昨日の午前中は、結構な吹き降りだったけれども

お昼からは雨は止み、風は相変わらず強かったものの

暖かいお日和でした。


先日、予定してた映画「ナニワサリバンショー」の鑑賞が

次男坊の体調不良でおじゃんになっちゃったもんだから

旦那が早帰りしてくる土曜日、ということもあり

名古屋まで付き合ってもらうことに。

映画は彼も大好きなもんだから、近所のシアターへは

よく一緒に観に行くんだけどね。

わざわざ遠くまで電車に乗って~~、といった発想はありません。

上映スケジュールを確認してみたら、週末は19時以降、と

夜間の上映しかないもんだから、

さすがに一人でまるっきり知らない映画館に行くのもね~~、と。




東海地方で唯一の上映館である、109シネマズの場所は

名古屋駅から徒歩で15分ほどの笹島、という地区。

街の中心地でありながら、ここは旧国鉄時代の「操車場」の

跡地として、その後は随分と長い期間に亘って広大な「空き地」に

なっておりました。

なので、駅からとんでもなく近くて至便だってーのに

そこに行くと突然、目の前の風景が拓けてくるのが何とも不思議。

埋立地に来たような気分です。



目的地に着いたところでびっくり。

シネコンの隣に建ってるのは、じきにスタンディングライブで

伺うことになってるZepp名古屋じゃないか。

近所にある、とは聞いてたけれど

こんなにひっついてるとは。


とりあえず、水曜日のライブに備えて敵情(?)視察。

ここのコインロッカーは、「外付け」になってるので

開場前にあらかじめ、手荷物を預けることが出来るようになってる。

おお。これは都合がよろしい。

飲食やトイレなども、隣接するアミューズメント施設のなかに

取り揃えてありますので、ご心配なく~~。




と、何をしにきたんだか。


そうそう、映画を観るまえにパンフレットを購入するか、と

ショップに入ると、ナント「ナニサリ」のだけが品切れ中!

ええーー!悔しい~~~っ

水曜日前には入荷するかなあ。

ライブの前に、もう一度確認するつもりです。



さて、劇場のキャパは120人ほどでこじんまりしてたけど

次から次へと、お客さんが入ってきました。

殆どが男女の2人づれ。これをカップル、と言えば聞こえがいいんだろうが

アタシらと同年輩と見られる夫婦連れの、パーセンテージ高し。

やっぱりねえーー。



「ナニワサリバンショー」のそもそもの謂われ、を

私は知らなかったんだけど

映画では冒頭に、トータス松本さんによるご説明があります。

つまり、しょーもないダジャレがもとになってるんだが

それをこんなにも、ビッグなイベントへと成長させちゃうんだから

大阪ってすごいわ。


これは何と言いますか、2001年、2004年、2006年の

過去3回に亘って、大阪城ホールで開催されたFM802主催による

音楽イベントの記録映画であるとともに、

一昨年58歳でご逝去されたミュージシャン、忌野清志郎さんへの

オマージュを当時の出演者の方々それぞれが、「あの時」の歌とともに

「現在」の自分たちが語る、といったシチュエーションを中心に

構成されています。



ミュージシャン達に留まらず、生前のキヨシローさんと交友のあった

方々も、こぞって顔を出して笑いを取ってくれてます。

随所にクローズアップされる、大阪の名所やウマいもんたち。

街中に突如出没する、あんなミュージシャン、こんなアーティスト達。

アタシ的にツボだったのは、石田長生さん扮する「うどん屋の大将」と

その弟子らしきせっちゃん、こと斎藤和義さんとのおとぼけな

ギターライブ。

他にも「お好み焼屋」の店員のにーちゃんを、ゆずがやってたりして

それが何ともユルくていい。



肝心の殿、はですね。

DJの役柄で出てらっしゃいます。演技不要。地でいけます。

ギターでジングル弾いてる。

あのギター、キヨシローさんのかな。



2001年のライブでは、客席後方の小さなステージ。

アリーナ後方から入場したキヨシローさん、

唄った歌に大笑い。「後ろのヤツラの為に」。


会場がでかすぎるから、観たくなくてもモニターばっか見てしまう、とか

前にでっかいヤツが立ってるから、頭と頭の間からちら見するしかない、とか

あまりに身につまされてしまう歌詞に、思わず苦笑するばかり。

そんなヤツラの為に、オレはここにきた~~なんて内容で

客席の「後ろのヤツラ」の皆様は、大盛り上がりです。

キヨシローさん、なんて優しいんでしょうねえ。



「では、友達をよぶことにします。」


山崎まさよし~~!との呼び声に、黄色い声援がっ(懐かしい!)

