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木坂さんの、地震メルマガの最終回、だそうです。

木坂さんの 原子力発電災害等のメルマガの最後になるそうです。


こんばんは、木坂です。

連日失礼いたします。

多分これで地震メルマガは最終回です。

僕が言えること、言うべきこと、大体言ったと思います。

あとは各自で情報を収集し、的確に処理し、
後悔のない判断をしてください。

いやしかし、今回毎日メルマガ書いてみて思いましたが、
まだまだやれば無理ができるもんだ。

残念なのは、どうしても体重が落ちてしまうことでしょうか。


さて、今回もまずいただいた質問にいくつかお答えして、
本編に入りたいと思いますが、その前に1点。

やはりメルマガが届いたり届いてなかったりするようですので、
一応1~5号までのメルマガをまとめてPDFにしました。

追伸の1にリンクを載せております。

必要な方は、そこからダウンロードしてください。


では、いただいた質問にお答えするコーナーにいきます。


Q1.西に避難した人は、いつ頃(どうなったら)安心して戻って
来てもいいのでしょうか?

A.事態が落ち着いたらです。

福島原発に関しては遅くとも今月中には何かしらの
結果が見えると思いますが、その結果をどう判断するかは、
各自次第です。

「安心」と感じる度合いは人それぞれですから、戻ってくる
タイミングもそれに依存します。


Q2.仮に西に避難するとして、何日くらいを想定して避難すれば
いいのでしょうか?

A.事態が落ち着くまでです。

どの時点で「落ち着いた」と見るかは、やはり人によります。

それは今の時点で関西に逃げている人もいれば、
東京で普通に生活している人がいるのと同じこと。

一概に「このくらいで安心です」とは言えません。

安心と感じる基準を自分で作っておくことが大切です。

どうしても自分で基準を作るのが面倒なら、国際基準を調べ、
それをそのまま当てはめたらいいと思います。

個人的には、原発に関して言えば、一連のメルマガで
説明しましたとおり、どの放射性物質が、どの程度流出したのか、
その流出の仕方、風向き、日本各地で計測される被曝線量、
各放射性物質の性質、そういった諸々の事実を総合して
判断すべきと考えております。

ただ、質問のひとつ目とも関連しますが、地震の脅威自体は、
いつの時点でも変わりませんので、その意味では、日本にいる限り、
永遠に安心とは言えないと言うのが誠実でしょう。

地震、台風、原発、火山、ひとつずつ数えていったら、
日本はとても危険にも見えてきます。

この辺は、リスクをどう捉えるかの問題です。

あと、前回も言いましたが、こういう質問を僕に送っても、
この程度の回答しかできませんので、あまり意味はないと思います。


Q3.原発は、今やっているようなホウ素だとか放水だとかを
続けていたら、いつか収まるようなものなのでしょうか?
また、冷やしてしまえば、とりあえず安心なのでしょうか?

A.冷やし「続ける」ことができれば安心ですが、今のやり方では
難しいでしょう。

海水をポンプ車やヘリで汲み上げ放水し、何年何年も冷やし
続けるわけにはいかないからです(何年も何年も冷やし続ける必要が
あるということです)。

ただ、電気系統さえ正常になれば、状況が180度変わる可能性が
あります。

その工事を、今東電の人たちを中心に、東芝や日立から派遣された
応援の技術者の人たちが必死にやっているはずで、電気が通り、
以前のように「自動で」冷却ができる仕組みが復活すれば、
勝手に何年も冷却してくれますので、その意味では安心と言えると
思います。

ちなみに現在、5号機6号機用の非常用ディーゼルは既に
ある程度稼働し、冷却も始まっているようですし、2号機も
もうすぐではないかと言われています。

(※参考: http://kinkyu.nisa.go.jp/

もっとも、僕が一番危険視しているのは、初めから言っている通り
3号機でして、こいつの冷却がいつ始まるのか、それが気になります。

また、首都圏には直接的には関係の薄いことではありますが、
既に流出してしまった放射性物質に関しては、ほぼ、どうしようも
ありません。

これは(少し後述しますが)また別の議論です。

ちなみにこの程度のことは、Wikipediaにも載っています。

できればご自身で御調べください。


Q4.レントゲン等の数値と比較するのは、その地で生活をするレベルとしての
安全性とは対象として違うのではないかと思いましたので、木坂様のお考えを
お聞き出来れば嬉しいです。

A.僕はあくまでも「首都圏」に限って議論してきました。

つまり、そういういわゆるシリアスな被曝エリアでの生活に関しては
意図的に議論を避けてきたわけですが、仮に、そのような被曝エリアで
生活するつもりであるならば、各自で生活するであろう時間を掛け算すれば
いいだけですので、生活したい時間を各自で勝手に掛け算してください。

