエロ関係の法律や規制ってのは日々変わる……というか、真っ先にオカミの点数稼ぎ・スケープゴートにされるから、ゲリラのように一発当てたら水面下に潜り、またその時々の法に沿った形で一稼ぎしては水面下に潜るという、文字通り潜水艦のような戦い方をしなけりゃならなくなる。どうやらそれがネットゲリラというサイト名の由来らしい。
昔気質のエロ屋は本当にしぶといのよ。だからこそITベンチャーみたいな初手から詐欺師みたいな連中を嫌悪するのかもしれん。
世間からするとエロ屋もベンチャー詐欺師も同類に見られるかもしれないが、遵法精神という面で考えてみると大違いだと言いたい。エロ屋はあくまで 「何をやったら捕まるか」 を一番に考え、ベンチャー詐欺師は 「どうやったら金が儲かるか」 を真っ先に考える。この 「最初に何を考えるか?」 という部分が本当に重要。
ただ悲しい事に、今はエロ屋も玉石混交になってしまって、頭に叩き込んでおかなきゃいけない最低限の情報すら知らない連中が多いんだよね。関東連合なんかとくっついて悪さしてるエロ屋ってのは、ITベンチャーみたいなメンタルでエロをやってる最も危ない一派なんだよなあ。
……なんて話をし続けて、気がついたら夜中の2時を回ってたので就寝。
楽しい三島探訪はあっという間に終わってしまった。この街を満喫するのに2泊じゃ足りないような気がする。今度はネットゲリラ邸に1週間くらい泊まり込むか。
翌日、沼津港に立ち寄ってから東京に帰ることに。
しかしこの日は連休の最終日であり、どこもかしこも非常に混雑していた。
地元民の勧めでこの日の昼食はせきのという定食屋 さんに決定。
この辺りは当然の事ながら海産物をメインに据えた食事処が多いんだが、この店は刺身や海鮮丼系以外に、ラーメン・トンカツ・オムライス……と、その辺の街の定食屋と変わらないラインナップになっている。
酒のアテに出て来たアジの骨の唐揚げ。とりあえずコレをバリバリと尻尾までかじりながら料理の到着を待つ。
やって来ました海鮮丼!今回はお大尽に1,700円もする全部盛りみたいな丼を頼んでみた!ボタン海老うめえ!魚が何種類入ってるかわからねえ!しっかり味が付いてるし、いくらの塩気もあるので、醤油なんかかけなくても充分うめえ!
そしてあおさの味噌汁が地味に癒し系。
金目鯛の煮付けキターー!ほこほこしてて肉厚でうめえ!!!
アジフライも肉厚でほっこり揚がっててうまいなあ。
これは ”天使の海老フライ” とかいうメニュー。殻が柔らかめで、丸かじりできる逸品であり、これにタルタルソースをたっぷり付けて米をかっ込むと幸せすぎて脳汁が出る。
いやあ、三島は市場が休みで海産物を堪能できなかったんだけど、沼津に立ち寄ってよかったあ。次回は市場がやってる時に三島に行きたいな。平日に三島に引き篭ろう。そうだそれがいい。
そしてこの後はおとなしく東京に戻るとみせかけて、宇佐先生が柳ヶ瀬ブルース(長岡ブルース) を作ったという伊豆長岡温泉へ。
山の斜面に九龍城のように建てられた古い温泉宿で立ち寄り湯をいただく。
この伊豆長岡という土地は昔ながらの温泉街で、今となっては廃れてしまっているのか、街並みに哀愁がある。夜に来たら、もっと柳ヶ瀬ブルースが似合うどこか物悲しい光景が楽しめたのかもしれん。
連休だけあって、途中何回か大渋滞に巻き込まれたりしたが、実に有意義な旅行だった。
当初はマジメに原発問題について勉強するって話だったのに、どうしてこうなったんだろう?