真っ赤なTシャツを着たまさやんが、屈強なオトコタチにガードされて入場。



スクリーンに映る殿を観て、旦那が一言。「若い。。。」

だって10年前ですもの。30歳になりたてホヤホヤよ。


ちょっと恥ずかしそうに頬を紅潮させながら

キヨシローさんと「トランジスタラジオ」をセッション。

野外ライブ等のモニター以外で、こんな大画面に映った殿を

拝見したのって初めてよ。うっとり見とれちゃいましたわ。


キヨシローさんのまなざしが、何と言っても優しいのね。

衣装の派手さや、メイクのケバさのその下にあるものは

とっても純粋で儚げで、たおやかさを感じさせる表情が

見え隠れしてる。

このヒトがこんなにも、多くの方々に愛されている理由。

そのことについて出演者の誰ひとりとして、

細かく説明してるわけではないのに、

それぞれのステージが、キヨシローさんとの掛け合いが、

目と目で送り合う気持ちのやりとりが、どんなに心地良いものであったか、を

雄弁に物語っている。




私はキヨシローさんのライブを、観ることは叶わなかったけれど

こうやって映像作品で拝見するだけでも、

やっぱり素晴らしいアーティストだったんだなあーと

今更ながら知ることができました。

まさやんたちがカヴァーしていた「トランジスタラジオ」や

「スローバラード」も、キヨシローさん自身の声を通して聞いてみれば

それらの歌詞のひとつひとつ、発される一音一音の全てが

彼の血肉を削り、全身の細胞を介して産まれてきた音楽であることを

あらためて確信するのでありました。




そして、何と言っても躍動感と遊び心が満載になった

ステージパフォーマンスの素晴らしさには、目を瞠りますわね。

バンドメンバーの方々についても、決して「お若い」とは申しがたく

なのに何でしょうか。あの迸るエネルギー、炸裂するパワーの源は。


言っちゃあナンだが、終始ステージ上を飛び跳ね、走り回り、

時には寝転がりしながらも夢中で演奏に興じてるバンドマン達は

明らかに中高年層だっていうのに、

そんなもん屁とも思わず、徹底的にステージを楽しんでいらっしゃる。

ジャンプしまくる50歳代、中村キタロー氏の原点を観ましたぞ。

ロックな男たちにとっては、肉体年齢の壁など無いにも等しいのでしょうな。

中高年になっても、小学生男児と変わらないテンションだわ。

それだからこそ、タマラナクカッコいいんだーー!




見てて思ったのは、現在ツアー真っ最中のスタンディングライブと

この映像で見せているステージとが、あっちこっちで微妙に重なること。

ベースを弾いてるキタローさんが、この映画ではまさやんよりもうんと

たくさん出ていらっしゃいます。

こんなに楽しいステージを、今も再現しようと所狭しに飛び跳ねてる

キタローさんの姿と、スクリーン上のキヨシローさんの一生懸命さが

今のまさやんに投影されるような、そんな錯覚を感じたりもします。





印象的だったのは、最後のCHABOさんとのセッション。

とても静かで、なのにとてつもなく切なげで

情熱的なバラード。



最後にDJとして語るCHABOさんにとっても

「忘れられないテイクでした。」との、珠玉の一曲です。




「僕たちの世代は、ラジオから流れてくる音楽を頼りに

 育ってきた。

 外国の、見たことないミュージシャンの曲を聞いては

 ビートルズってどんな顔してるんだろ?どんな服着てるんだろ?って。

 

 今は映像で見れるから、すぐにわかっちゃうんだけど。

 でも、ラジオであれば耳で聞いたその中で色んな空想が広がって。

 すごくロマンチックだよね。

 だから今でも、ラジオは大好きでよく聴きます。」





行ったことも見たこともない国の、知らないヒット曲を

全く違う場所で周波数を拾う事で、見知らぬ他人同士が

同じ時間に共有することが出来る。

そういえばキヨシローさんの曲には、ラジオから流れてくる

音楽たちが、印象的にクローズアップされてる。





劇中、大阪の街中をずっとマラソンしている寛平ちゃんの

淡々とした表情と、乱れる事のない足音が

とても象徴的でした。

「大阪らぶ!」の心意気が、てんこ盛りに満載された

愛すべき音楽映画です。




今まさに、全国からの注目度が右肩上がりばく進中の大阪市。

しかも今週末より、大阪市内で3ステージが催されます。

大阪のライブ、格段に楽しいからね!

オバサンもめっちゃ期待していますよ!!




映画「ナニワサリバンショー」。

上映される劇場に限りがありますが、

環境的に可能であれば、是非に観に行かれるといいですよ。

スクリーンだってーのに、拍手が上がりましたもの。

最高に楽しいライブ映画だったよ~~。