単位時間当たりの被曝線量がわかっているわけですから、
それで済む話だと思います。

ただ、前回のメルマガでも言いましたが、常識的に考えて、
一次関数的な掛け算(毎時○○シーベルト×24時間×365日、など)は、
あまり正確に事態を表現しないと思います(参考にはなると思いますが)。

より正確に危険度を計算したい人は、データを集め、範囲を決め、
積分を行ってください。

ある地点における被曝線量の描く関数は直線ではなく、乱暴に言えば
富士山のような形になるはずで(頂上が何個あるかはわかりませんが)、
メディアが報道しているのはその頂上の部分(最大の値)だけです。

そこを単純に24倍し、365倍するというのは、現時点における
「予想最大値」を求めているだけで、実際にはそれよりだいぶ下がる
はずです。

(※例えば自衛隊がヘリで放水しに行く場合、プラントの
300メートル先上空と真上とでは全く数値が違いますよね。
彼らはその全てのデータを積算して、累積被曝線量を計算していると、
僕は考えています。)

さらに、本当なら、僕はその積分した値に、年齢係数とでも呼ぶべき
数字を掛けるべきだと思います(そんなものが存在するかは
知りませんが)。

60歳の男と0歳の男の子では、同じ被曝線量でも全く意味が
変わるからです。

データは東電をはじめ各所がネットで随時公開しています。

不安な人ほど、一次情報「のみ」にあたり、じぶんの頭で考え、
判断するべきです。

それすらする気がないなら、もう全てを忘れて、いつも通り
生活した方がいいかもしれません。

被災地に貢献することもないけれど、買い占めや無駄な移動に
よって迷惑をかけることもない、というプラスマイナスゼロを
目指してほしいと思います。

また、その方がストレスによって健康を害す心配もないですし、
そういう人たちにとってはそちらの方が重要なのではないかなとも、
少しだけ思ったり思わなかったり。

せめて、最もクリティカルな、被災地の方たちの、
足を引っ張るようなことだけはしないでほしいと思います。


さて今回のメルマガでは、いくつか細かい補足をし、
今後の復興にあたり、気にかけるべきことをいくつか
お話ししたいと思います。

相変わらずですが、誤字脱字、日本語の不備、もしあれば、
ご容赦を。

明らかな誤りは、ご指摘いただければ助かります。

早速いきましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次

1.いくつか細かい補足。

2.今後。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.いくつか細かい補足。


(1)前回のメルマガで、患者を置き去りにした病院の話を
書いたと思います。

これに関して、二人の方から、その時院長は残っていたという
訂正の報道がなされていますという情報をいただきました。

福島県双葉病院らしいです。

ただ、すいません、ちょっと僕が見ていた病院がこの病院か、
すでにソースを消失していまして確認できない状況で、
しかしこの病院のことであれば、院長が残っていたということ、
本当に良かったです。

何をもってして良かったというかは難しいですし、
院長一人残っていたから実際に何なのだという意見もあるかと
思いますが、少なくとも院長が現場を放棄しなかったということ、
その他の職員も警察の指示で避難させられた可能性が高いこと、
その2点に関して、本当によかったと思っています。

ご指摘くださった方、ありがとうございました。

また、当該病院の関係者の方、このメルマガを見ていることは
ないと思いますが、不名誉な記述をしてしまい、
大変申し訳ありませんでした。


(2)「今回の一連のメルマガにより無知からくる恐怖から
解放されましたことを深く感謝申し上げます。 」

このような感想を何通かいただいております。

そういったお役にたてて何よりです(完全に安心されてしまうと
同様に困るのですが)。

「恐怖」というのは、よくよく探ってみると、大体の場合
まさに「知らない」ということからくるように僕は思います。

知っていても知らなくても、客観的に存在する危険は
変わりませんが、しかし心的状態が、大きく変わるわけです。

1の恐怖を100(99は妄想)にする犯人は、
「無知」なのです。

無用な恐怖、不安に打ち勝つには、正しい情報と
知識を身につけることしかないと、僕は思います。

そして、「ああ、全然大丈夫なんだ」と必要以上に
楽観しないためにも、正しい知識が役に立ちます。

この感想をくれた方はこれからボランティア活動に従事されるようで、
現場の方たち、地元の方たちにも少しでも安心してもらえるよう、
話してくると言ってくださいました。

是非、頑張ってください。

できることを、できるときに、できるだけ、やってまいりましょう。

ちなみに僕が中学校のころから好きで多分CDも全部持っている稀有な
歌手であるところの松山千春が、今回こんなことを言っていました。


「知恵がある奴は知恵を出そう。

力がある奴は力をだそう。

金がある奴は金を出そう。

『自分は何にも出せないよ…』

っていう奴は元気出せ。」


まさにエネルゲイアの境地だと思います。


(3)信用できる情報は?

