先日、横浜で行われた宮田大さんのチェロリサイタルに行ってきた娘と孫が

すごく感激したわ・・・名古屋でもあるから是非行ってきて!って

それはそれは熱心に勧めてくれたので

ボランティアのお仕事も少し楽になってきたことだし、と思って

昨日、名古屋栄にある宗次ホールに聴きに行ってきました。



$穏やかな時を求めて



宮田大さんは日本人で初めてロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで優勝した方です。

リサイタル2日前にチケットをお取り置きしていただくよう

ホールに電話をしたら、全席自由席でもう残り10席ほどとか・・・

昨日は少し早く着いたので幸いなことに

前から10列目ぐらいのほぼ中央の席で聞くことができました。


白い舞台に黒い服の二人が登場してきてリサイタルが始まりました。

最初の曲はラフマニノフのヴォカリーズ

最初の一音を聞いただけでグッーと引き込まれてしまいました。

朗々と歌い上げるような演奏ではなく

聴衆に語りかけるように人の心の中に入ってくるような演奏です。

たぶん、そのせいでしょうが

曲が終わったとたん、拍手をするような無粋な人は一人もいません。

曲の余韻が消え行くまで、聴衆の皆も曲の中に入って演奏者と一緒の世界にいるような

一種の緊張感を持って聞き入っていたからではないからでしょうか。

そして、すべての曲がそうでしたが

曲の余韻が消え行きホールに静寂が訪れた時・・・

割れんばかりの万雷の拍手に包まれました。


ドビュッシーのチェロソナタ

ポッパーのハンガリアン狂詩曲

Rシュトラウスのチェロソナタと続きましたが

宮田さんの演奏を聴いてつくづく思ったのは

確かな演奏技術はもちろんのこと、曲への深い理解が素晴らしいな、ということです。

プログラムの中に

「今回のプログラム全体の意図は”人間らしい声を持ったチェロの歌’の表現」とありましたが

これだけ会場全体を引き込ませるにはよほどの技量がないとできないのではないかと。

推測にすぎませんが

彼は音楽以外のことからも、とてもたくさんの事を学び身につけているのではないかと・・・

そんな感じを持ちました。

ドビュッシーのチェロソナタやアンコール曲のカプスーチンのジャズ風のブルレスケは

現代的な感覚でモダンで洗練された演奏でした。

いろいろな可能性を秘めているすごい才能の持ち主だな、って!

将来がとても楽しみです。


そして、柳谷良輔さんというピアニストもとても素晴らしかった!

柳谷さんだけのソロの演奏ももっと聴いてみたいと思うぐらいです。

あくまでも伴奏で、ちゃんと伴奏に徹しているのだけれど

お互いがお互いを高め合っているような、そんな素晴らしい演奏でした。


ボランティアの仕事で少しお疲れモードでしたが

心の中がすーっと軽く幸せな気持ちで帰途につくことができた昨日の夜でした。

強力に後押しをして勧めてくれた娘と孫に感謝です。