服装は明らかに違うが威厳は保てるのか【即席V系大作戦(第9回)】
(前回の続き)
第9回:服装は明らかに違うが威厳は保てるのか
待望の打ち上げは近くの居酒屋で行われた。出席者は、ライブに出演したメンバーと、そのファンの子総勢30人。
とりあえずレイ君、ケン君を両脇にしたがえ、酌をさせる。
『テツジンさん、どうもお疲れさまでしたー』
この様子を見て、ファンは気づくだろう。この場での権力者が誰なのかを。そして誰に抱かれることが誇りとなるのかを。
『テツジンさん、ありがとうございました』
大物ぶりを吹き込まれたバンドの面々が、次々とビールを注ぎにやってくる。
『お、ご苦労さん』
『いやー、やっぱ存在感ありましたよ』
『そう?』
『これからもご指導お願いします』
『うん、そうだね。君たちいい音出してたよ、うん』
『ありがとうございます』
ここまで低姿勢になられると、いい気分を通り越して申し訳なくもなってくる。ただのオッサンですよ、ホントは。
別テーブルでは、場をわきまえたファンたちが物欲しげな目でこちらを見て……いない。彼女らは彼女らでワイワイ楽しそうだ。ファン同士の交流とでも言いましょうか。
さて、どれを持って帰ろうか。問題はほとんど全員が中高生なことである。プライベートならいざ知らず、企画でちょっかいを出すわけにはいかない。
となると狙いは、すでに20才を越えているであろう、隅のほうに陣取った3人組グループとなる。彼女らをまとめて面倒みますか。
最初はバンドマンとファンにはっきり二分されていた酒席も、時間が経つにつれ男女入り乱れての合コン状態となっていった。
ところが、女性陣に対し露骨に迫っていく者は皆無で、次回ライブのチケットを売ったり、疲れのせいで寝転んだりと、ギラギラした素振りが見られない。やはり女なんてどうでもいいっす的精神状態なのか、連中は。もったいない。
それにしても、この場における私の浮きようといったらどうだろう。他の男は全員、肩までかかる長髪を茶色や金に染め、黒シャツにサングラスという出で立ちなのに対し、私は山登りに出かけるようなチェックシャツに頭髪は寝グセ状態でボウボウ。とても同じステージを踏んだ同士とは思えない。
ライブではなく打ち上げこそが本番だと認識していたにも関わらず、こいつはちょっとマズかったか。威厳を失うやも知れぬ。
続く・・
この記事について。
★即席V系大作戦(全10回)
└過去にとある雑誌で行った企画。
僕の知り合いのオジさんが【女の子にキャーキャー言われたい願望がある!】と切実に言うので、『だったら、即席でV系バンドをやればイイんですよ!』と、僕が数週間かけてプロデュースする企画。果たして、結果は?!当時の雑誌記事に映像など追記して、わかりやすく面白く綴っていきます!
■イベントのお知らせ
2012年
1月27日(金)
◎THOGOオフ会@新宿
└ノープラン。集まった皆で何かを生み出して、育てて行こう!という『ミーティングイベント』です。飲食しながらトークを中心にグダグダ過ごします。たまに映像や音楽も。もちろん質問は何でも受け付けます。初見さん大歓迎!楽しい夜を過ごしましょうッ!★
※詳細はコチラをご覧ください。
★お読みいただきありがとうございます!
是非とも読者登録/アメンバー申請 宜しくお願い致します。
※エグい・キワどい内容に関しては【アメンバー限定公開】にします。
★80年代バンドブーム(ホコ天・イカ天)/90年代V系(ヴィジュアル系)浸りだったTHOGOとはこんな人物。
★特別連載『悪徳ライブイベンター(アメンバー限定)』の記事はコチラ
★バンドに目覚めた頃(13~16歳)の話はコチラ
★地元でのインディーズ活動(17~18歳)の話はコチラ
★地元でのソロ活動(18歳~上京直前)の話はコチラ
第9回:服装は明らかに違うが威厳は保てるのか
待望の打ち上げは近くの居酒屋で行われた。出席者は、ライブに出演したメンバーと、そのファンの子総勢30人。
とりあえずレイ君、ケン君を両脇にしたがえ、酌をさせる。
『テツジンさん、どうもお疲れさまでしたー』
この様子を見て、ファンは気づくだろう。この場での権力者が誰なのかを。そして誰に抱かれることが誇りとなるのかを。
『テツジンさん、ありがとうございました』
大物ぶりを吹き込まれたバンドの面々が、次々とビールを注ぎにやってくる。
『お、ご苦労さん』
『いやー、やっぱ存在感ありましたよ』
『そう?』
『これからもご指導お願いします』
『うん、そうだね。君たちいい音出してたよ、うん』
『ありがとうございます』
ここまで低姿勢になられると、いい気分を通り越して申し訳なくもなってくる。ただのオッサンですよ、ホントは。
別テーブルでは、場をわきまえたファンたちが物欲しげな目でこちらを見て……いない。彼女らは彼女らでワイワイ楽しそうだ。ファン同士の交流とでも言いましょうか。
さて、どれを持って帰ろうか。問題はほとんど全員が中高生なことである。プライベートならいざ知らず、企画でちょっかいを出すわけにはいかない。
となると狙いは、すでに20才を越えているであろう、隅のほうに陣取った3人組グループとなる。彼女らをまとめて面倒みますか。
最初はバンドマンとファンにはっきり二分されていた酒席も、時間が経つにつれ男女入り乱れての合コン状態となっていった。
ところが、女性陣に対し露骨に迫っていく者は皆無で、次回ライブのチケットを売ったり、疲れのせいで寝転んだりと、ギラギラした素振りが見られない。やはり女なんてどうでもいいっす的精神状態なのか、連中は。もったいない。
それにしても、この場における私の浮きようといったらどうだろう。他の男は全員、肩までかかる長髪を茶色や金に染め、黒シャツにサングラスという出で立ちなのに対し、私は山登りに出かけるようなチェックシャツに頭髪は寝グセ状態でボウボウ。とても同じステージを踏んだ同士とは思えない。
ライブではなく打ち上げこそが本番だと認識していたにも関わらず、こいつはちょっとマズかったか。威厳を失うやも知れぬ。
続く・・
この記事について。
★即席V系大作戦(全10回)
└過去にとある雑誌で行った企画。
僕の知り合いのオジさんが【女の子にキャーキャー言われたい願望がある!】と切実に言うので、『だったら、即席でV系バンドをやればイイんですよ!』と、僕が数週間かけてプロデュースする企画。果たして、結果は?!当時の雑誌記事に映像など追記して、わかりやすく面白く綴っていきます!
■イベントのお知らせ
2012年
1月27日(金)
◎THOGOオフ会@新宿
└ノープラン。集まった皆で何かを生み出して、育てて行こう!という『ミーティングイベント』です。飲食しながらトークを中心にグダグダ過ごします。たまに映像や音楽も。もちろん質問は何でも受け付けます。初見さん大歓迎!楽しい夜を過ごしましょうッ!★
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★80年代バンドブーム(ホコ天・イカ天)/90年代V系(ヴィジュアル系)浸りだったTHOGOとはこんな人物。
★特別連載『悪徳ライブイベンター(アメンバー限定)』の記事はコチラ
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★地元でのインディーズ活動(17~18歳)の話はコチラ
★地元でのソロ活動(18歳~上京直前)の話はコチラ