何度も言っているとおり、何より一次情報です。

次に、政府や保安院、東電といった当局の発表。

次に、原子力(工学や物理学、そして医学など)の専門家の見解。

次に各種メディア、評論家やコメンテーターの見解。

最後が、何でもない個人が無根拠かつ適当にまき散らしている見解。

こういう順番だと思います(これは信用できる割合や度合いの話を
しているのであって、決してゼロサムではありません)。

誰の意見を聞いてもいいのですが、大事なのは、根拠(事実)です。

どういう根拠があるのか、それを常に探るようにしてください。

また、政府や東電の発表は、確かに時々いらっとするのですが、
僕は概ね評価しています。

公の発表であれば、あのくらいが限界だろうなと思う面も
なくはないわけで。

また、現場での対策も、素人目で見てもちろん問題はあると感じる面が
ありますが、総合的には、よくやってくれていると感じます。

特に現場の危険や心理的プレッシャーは、ちょっと我々には
想像できないほどでしょうが、その中で、かつてないほどの
集中力をもって作業してくれている人たちがいる。

この点に関して、現状安全な所にいる僕がディスプレイ越しに
何かを意見する権利は、一切ないと思っています。

大事なのは、ああいったリスクを過小評価し、回りくどく、
よくわからない言い回しを多用する発表から、事実を抽出し、
真実に至る、我々の脳みそなのです。

まずは事実。

次に理屈。

最後に解釈、そして判断。

こういう順番で、全てをぬかりなくやってください。

ネット上で見られる99%の意見は、ほとんどが事実に立脚せず、
理屈も通らない、いわば妄言です。

また、海外のメディアを必要以上に信用する輩がいるのも、
困った傾向です。

例えば、僕が見た限りでは、海外のメディアの一部報道を取り上げて、
日本の政府は事実を隠ぺいしているとか、本当はもう絶望的な
状況なんだとか、そういうことを言っている人たちがいるようですが、
海外のメディアも、別に日本のメディアとそんなに違わないところも
多々ありまして、特にこういう「外国」での大きな事件は、話半分で
聞かないといけない部分が強くなります。

というのも、結局、彼らにとっては対岸の火事であって、必要以上に
不安を煽れば視聴率が取れるという、日本のマスメディアの手法と
大差ないことを、少なからずやるからです(だから中国などでは
塩の買い占めが起こったり、もはや風評被害と言える混乱が
確認されていますし、アメリカでもヨウ素剤の買い占めが
起こり始めています)。

メディアというのは、そういうものなのです。

私企業である以上、そういうものなのです。

それは、まさにノーボーダー。

例を挙げますが、ドイツはこの件を受けて日本の政府を批判し、
前回のメルマガでも書いたとおりかなり神経質な措置をとり、
また国内向けには原発を7機停止すると発表しました。

これが何を意味するか、我々は考えなければなりません。

ネットで騒いでいる人は、「だから原発は危険なんだ、
政府や東電は利権にまみれていてそのリスクを伝えないんだ、
実際にはもうどうしようもなくてチェルノブイリになるんだ」
という解釈みたいですが、ドイツに住んでいる人に聞いたら、
それは単なる選挙対策であって、選挙が終われば、また
撤回する可能性が十分ある、と言っていました。

結局、そういうものなのです。

ひとつの視点に固執せず、ひとつの事柄をいろいろな視点から
眺める軽やかさが、こういう有事の際ほど、求められます。

これは各自のリテラシーの問題であり、政府や当局の問題では
ありません。

日ごろどれだけ脳みそを鍛えてきたか、ただそれだけの
問題なのです。


(4)「地震シリーズ1は衝撃でした。なぜなら、まだ地震直後で
原発のことをそこまで深刻だとみんなが思っていない時期だったからです。
メールを頂き、大変なことだと周りに話すと、大丈夫よとみんな一様に
笑ってそう言っておりました。

ただ一人、東京在住の海外出張の多い英語堪能な親友のみ、あなたの情報は
早い、海外では原発関連を主として報道しているところが非常に多い。
日本は何かを隠している。実家の広島にいつでも帰省できるよう毎日
飛行機を予約して、様子を見ていると言っていました。

