前の記事(ひ孫?転載です)の続きです

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それが証拠に、こうした数値を決めた「有識者」と言われる連中の、ただの一人さえも、その合理的な根拠を説明できないのです。

そして、この年間1ミリシーベルトという法律で定められている数値でさえ、私たちの生活実態からかけ離れているのです。
前提は、屋外に8時間、屋内に16時間いるという条件で算出しているのです。
屋内にいる時間をなるべく多くしたほうが、建物の壁などで放射線を遮蔽できる分、被曝量は少なく見積もることができるからです。

内勤の人間と、外勤の人間、外で日が落ちるまで遊んでいる子供たちも、一様に「1日当たり8時間しか屋外にいないことになっている」のです。

この被曝手帳は、テーブルの上で、国に私たちの税金で雇われた連中が考え出したことを乗り越えて、「被曝者にとって、いったい何が本当に必要で、将来、重要になるのか」という一般市民の視点に立って企画されました。
これは、将来、強力な「武器」になるはずです。

いざ国や東電対して集団訴訟するときに、国は「年間1ミリシーベルト」や、「非常事態だから20ミリシーベルトも、仕方がなかった」を都合のいいように盾に使うでしょうから。

そんなときに、個別の被曝状況を細かく記してあるこの手帳は揺るがぬ証拠になります。
できれば、サイトからダウンロードするのではなく、実物を入手して、万年筆かボールペンで手書きで記入すべきです。
インクで手書きで書くこと自体が証拠になります。

今から、髪の毛(40本ほど根元から抜くか、根元から近いところをハサミで切って保管しておく)を取っても手遅れだ
そうともいえません。

今、髪の毛に残っているのは、ほとんどがセシウムです。
すでにヨウ素131は消えてしまっていますし、プルトニウム239やストロンチウム90などの他の核種は簡単には計測できません。
セシウム頼みということになります。

福島第一原発からは(冷戦時代の核実験後、物理的半減期を過ぎて)自然界には少なくなっているセシウム134とセシウム137が、およそ5050の比率で放出されました。
セシウム134の物理学的半減は2年ですから、10年後には25乗分の1しか残っていません。
つまり、セシウム134は、かなり少なくなってしまっているのです。

しかし、セシウム137の半減期は30年ですから、髪の毛に吸着された分は、ほぼ一生の間、残っています。
これで、おのずと福島第一原発から出た放射性物質を体内に取り込んでしまって内部被曝したことが証明されるのです。

当初、この「健康生活手帳」も「生活手帳」も、「被曝者手帳」という名前がつけられていたようですが、それを聞いたお母さんが涙ぐんだことから、「被曝者」という言葉を使うことを止めたようです。

しかし、「被曝者」という名前が表題についているのと、ついていないのとでは、裁判になったときに心証が違ってきます。

ネーミングに「被曝者」という言葉を使わなかったのは失敗だったかもしれません。
3にでも、「この手帳は当初、被曝者手帳という名前の予定でしたが、被曝者から心ない名前だ、とクレームがついたため、その心情を慮って、現在の名前に変更しました」と、正直に事実を記して印刷しておくべきでした。
たかがネーミングといいますが、将来への大いなる禍根とならなければいいのですが。

この手帳の表2に、「髪の毛や乳歯を取っておきましょう」という一文が入っています。