連休特別企画 「ネットゲッリラの兄さんと行く三島ツアー」 その1
連休特別企画 「ネットゲッリラの兄さんと行く三島ツアー」 その2
■追記
ちなみにネットゲリラで紹介されているカレー は、2日目の昼(竹倉温泉に行く前) に作ったもの。YOUTUBE にもアップされてるみたいなんだが、ネットゲリラ邸のコンロの火力が普通の家庭用よりも強くて、それがもう暑くて暑くて……。汗だくで足元に水たまりを作りながら励んでたら気を失いかけた。次回は暑さ対策を考えて作りに行かないとイカンな。
さてさて、竹倉温泉でお湯と (なぜか) 流しそうめんを頂いてまったりした我々は、三島在住の地元民の案内で、三島広小路駅から徒歩10分ほどの場所にある唐揚げ屋へ。
なんでもこのお店、地元の方々に大人気らしいんだが、三島まで来てわざわざ唐揚げねえ……。
と思ったらなんかスゴイのキターーーー!
これは唐揚げなのか?三島ではこの 「鶏ももの塊に塩を振って素揚げした物体」 を唐揚げと呼ぶのか?通年クリスマス気分かキミら!
しかしかぶりついてみるとコイツが塩気バッチリでジューシーでうまい。この場に居合わせた全員(女性含む) が一言も喋らずモシャモシャしてたくらいうまい。
確か中華料理にも鶏の半身揚げみたいな料理があるけれども、これはもっとシンプル。味付けは 「塩のみ!」 みたいな路線で、皮がパリッパリ。ヤラれた。これはヤラれた。
こちらは店いわく ”手羽” との事なんだが、どうすればこれが手羽に見えるんだろうか?これって胸肉の塊を揚げただけちゃうの?三島ではこれが手羽なの?三島の辺りってボクらとは違う日本語を使ってるの?
もも肉と比べるとしっとりとしていて肉感を楽しむタイプだが、これはこれで骨までかじれてツマミに最高。ビールやホッピーがいくらあっても足りない。
くそー、一軒目にして早くも三島の底力を思い知らされた!
この後はゲリラの兄さんを先頭に三島広小路界隈の飲み屋街を練り歩き、「ほら、ここが店のママが金貸してた女性客に殺されたスナックだよ」 なんていらない情報をもたらされながらディープ三島探訪。この時歩いた一角は、ゴールデン街と赤羽の裏路地が一体化したようないかがわしい雰囲気だった。
すると 「ここ知らねえなあ。スリランカカレーって書いてあるぞ?」 と言いながら、兄さんが一軒のバー に吸い込まれていく。
暗くて写真が撮れなかったのが残念だが、中はカウンターのみ10席ちょっとで、店の奥にはバンド演奏出来るようなスペースが。さらにカウンターの中には簡単なDJブースが作られており、客が好きなCDをかけてDJごっこも出来るらしい。
我々が行った時はサーフっぽい曲が延々と流されており、サーフコースターズ (あえてソフバの遠藤遼一とのコラボにリンク) とか、マイナーどころでは白井良明も参加してたサーフトリップ なんかが大好きなオレとしては非常に気分ヨシ。
そしてこの店で食べた 「知人のスリランカ人にスパイスを送ってもらってる」 というスリランカカレーが非常にうまかった。このスパイスの使い方は、並の日本人じゃ出来ないレベル。カレーには鶏と豚の2種類あるんだが、鶏の方はコリアンダーシードの香りがバッチリ立っており、豚の方はフェヌグリークの香りが前面に立っている。この 「数あるスパイスの中から1つだけ立たせる」 って方法論は、よほど慣れてる人間じゃないと出来ない手法かなと。オレもよくやるんだけど、スパイスをたくさん揃えていると、あれもこれもと欲張って、全体的に特徴のない仕上がりになっちゃうんだよなあ。これは本当に勉強になった。
で、スリランカプリンという謎のデザートもあったので頼んでみたところ、味はカラメルメインのいわゆるプリンなんだが、食感がベイクドチーズケーキのような固さで面白かった。
写真を撮らなかった事が悔やまれるが、ドリンクは500円均一で、フードは1,000円を超えず、CPも良心的。このテケバー って店は地元に欲しくなるくらい良い店です。
続いてやって来たのは三島広小路駅の立ち飲み屋。後で詳しく説明するけれども、この店はオレの理想そのまんま……というか、いずれオレがやりたいと思ってたスタイルの 「ある意味で完璧」 な立ち飲み屋だった。
立ち飲み屋といえば屋台メニューということで、キュウリの1本漬けなどかじりつつ安酒を呑む。ちなみにこの店は1,000円払うと ”おはじき” を3個くれ、ほとんどのメニューがおはじき1個で頼める。いわゆるチケット制の1000ベロ立ち呑み形式だ。
ただ少し気になったのは、中には500・600円と、微妙におはじき(1個=333円分) では頼めない金額のメニューがあったこと。その場合どうするのか聞いてみたら、普通にお釣りを渡すんだとか。
それおはじきの意味ないじゃん!