そして、一週間が過ぎて話題は原発一色です。あなたはなぜそんなに
詳しいのですか。なぜ情報が早いのですか。と、周りからビックリされて
おります。」

こういう趣旨のメールをいただくことも多いです。

そう言っていただけて個人的には半分くらいうれしいのですが、
実際には、決して、僕の情報が早いわけでも、僕の解釈が
正しいわけでも、何でもありません。

単に、日本のメディアが遅すぎるだけだし、日本人がこういうことに
疎過ぎるだけ、というのが真実で、ですから、残りの半分は、
残念な気持ちです。

我々国民ひとりひとりのリテラシーが低すぎるということに、
そろそろ真剣に向き合わなければ、結局同じことを、未来永劫、
繰り返すことになります。

こればっかりは、一朝一夕に身につくものでもなく、一部の天才を除き、
(平和かつ平穏な)日ごろから、コツコツと訓練していくしか、
ないのです。

日本人は、わあーっとパニックに近い状態になり、あっという間に、
喉元を過ぎる傾向にあります。

世の中の「風潮」や「雰囲気」に惑わされることなく、自分の中で
確固たる立ち位置、軸を作り上げておくこと。

是非、これをきっかけとして、自己練磨に励んでくださいませ。



2.今後。


今後に関して、いくつか雑記を。

(1)まず、「不謹慎」という名の赤狩りをやめること、
やめさせることを意識してほしいです。

本当に不謹慎なのは、例えば帰宅難民や避難所民になった
若い女性を狙う性犯罪とか、どさくさに紛れた強盗とか、
あるいは東電の社員を騙る謎の集団とか、そういうものを
指すわけです。

テレビでお笑い番組を放送したり、アニメを放送したり、
企業がいつも通り営業活動をしたり、こういう時期には必ず、
そういうのが不謹慎だと妙にヒステリックに反応する人が
多数現れますが、そういう感情論では、人も、日本も、
何も救えないことをまず冷静に理解する必要があります。

インテルで長友がゴールを決め、活躍する姿は、今の日本に
勇気と希望を与えるでしょう。

一体誰が

「サッカーなんかやってないで日本に今すぐ帰国しろ売国奴が!」

という発言を支持するでしょうか?

海外で活躍するスポーツ選手や芸術家など、彼らを今すぐ
呼び戻せ、というのが正しいでしょうか?

個人的にユニクロという企業は好きではありませんが、
柳井さんは、一生懸命働いて、一生懸命「儲けて」、
今も普通に営業しているからこそ、ポンと10億円寄付
できるのです。

7億円相当の衣料品を寄付できるのです。

普段ダラダラとビールを飲みながらテレビを見ているのに、
こういうときだけ不謹慎だの大変だの言っている人と、
「普段通り」彼らにしかできないことを全力でやっている
人たちと、一体どちらが日本とその未来に貢献し、勇気と
希望を与える存在であるか、言うまでもないのではないかと
僕は強く思います。

そしてこれが、何度も言及した、エネルゲイアということです。

(※不謹慎だの何だのと言いながら都内で水やガソリンなどの
買い占めを行っているやつは、もう論外以外の何物でもなく、
はっきり言わせてもらえれば、放射性物質よりよほど有害です。)


「全ての医療機関が壊滅し、私たちがダウンすれば、
この町全体がダウンする。」


被災したある町の医師は、テレビカメラをまっすぐ見つめ、
はっきりと言いました。

彼自身の家族は、いまだ行方不明であるにも関わらず、です。

こういう人が、日本にはまだまだ沢山いるということが、
何よりの希望だと僕は感じています。


「誰かから必要とされた時、人は生きることを選択する」


これはアウシュビッツの悪夢を経験し、フランクルが導いた、
ひとつの真理です。

「生きてたらいいことあるって」といくら説得しても、
死にたい人は、死ぬことをやめません。

しかし「私にはあなたが必要で、世界もあなたを必要としている」
ということを伝えると、みな死ぬことをやめる。

「励ます」という言葉を僕は最初のメルマガで使いましたが、
正しい「励まし」とは、こういうメッセージを、大切な人に、
それを必要としている人に、伝えることです。

本当の不謹慎とは何か。

こんな時だからこそ、それを各々が考える必要があります。


(2)原発は、「止める」「冷やす」「閉じ込める」で制御するわけですが、
それには非常に専門的な知識や技術が必要であり、誰にでもできるわけでは
ありません。

僕がメルマガを書いた時点では800人体制だった作業員も、
その危険さから、いつしか50人に削られました(現在は、おそらく
その3~4倍程度だと推測されます)。

彼らはFukushima50と名付けられ、海外メディアでは英雄になっています。

(※ウィキペディアにもページができていました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Fukushima_50 )

彼らが命をかけて必死に行っている作業、その足をひっぱる
全ての風説や行動は、現状有害です。

何もできないのであれば、せめて間接的にでも、彼らを
支えるべきではないのか。

僕はそう思います。

その意味で、「いつも通りすればいい」というある種達観した見解は、
半分くらいは間違っていると言えるでしょう。

本当に全員がいつも通りしていたら、東北は復興しない。

Fukushima50の人たちは、いつも通りしているのでしょうか?

