新基準「まだ10倍以上は高すぎる」 ◆たんぽぽ舎 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

たんぽぽ舎です。【TMM:No1298】
                           転送歓迎

         ◆ 地震と原発事故情報 その283 ◆
      4つの情報をお知らせします(12月28日)

 ★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
    全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」。子どもたちはゼロベースに、
    少なくとも5ベクレル以下に
                         山崎久隆
 ★2.<テント日誌 12/25(日)>
    九州電力玄海4号停止で残り6基に
    テントから霞ヶ関に響く歌声、
    — 経産省前テントひろば 106日目 —
 ★3.<テント日誌 12/26(月)>
    寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
    — 経産省前テントひろば 107日目 —
 ★4.メールマガジン読者からの情報
『マンガで見る原爆と原発』出版
  長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に
  怒りの書き下ろし!



★1.基準「100ベクレル」は妥当か?-食品や飲料水の新基準について
   全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」、ゼロベースに、
   少なくとも5ベクレル以下に
                       山崎久隆

 食料品や飲料水からの放射線被曝限度をどのように捉えるかについては、既
に一定の基準がある。いろいろな場面や物質から様々に被曝するのが現実の社
会なので、全体を足して1ミリシーベルトを限度とした場合、個々の限度は
10マイクロシーベルト(100分の1ミリシーベルト)相当に割り当てると
考える。
 例えば「飲料水から10マイクロシーベルト」「主食から10マイクロシー
ベルト」「副食から10マイクロシーベルト」「空間から10マイクロシーベ
ルト」「医療用線源から10マイクロシーベルト」などという具合にである。
 この逆算から出てくる一つの被曝源が「震災廃棄物」であり、それを処理処
分した場合の被曝線量を10マイクロシーベルトに抑えるには100ベクレル
/kgとすると決めたのがクリアランスレベルの考え方を踏襲したものだ。実際
にそうなるかどうかは条件が多岐に変化するため分からないが、この程度に抑
えておけば、悪い条件が重なっても10マイクロシーベルトを超えないだろう
と判断したと言うことだ。
 問題は多く、私は反対だが、クリアランスレベルは既に2004年に導入さ
れている。原子炉等規制法の改正として実施されているので、今回の原発震災
によって決められたということではない。キロあたり8000ベクレルとか、
10万ベクレルなどといった恐ろしい環境省の「暫定処理基準値」のほうは、
これに照らせば違法であると言わざるを得ない。(放射性廃棄物として適切な
施設で焼却するか、または密封管理した専用処分場に処分する)
 食品の限度を100ベクレル/kgにした場合、どの程度の被曝量に相当する
のか、これについてはおおむね飲食物の摂取で「1ミリシーベルトには達しな
い」ということで導入されるようだが、これは今までの考え方からは10倍以
上も高すぎる。
 「厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくい
ため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。」という厚
労省の「解説」が茨城新聞に載っていたが、これも間違った考え方である。基
準値というのは、これを超える場面も想定をして、悪い条件が重なっても十分
安全側に入る程度に設定しなければならない。つまり、規制値一杯の食品ばか
り食べたとしても目標の被曝限度の10分の1(厚労省の言い方に沿うならば
100マイクロシーベルト)程度に収まるようにすべきなのだ。
 安全規制値とは、そのような考え方で決めるものなのである。
 さて、この「100ベクレル/kg」にしろ「500ベクレル/kg」にしろ、
これはいわば「我慢量」である。原発震災により日本中に拡散した放射能を誰
がどれだけ「引き受けるか」という問題だ。極めてパーソナルな問題であると
同時に、責任を分担すべき人とそうでない人がいるだろう。そこをはき違えて
はならない。
 「未来の世代にツケを回すな」これは反原発運動がチェルノブイリ原発事故
の頃に私たちが主張したスローガンだったが、いつしか「未来の世代に負担を
残すな」という言葉が「高レベル放射性廃棄物処理処分」の場面でNUMOに
より主張されだした。この本末転倒振りに唖然としたが、今度は未来の世代を
「過度に」被曝させるような「被曝基準」を政府自ら作り出した。それも「安
全基準だ」として。
 依然として安全神話が形を変えて再生産されてるだけで無く、とうとう自ら
言っていることの論理矛盾にも気づかなくなっているらしい。
 成人、子どもたち、乳幼児、産婦別に、さらに「水<牛乳<主食<野菜類<
魚肉類<その他」という段階を設けた摂取限度をもうけるべきだろう。
 既に原発を作り続けてしまった世代からの、最後の罪滅ぼしが出来るとした
ら、未来の世代を可能な限り「飲食物を通じてはゼロ被曝」に近づける努力を
こそ今すべきなのだ。特に学校給食のように、子どもたちが摂取するシーンで
は、ゼロベース、現実的には少なくても5ベクレル以下を測定できる装置で
「測定限界以下」とするべきだ。40ベクレル/kgはやはり10倍高すぎる。
 全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」これが今回の「100ベクレル
/kgなどの新規制値」に対する私の意見である。

☆2011.12.22発信「地震と原発事故情報その278」掲載の安田節子さんの文章も
ご参照下さい。
☆1/18学習会もあります。
 2012年1月18日(水)18:30~「牛乳が汚染-食の安全対策」
 お話:安田節子さん