お、お、お、この適当さは何か感じるものがございますよ?あと先考えてないフリーダムな空気、そしてターミナルである三島駅から私鉄で1駅という立地。
そうか、お前は板橋なんだな?
この三島広小路の辺りって、池袋の隣町である板橋の繁華街と同じ空気だ!とりあえず適当なうまいツマミと安酒があればいいだろ的な場末ロジックをビンビン感じるぞ!
そんなこんなでモツカレー。レトルトのカレーに豚モツを入れて煮込んだ的な品なんだが、コイツがじわじわうまい。ただし、ライスとセットで頼むと600円くらいしするので、この店の中じゃ最も高級品。
でもこれならライスいらないかもなあ。少し甘めでモツと玉ねぎがたっぷり入ってるから、ツマミとして食べられると思う。
出来上がってる人達と、客がキープしているおはじき。この店ではおはじきをその辺の柱に貼り付けてキープしてくれるそうだ。
ところで、この店の何が問題って、すぐ隣が券売機と改札 なんだよね……。
三島広小路の住民ってバカだろ?(褒め言葉)
すげえなあ、改札を出てすぐ立ち飲み屋。しかもこの店の大将は、三島広小路駅周辺の飲み屋情報を網羅してて、客がこの後どこに行くかを 「店の予約含めてナビゲーションしてくれる」 という素晴らしすぎるサービス。ここは風俗紹介所ならぬ、飲み屋紹介所 なのだ。
この店がいかに凄まじいか、下記のフローをご覧頂きたい。
<この日起こった三島広小路ミラクル>
(1) ネットゲリラの兄さん が 「三島には美川憲一の柳ヶ瀬ブルースの作者が住んでてな、近所の中華屋によく入り浸ってんだよ」 と話をする。
(2)店の大将が 「宇佐英雄さんご存知ですか?」 と声をかけて来る。
(3)ゲリラの兄さんが 「話した事はないけどよく見かけるよ」 と返す。
(4)大将が 「じゃあ宇佐さんの行き着けの中華屋を今から予約するから行ってみたらどう?宇佐さんも呼んでおくから」 と、その場で中華屋を電話予約して、おまけに宇佐英雄氏を 「いま宇佐先生のファンが来てるから出て来てよ~」 と呼び出す。
こうして嫌でももう1軒ハシゴしなけりゃならなくなったわけで。
そしてやってきた柳ヶ瀬ブルースの作者・宇佐英雄氏が夜な夜な顔を出すという中華屋 「やぶれ傘」 さん。なんで中華屋の店名がやぶれ傘なのか理解出来ないが、この辺に昭和の叙情演歌を感じてしまう。
店内は意外と奥行きがあるんだが、店の大半をコミックが詰め込まれた本棚に占拠されているという正しい場末スタイル。たまらねえ。三島たまらねえ。しかもこの店は明け方4時くらいまで営業してるらしい。たまらねええええ!
板橋だ!三島広小路周辺は間違いなく板橋だ!なじむ、なじむぞジョジョぉぉぉ~~!
メニューは一見普通なんだが、味噌ラーメンとカツ丼のセットって重すぎないか?そして何でもかんでも唐揚げが乗せられてくるのは気のせいか?