被災地のために、みんなが少しだけいつもと違うことをするから、
いつもと違う東北が、いつもと同じ東北に戻るエネルギーが得られる。

そんな風に、理解すべきだと思います。

やれることをやったら、いつも通りする。

それが正しいエネルゲイアです。


(3)上記に関して、寄付という問題があります。

自分には、少ないけれど、寄付するくらいしか、できることがない、
という気持ちの人も多いかと思います。

しかしメディアでは義援金詐欺なども多発していると言われているし、
どうしたものか、と。

赤十字など大きいところが安心、と政府やメディアが報道していますが、
それも少し立ち止まって、まずは意味を考えてください。

ある団体が、寄付金で運営されているということが、どういう意味か、
考えるのです。

例えば経費が100万円かかるとして、寄付金が100万円だとしたら、
1円も現地には届かない。

ホワイトバンドなんていうムーブメントを思い出せば十分だと思います。

24時間テレビなんていう企画を思い出せば十分だと思います。

一体どれだけのギャラが発生しているのか。

寄付金で職員の給料を払う、残ったお金を現地に渡す、というシステムでは、
例えば企業経営者が当然最も税務効果の高い経費使用を考えるように、
なるべく自分のポケットに入れるという発想を持つやつが現れても
何も不思議はないわけです。

(※各団体のピンハネ率は、ちょっと調べれば出てくると思います。
また、政府等との癒着も、出てくるかもしれません。)

かといってよくわからない詐欺団体が跋扈しているのもまた事実。

では、どうしたらいいのか。

それを考えるのが、「自分ができることをする」ということの意味なのですが、
例えば、もし現状どこに寄付したらいいのかわからない、でも何か力になりたい、
というのであれば、今そのお金をためておいて、復興時に東北旅行でもして
お金を落としてきたらどうでしょうか。

あるいは、東北の地場企業からできるだけ何かを買うように意識してみたら、
どうでしょうか。

節電などに協力している人が多いように、買い占めを止めるように
活動している人が多いように、やれることは、ひとつではないはずです。

自分にできることを、できる範囲で考えてください。


(4)復興にあたって注意すること。

山ほどありますが、説明し出したらキリがないので、
キーワードだけ。

「構造改革」的な言葉が叫ばれ出したら要注意です。

それ自体が絶対的に悪いわけではありませんが、物事には、
タイミングというものがあり、実際阪神大震災の後、
徐々にそうやって日本はめちゃくちゃになったということを、
忘れないようにしてください。

加えて、これに関連しますが、TPPの動きにも注意してください。

今回は農産物も海産物もたくさん生産されている場所の
被害ですから、食料安全保障上、非常に大きな打撃を
うけます。

そういうところに、外国資本というのは、善人の顔をして
つけ込んできますので、冷静に見て、正しく判断することが肝要です。

(※厳しい言葉では「外患」と言いますが、日本人の中にも
極悪人がいるように、外国人の中にも、こういう混乱に乗じて、
利益をむさぼろうという輩がいます。

混乱期というのはインフラが脆弱になり、どうしても復興に
意識が集中してしまいますから、そういう外からの「工作」あるいは
「地雷(比喩です)を埋める作業」に気が付きにくくなる。

第二次大戦後、欧米列強によって日本の周りには山ほど「地雷」が
埋められいまだに引きずっている事実を忘れるべきではありません。

ただでさえそういう感覚が鈍い日本人のこと、こういう点が、
僕は非常に心配です。)

東電は、今後経営が苦しくなることは目に見えていますから、
もしダメそうなら、僕は一時的にでも国営にしてもいいと
思っています(どうせ元々半官半民みたいな会社ですし)。

ここも、間違っても、外資にやってはいけない。

というか、大切なことなので、少し一般化しましょう。

国民が生きていく上で欠かせないインフラ、例えば公共事業や、
公共交通、そして食糧やエネルギー産業、さらには武器製造産業、
ここに外資を一定以上入れるべきではありません。

それは、安全保障上、当たり前のことです。

しかし、先に言った通り、こういう大混乱の後には、必ず、
そういう動きが出てきます(実際、既にロシアなどは、どさくさに
紛れてスパイ飛行機を日本の領空に飛ばしてきています)。

目先の経済うんぬんより、そういう日本の国体に関わる問題、
さらに言えば主権にかかわる問題、僕はそっちの方に注意して
ほしいと思っています。

復興した後、そこにあるのはもう日本ではなかった、などというのは、
全く笑い話にもならないことですから。

あとは福島県を中心としたエリアの今後です。

きっと、いろんな風評被害に悩まされると思います。

我々がそういう動きに乗らないこと、事実と理屈に基づいて
適切な判断をしていくこと、周りの人たちを啓蒙していくこと、
これが何より重要です。

ただ、客観的な提案として、農産物や、牛乳を含む畜産物は、
極力早くに「適切な」規制をかけるべきと考えます。

内部被曝は、食べ物から最も多いという事実を忘れるべきでは
ありません。

またそうしないと、風評被害含めて、東北全体の一次産業が
壊滅的なダメージを受ける可能性がある。

「大丈夫です、大丈夫です」では余計不安を掻き立てます。

東北地方で、一次産業に従事している方には申し訳ない
気持ちもありますが、被害を不必要に拡大させないために、
またいち早く安全に復興するために、これはまず必要だと思います。