 ★2.<テント日誌 12/25(日)>
    九州電力玄海4号停止で残り6基に
    テントから霞ヶ関に響く歌声、
    — 経産省前テントひろば 106日目 —

12月25日(日)晴。
 テント前で歌声集会。「月桃の花」歌舞団だそうだ。一般参加者を巻き込みギ
ターに合わせて寒い中、元気な歌声が霞ヶ関に響く。
曲目は「線路は続くよどこまでも」の曲に乗せて「放出続くよどこまでも」など

原発止めよーう いーますぐに—
原発止めよーう もーいらなーい
世界の国かーら 原発をー
なーくしてしまおーう いーますぐに
なーくしてしまおーう いーますぐに

25日の夜には九州電力玄海原発4号機が止まり、日本で稼働中の原発は6基のみ
になる。54基あるうちの6基。日本は89%脱原発状態になる。あとたった一割だ。
去年の実績から考えると、電力需要のピーク時の3~4%を担うに過ぎない。
テントの正面に掲げられた横断幕には「再稼働反対」のメッセージ。このまま再
稼働を許さなければ5月には全ての原発が止まる。
日本の電力会社は様々な理由により、原発を止めても停電が起きないくらいの発
電設備を抱えている。一番の理由は「総括原価方式」だろう。投資したらした分
だけ電力料金に上乗せできるのだから、発電所を作りすぎても不思議ではない。
次にバブル経済が挙げられる。バブルの頃の電力需要の伸びが将来も続くとして
発電所の建設を行いバブルがはじければ発電所は余る。電力会社の高コスト体質
が嫌われ自家発電や特定規模電気事業者(PPS)が増えたこともある。
2011年現在、計算上日本の電力供給力は、原発を全部止めてもまだ余力がある。
テントの正面には再稼働反対の横断幕が掲げられている。このまま再稼働を許さ
なければもうすぐ実証される。(H.H)


 ★3.<テント日誌 12/26(月)>
    寒さ厳しき中に熱気溢れるテント
    — 経産省前テントひろば 107日目 —

12月26日(月)晴れ。冷え込みは一段と厳しい。
午後、先日テントを来訪された折、お願いしていた南條倖司&まあさんのライブ
が行われる。群馬県南部の下仁田町で半自給的音楽生活を送っておられるとのこ
とで、下仁田ネギをいっぱいお土産に持参してこられた。
30名あまりの聴衆を前に、美しい声音でたっぷりと歌っていただいた。
聴衆からは「テントへのカンパ投げ銭」がたっぷり!
夕刻から、第2テントでは若い人達の鍋パーティーが賑やかに行われている。
第1テントにはポルトガル・ブラジルからの青年達(?)が3名来訪。やはりバル
セロナで知ったのだそうだ。
明日の夜から、何日間かテントに泊まり込みで詰めていたいとのこと。ここは是
非、泊まり込み体制の有力な「戦力」として加わっていただこうということに。
そしてその 体験を広く世界に伝えてもらえれば・・・。
同じ時間帯に、スペースたんぽぽでは重要な学習会が開催されているはず。スト
レステストの意見聴取会にあわせて、ストレステストの問題点は何か、意見聴取
会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習し
て、意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、
再稼働を止める力にする、というものである。
そちらの方も気にしながら、テントでの交流をおこなう。
今夜は第2テントに女性2人(中年とシニアの)が泊まり込むということで、
いっぱい荷物を抱えて、用意万端である。(Y・T)


 ★4.メールマガジン読者からの情報

 『マンガで見る原爆と原発』出版
 長崎で被曝したマンガ家、西山進さん(83歳)原発事故に怒りの書き下ろし!

 著者の西山進さんは、17歳の時に長崎で被曝。戦後、上京してマンガ家にな
った。現在は福岡市で被爆者団体の役員として活動している。311の震災に伴う
原発事故に心を痛めていたところ政府、財界、マスコミの無責任な対応ぶりに怒
りをこめてペンをとって描き上げたのが『マンガで見る原爆と原発』だ。
 政府、東電は、放射能被害は大したことがなく終息にむかっているという。し
かし、西山さんは反論。「被害は甚大で広がっていること」をわかりやすく指摘。
さらに、原発と核兵器は、密接な関係にあると言及する。しかし、政府はその点
をひた隠しにし、マスコミもそのことには故意にふれない。
若いお母さんたちにも手軽に手にとってもらえるようにと一気に書き上げたのが
『原爆と原発』だ。 http://cr21.web.fc2.com
『マンガで見る原爆と原発』2011年/B5判並製/30頁/630円(税込)

<< ご注文方法 >>氏名・住所・電話番号・ご希望の冊数をご明記のうえ、
FAX:03-3226-5292、またはメール:creative21@joy.ocn.ne.jpでご連絡下さい。
後日、記載されたご住所に振込用紙と書籍をお届け致します。
(送料は実費をご負担下さい。1~3冊では100円になります)
☆ ご一緒に西山さんの「あの日の事」もご購入いただけます。
「あの日のこと」2005年/B5判上製/120頁/1,890円(税込)
長崎で被曝したマンガ家がやさしい絵で自らの被曝体験と平和への思いを書く。


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[編集部より]
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