チャイナ・リスクと向き合う~チャイナ・リスクと日本 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

チャイナ・リスクと向き合う~チャイナ・リスクと日本

チャイナ・リスクと向き合う
        チャイナ・リスクと日本



中国には、かつて日本の「系列」や韓国の「チェボル(財閥)」による株式持合いが問題になったように、独特のガバナンスの問題があることは否めません。それでも今後ウォールストリートのアジア区分が、「中国」と「中国以外のアジア」と言った方向に変わっていくことは、間違いありません。


翻って日本を見てみると、日本企業はリーマン危機後の果敢なリストラ努力によって、円高にも関わらず、2007年のピーク時の7割近くまで、その利益率を回復させています。それにも関わらず、株式市場は、相変わらずの欧米投資家からの関心の低さに加えて、国内投資家が日本株から途上国株に資金を移していることもあってか、歴史的な低価格に留まっています。


株式の取引高だけを見ると、東京は今でも香港の1.7倍ほどの規模がありますが、上海市場は、既に東京の取引高を2割ほど上回っています。今後上海が、徐々に外国人や外国企業に開放されていくことが予想されるため、日中のGDP逆転や内需成長期待の決定的違いも含めると、日本が「Japan vs. Asia Ex-Japan」という立場を取り戻すのは、もはや難しいかもしれません。


同時に、ウォールストリートや世界の投資家からは、今後「チャイナ・リスク」についての注目が、一層高まることが予想されます。かつてはマクロ的な話や政治的な話が中心でしたが、今後はコーポレートガバナンスにも一層の圧力がかかり、グローバルスタンダードを満たせない企業には、市場から退場圧力がかかることも予想されます。これは中国の一部の経営者や株主にとっては迷惑かもしれませんが、世界にとっては望ましい変化である気がします。


最近アメリカの景気は、QE2の終了による腰折れが深刻に懸念されており、リーマン危機後に進展している家計のデレバレッジング(リスク資産の圧縮)も、バブル以前のレベルに到達するには、まだ数年を要するように見えます。欧州も、ギリシャ問題の再燃を受けて、不安定な状況が続いているようですし、日本も原発問題の長期化が、景気見通しを大きく悪化させている気がします。


そのように考えると、いかに中国にリスクがあるとは言え、潜在的な成長ポテンシャルや世界経済に与えるインパクトも大きいため、今後も同国への注目は、引続きある程度は高止まりするように思います。そんな中国と今後どう向き合って行くかは、隣国である日本は言うに及ばず、世界に投げかけられた長期的な課題と言えるかもしれません。



Ken


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