(※例えば、「東北の野菜は全部放射能汚染されている!」とか、
「セールに出ている野菜や卵は全部危険!」とか、「牛乳は全て
終わった」などは、風説です。我々は、こういうものを、力いっぱい
駆逐しなければならない。)

あと、念のために一言。

食べ物で問題になるのは内部被曝ですので、その点少し慎重になる
必要があります。

政府が、お得意の「直ちに健康に影響する数値ではない」と言ったら、
「長期的に見たら、影響があるかどうかわかりません」と
言いなおして理解することです。

さらに、内部被曝の場合重要なのは、直接の被曝線量ではなく、
一体どの放射性物質を、どの程度取り込むのか、です
(なので、例えばCTなどとの比較は、全く無意味です)。

ですから、そっちに注目して諸々の情報に触れるように
してください。

もっとも、例えばヨウ素で何千ベクレルくらいの数字であれば、
実際問題大した影響はないと考えられますが(人間は生きてる限り、
勝手に数千ベクレル程度は内部被曝をしていますし、前回指摘した通り
ヨウ素(131)の半減期は8日ととても短いです)、これも、
年齢によって意味が変わってきますので、余力のある方は、これを機に、
放射線などに関して、基礎知識だけでも仕入れておくことを
お勧めいたします。


さてさて、話し出したらキリがないですが、とりあえず、
喫緊のテーマとして、このくらいを取り上げておきます。

あとは各自で深めてみてください。

特に重大な局面が特になければ、地震メルマガはこれで終わります。

質問や感想などがあればこのメルマガに返信してくださいませ。

連日お付き合いいただき、ありがとうございました!

木坂


追伸:初めにお話しした、一連のメルマガをまとめたPDFです。

http://www.thealchemyofintelligence.com/member/poty/e_q_t.pdf

からダウンロードできますので、必要ならどうぞ。

連続して読むことで新しい発見があるかもしれませんし、
僕の真意もわかってくるかもしれません。

また、必要なら、ご自由にブログやメルマガなどに
リンクしていただいて構いません。

ただし、その場合も「これが真実である」という紹介の仕方は
避けてください。

前回書きました通り、あくまでもガリガリの文系人間が書いた
「常識+α」程度のメルマガですから。

「こういうことを言ってる奴もいるよ、参考にしてみたら」
くらいでちょうどいいのではないかと思います。


追伸2:アドレス変更フォーム、実は和佐君に作ってもらっています。

https://www.insiderscoachingclub.com/kfoam.html

です。

こちらでアドレスを変更するのは、事情があって
すげー面倒なので、こいつで変更してください。

お手数ですが、よろしくご協力お願いします。

あ、アドレスじゃなくて名前などの変更をしたい場合は、
一回メール配信を最下段から解除した後、

https://www.insiderscoachingclub.com/foam.html

から新規登録してください。

一緒に和佐大輔のもくっついてますが、まあ、気になる場合は
一緒に登録し、気にならない場合は無視していきましょう(笑)。

片方に登録したからと言って、両方送られてくるということは
ありませんので。

あくまでも、登録した方だけ、送られてきます。


追伸3:例によって、意義を感じない発行者情報の記載です。

発行責任者:木坂健宣
発行元情報:http://www.licensetostealcopywritingmasterclass.com/08_8/tri/etc/bylaw.html


木坂さんの発言です。  「逃げるタイミングを計る指針」など、、。

以下、メルマガを そのまま 掲載させていただいています。



こんばんは、木坂です。

連日失礼いたします。

まず、比較的いただく質問に2つお答えいたします。


1.ブログなどで転載していいか?

ということですが、僕の情報が信用に足ると判断された方は、
ご自由に引用、転載していただいて構いません。

どうも客観性を欠く情報に踊らされている人が、僕が思っていた
以上におられるようなので、その方たちのお役にたてるようであれば
幸いに思います。


2.広島・長崎と今回の件に関して、質問がきています。

「60年以上前、広島と長崎に核爆弾が落とされたと思います。
それなのに、なぜ、現在の広島と長崎には、住民がいるのでしょうか?
核爆弾を落とされた直後は、その周辺にいた人は(距離はわかりません)、
被曝によって、即死したか、うめきながら、苦しみながら死んだと聞いています。
放射線の量って、60年程度で人が住めるほどまで、低下するのでしょうか。
僕は、300年たたないと、人は、住めないと聞きました。」

これに関して、僕は原子力の専門ではないので、
詳細な解説はできないのですが、簡単に言うと、
核爆発(原爆)は、核反応が全て終了する、つまり
核物質が燃え尽きるので、実は放射性物質はそこにほぼ
残りません(あと、核燃料自体も少ないはずです)。