このメニュー票からわかることは、どうやらこの店は 「唐揚げ推し」 らしい。
セットメニューの中で最も気になったのが、ラーメン目玉焼きライスセット。何が出て来るか完璧に想像できてしまうところが一回転してステキだ。次回この店に来たら頼むかもしれん。
こういう店には妙に瓶ビールが似合うわけで。そして中華屋なのにお通しがひじきという正しさ。正解に正解を重ねて、結果として歪んで見えるっていう。
この店の2大看板メニューは、餃子と唐揚げらしく、両方とも素朴で外さない旨さ。餃子の方は餡にびっちり味が付いており、ビールのアテに最高。そして唐揚げもタレによく漬け込まれていて、カリカリに揚がっており、ビールのアテに最高。
結論=ビール最高
そうこうしていると、店に宇佐英雄先生がご来店。グレーの長髪で内田裕也のように見えてしまうルックスなんだが、妙に物腰が柔らかい爺さんで好印象。
ネットゲリラの兄さんが前もって店の人に 「宇佐先生がいらっしゃったらビール1本お出しして!」 とお願いしていた事もあり、店の人が 「あちらからおビール頂戴してますよ~」 と声をかけてくれ、宇佐先生は 「あらあら、なになにぃ?いいのぉ?ありがとぉ~♪」 と開幕からご機嫌。
なんでもこの宇佐先生、「柳ヶ瀬ブルース 」 と 「釧路の夜 」 の2曲の印税だけで、未だに月収30万くらいあるらしい。見事なまでの不労所得だ。
宇佐英雄氏は元々アチコチで流しをやっていたそうで、伊豆長岡の温泉街での経験を元に 「長岡ブルース」 という曲を作り、それを柳ケ瀬(岐阜) で歌っていた時に音楽会社のディレクターに目をかけられ、「柳ケ瀬ブルース」 として美川憲一の新曲に採用されたという経緯がある。当時は作詞と作曲はそれぞれ別の ”先生” が書くのが当たり前とされていたから、宇佐英雄という人はシンガーソングライターの草分け的存在でもあるのだ。
ネットゲリラ曰く 「あの当時の流しはさ、みんな早死にしてんだよ。なんでかわかる?店で歌ってると酔っぱらいが酒を奢りたがるから、どうしたって内臓がすぐダメになっちまうんだ。だけど宇佐英雄はビールしか呑まなかったから生きながらえたの」 だそうなんだが、ホントかよw
いかがわしい、三島の街自体もいかがわしいが、この兄さんのいかがわしさは格別だ。さすが先輩。オレも若手にいかがわしい話を吹き込む胡散臭い大人になりたい!
と、この後はさらに酒を呑みに行く者と、ネットゲリラ邸に戻る者とに分かれて自由行動。オレは奥方様含む女性陣と一緒にネットゲリラ邸に戻ったんだが、女性陣が早々と寝てしまったため、ネットゲリラとおはら汁という嫌すぎる2人だけのアングラトーク祭りが開催された。
何を話したかネットには書かない方がいい話題ばかりだった気がするんだが、下記の2つは前々から言っていた事なんで書いてもいいかなあ。
(1) エロ屋はゲリラである
(2) しかしエロ屋の方が一般人より遵法精神が強い
この2つは矛盾してるように感じるかもしれないし、特に2の方は 「なに言ってんだよ」 と思われるかもしれないが、コワモテの先輩にビシっと教育を受けたエロ屋というのは本当に法を犯さない。だって法を犯したら速攻で摘発されて無一文になっちまうんだもの。自己防衛の意味で、まず 「何をやったら捕まるか」 を叩き込まれるんだな。
しかしエロ関係の法律や規制ってのは日々変わる……というか、真っ先にオカミの点数稼ぎ・スケープゴートにされるから、ゲリラのように一発当てたら水面下に潜り、またその時々の法に沿った形で一稼ぎしては水面下に潜るという、文字通り潜水艦のような戦い方をしなけりゃならなくなる。どうやらそれがネットゲリラというサイト名の由来らしい。