なので、人が比較的すぐ住むことができます。

ところが原発の場合、核物質は燃え尽きず、かなり多量の核廃棄物が
そこに残るので、当然放射性物質もそこに残ることになり、
かなり長い期間人が住めません(使用済み燃料、というものが
存在するのもそのためです)。

ここが、前回のメルマガで「核爆発はないと思う」と言った根拠であって、
要するに原爆というのは、核反応を無制限に解放することにより
大爆発を起こし、原発は逆に核反応を制御することにより、
そのエネルギーを有効利用して発電を行うのです(また、当然ですが、
通常原発では大爆発を起こすための極度に濃縮された燃料を使いません)。

だから、仮に核反応が再び始まったとしても、原発で「核爆発」は
考えにくいのですが(前回も言った通り、水素爆発や水蒸気爆発などの
化学的な爆発は考えられます)、しかしこれは裏を返せば、燃え尽きない
核物質が大量に廃棄物として残るということを意味しています。

そもそも、原爆は「爆弾」であり、それはそこら一帯を
吹き飛ばすことに特化した「兵器」です。

その一瞬の破壊力のためだけに設計され、その一瞬の破壊力のためだけに
製造されています。

その一瞬に、全てのエネルギーが、余すところなく、爆発しきることが
何より望ましいのです。

しかし原発は、当たり前ですが破壊を目的としておらず、
あくまでもいかに効率よく熱エネルギーを発生させ、
発電するか、ということに特化して設計され、作られています。

一瞬で燃え尽きられても困るわけで、できるだけエネルギー効率よく、
できるだけ長い間、使いまわしたいわけですね。

その意味で、どちらも「核」を使うのですが、その実全く違う分野の
エキスパートなのです。

だから、短期的な被害(破壊)という意味では原爆、
しかし長期的な被害(放射能汚染)としては原発の方に、
圧倒的な軍配が上がることになります。

そのようなイメージでご理解いただければ、そこまで違わないと
思います。

(※ですから、広島・長崎の場合、より多くの死者を出したのは
被曝ではなく被爆です。さらに、破壊が専門の原爆では、数十万人が
死にますが、福島原発では、直接的にはせいぜい数十人だと思います。)

間違っていたら、すいません、専門の方、ご指摘いただければ
助かります。

あと、念のためにお断りしておきますが、これは「理屈」の
話であって、「本当はどうなっているか」に関して、僕は
この目と体で体験したことがありませんということを、
ご理解ください。

「理論・設計」と「実際」は、往々にして異なるものです。


さて今回のメルマガでは、前回の続きはもちろんですが、
「私は逃げるべきでしょうか」という僕に聞かれても完全に困る
質問がいくつか来ていることを勘案し、基準になりそうな
指標をひとつお話したいと思います。

相変わらずですが、誤字脱字、日本語の不備、もしあれば、
ご容赦を。

早速いきましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次

1.逃げるタイミングを計る指針。

2.前回の続き。

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1.逃げるタイミングを計る指針。


一連の地震メルマガを配信しているためでしょうか、
「私はどうしたらいいでしょうか」とか「○○県なのですが、
安全でしょうか」などの質問が、ちらほらきます。

これらの質問に関し、僕が答えられるのは、
「僕ならこうします」ということと、「現状、○○県の数値は
こうですから、こうだと思います」ということだけです。

「僕ならこうします」は毎回メルマガに書いているとおりですし、
各県の数値は、リアルタイムで、ネットで確認することができます。

つまり、この手の質問に対し、僕が意味のあるお返事をすることは、
実際問題できないのです。

それは、良識的な専門家であっても同じ。

彼らは正しい知識を語ることはできますが、誰かの安全を
守ることはできません。

ですから、不安な気持ちは理解できますが、最後の判断は、
自分自身の人生です、ご自身でお願いいたします。

僕ができるのは、判断基準を、特に有効だと思われる
判断基準を、こうして提供するだけですので。


さて、今回もその基準の一つをば。

「いつ逃げるべきでしょうか?」などという全く答えようのない
(ある意味では毎回メルマガで答えている)質問もそれなりに
くるのですが、それを判断するために、これを見ておいたら参考に
なるよ、というものです。

それは、各国大使館の対応です。

各国の大使館は、日本に滞在している自国民の安全を
確保する責務がありますから、こういう事態になると、
極めて迅速に、また、ある程度余裕を持って、判断し、
指示を出します。