昔気質のエロ屋は本当にしぶといのよ。だからこそITベンチャーみたいな初手から詐欺師みたいな連中を嫌悪するのかもしれん。
世間からするとエロ屋もベンチャー詐欺師も同類に見られるかもしれないが、遵法精神という面で考えてみると大違いだと言いたい。エロ屋はあくまで 「何をやったら捕まるか」 を一番に考え、ベンチャー詐欺師は 「どうやったら金が儲かるか」 を真っ先に考える。この 「最初に何を考えるか?」 という部分が本当に重要。
ただ悲しい事に、今はエロ屋も玉石混交になってしまって、頭に叩き込んでおかなきゃいけない最低限の情報すら知らない連中が多いんだよね。関東連合なんかとくっついて悪さしてるエロ屋ってのは、ITベンチャーみたいなメンタルでエロをやってる最も危ない一派なんだよなあ。
……なんて話をし続けて、気がついたら夜中の2時を回ってたので就寝。
楽しい三島探訪はあっという間に終わってしまった。この街を満喫するのに2泊じゃ足りないような気がする。今度はネットゲリラ邸に1週間くらい泊まり込むか。
翌日、沼津港に立ち寄ってから東京に帰ることに。
しかしこの日は連休の最終日であり、どこもかしこも非常に混雑していた。
地元民の勧めでこの日の昼食はせきのという定食屋 さんに決定。
この辺りは当然の事ながら海産物をメインに据えた食事処が多いんだが、この店は刺身や海鮮丼系以外に、ラーメン・トンカツ・オムライス……と、その辺の街の定食屋と変わらないラインナップになっている。
酒のアテに出て来たアジの骨の唐揚げ。とりあえずコレをバリバリと尻尾までかじりながら料理の到着を待つ。
やって来ました海鮮丼!今回はお大尽に1,700円もする全部盛りみたいな丼を頼んでみた!ボタン海老うめえ!魚が何種類入ってるかわからねえ!しっかり味が付いてるし、いくらの塩気もあるので、醤油なんかかけなくても充分うめえ!
そしてあおさの味噌汁が地味に癒し系。
金目鯛の煮付けキターー!ほこほこしてて肉厚でうめえ!!!
アジフライも肉厚でほっこり揚がっててうまいなあ。
これは ”天使の海老フライ” とかいうメニュー。殻が柔らかめで、丸かじりできる逸品であり、これにタルタルソースをたっぷり付けて米をかっ込むと幸せすぎて脳汁が出る。
いやあ、三島は市場が休みで海産物を堪能できなかったんだけど、沼津に立ち寄ってよかったあ。次回は市場がやってる時に三島に行きたいな。平日に三島に引き篭ろう。そうだそれがいい。
そしてこの後はおとなしく東京に戻るとみせかけて、宇佐先生が柳ヶ瀬ブルース(長岡ブルース) を作ったという伊豆長岡温泉へ。
山の斜面に九龍城のように建てられた古い温泉宿で立ち寄り湯をいただく。
この伊豆長岡という土地は昔ながらの温泉街で、今となっては廃れてしまっているのか、街並みに哀愁がある。夜に来たら、もっと柳ヶ瀬ブルースが似合うどこか物悲しい光景が楽しめたのかもしれん。
連休だけあって、途中何回か大渋滞に巻き込まれたりしたが、実に有意義な旅行だった。
当初はマジメに原発問題について勉強するって話だったのに、どうしてこうなったんだろう?
連休特別企画 「ネットゲッリラの兄さんと行く三島ツアー」 その1
連休特別企画 「ネットゲッリラの兄さんと行く三島ツアー」 その2
■追記
ちなみにネットゲリラで紹介されているカレー は、2日目の昼(竹倉温泉に行く前) に作ったもの。YOUTUBE にもアップされてるみたいなんだが、ネットゲリラ邸のコンロの火力が普通の家庭用よりも強くて、それがもう暑くて暑くて……。汗だくで足元に水たまりを作りながら励んでたら気を失いかけた。次回は暑さ対策を考えて作りに行かないとイカンな。