ですから、それをひとつの指針とするのです。

ここでは、3月17日時での、主要国の対応を載せます。


アメリカ:福島原発から半径80キロ圏内の在日米人に対し避難勧告。

イギリス:東京よりも西へ移動するように、勧告。希望者には、
帰国、あるいは香港行きの飛行機も手配。

フランス:関東を離れるように勧告。部屋の密閉を徹底するよう指示。
エールフランスに、「日本脱出便」を手配させる。

オーストリア:大使館自体を、東京から大阪に移動。

ドイツ:民間レスキューチームが急遽帰国。東京から避難勧告。
帰国も検討するよう指示。大使館自体も大阪へ移動。

ロシア:外交官全体に帰国指示。飛行機も手配。

韓国:福島原発から半径80キロ圏内に避難勧告。


ざっくり、こういうイメージです。

日本政府の対応は、福島原発から半径20キロが避難勧告、
30キロが屋内退避ですので、それに比べると、各国とも、
かなり神経質にも感じる対応をとっているように見えると
思いますが、これが危機管理の国際水準だと思ってください。

「安全を確保する」とは、こういう対応を意味し、各国は、
僕が繰り返し言っている「保険」をかけているのです。

しかし、これを見て、「うわ、ヤバいじゃないか!」と思うのは、
思考が停止しています。

何度も言いますが、各国は、「最悪のケースを想定して」
指示を出しているのです。

ですから、現状どんなに悪くなっても、これくらいで十分だろう、
と判断しているということです。

一番注目してほしいのは、ドイツやフランス、ロシアなど、
ある種特殊な事情を抱える国以外は、「帰国指示」を基本的に
出していませんね。

つまり、日本を離れる必要までは、全く感じていない、
ということです。

また、BBCやCNNなどの特派員も、まだ東京にいます。

こういう外国人が、半ば強制的に帰国させられないということは、
その必要まではない、つまりそういう意味では大丈夫だという
判断をしていると考えることができます。

ですから、こういった主要国の大使館が、「引き上げ」を
指示するかどうか、それがひとつの指針になるかなと思います。

特に英・米は、こういう対応は極めて迅速かつ正確ですので、
よくよく注視しておくといいと思います。

例えばアメリカの80キロ圏内の避難勧告は、裏を返せば、
現状80キロ以上離れていれば、絶対安全であると判断している、
ということです。

あの、自国民さえ無事ならあとは何でもいいと考えている、
アメリカ首脳が、です。

ですから、230キロ離れている東京が、アワアワして、
いろんなものを買い占めて、いい年こいたおっさんが新幹線や
飛行機で遠くへ逃げるのは、やや、過剰反応だということを
意味します。

(※もっとも、僕が聞いた話では、関西方面行きの新幹線は
子ども連れが多いということでしたので、その点は少し
安心していますが。)

大使館のサイトなどで、随時主な情報は更新されますので、
それを見ておくだけでも参考になるはずです。

別に、僕も大使館の人から直接情報をもらっているわけでは
ありませんし。

ひとつの基準として、お役にたてれば。

くどいですが、最後の判断は、ご自身でお願いします。



2.前回の続き。


さてさて、前回の続きです。

内部被曝という観点から考えたとき、最も危険なのは、
大量の線源が、首都圏に漂ってくること、という部分まで
確認しました。

「漂ってくる」ということを、もう少し厳密に考えてみると、
線源が漂ってくるためには、


1.何にも遮蔽されないほど上空に舞いあげられる

2.首都圏の方に向かって吹く風に乗る

3.途中で墜落することなく、首都圏に届く


という3段階の条件を満たすことが必要で、それはつまり、
このひとつひとつを考えていけば、どういう状況になった時、
首都圏が危険になるかがわかるということを意味するわけです。

1に関しては、爆発の威力。

2に関しては、風向きと風速。

3に関しては、線源の重さ。

ざっくり言えば、こういう視点から、議論をすることができるだろう、
というところまでで、前回は終わっていました。

今回は、この続きを考えます。


さてまずは1についてですが、これはチェルノブイリのケースと
比較するのがわかりやすいと思います。

1.チェルノブイリの場合、核分裂が暴走し、制御棒をどうにか
入れようとしたけれど失敗し、むしろ逆に反応が加速したという
事実があります。

2.そしてあっという間に炉心溶融が起こり、さらに悪いことには、
蒸気爆発が起こることで原子炉の蓋が吹っ飛んで放射性物質が
流出、飛び散ります。

3.蓋が吹っ飛んだわけですから、当然外から酸素が入ってきます。

中学の時、理科の実験でやったと思いますが、酸素は、
とにかく物を燃やします。

吹っ飛んだ蓋から急速に入ってきた酸素のおかげで、
減速材の黒鉛が燃え盛ります。

核の反応と火災とも言える爆発が無限ループすることで、
尋常でない破壊力が生まれ、放射性物質が文字通り、
天高く舞い上げられます。

4.その高さは、実に約1万メートルと言われているほどです。

イメージできると思いますが、このくらい高くに放射性物質が
舞い上げられれば、相当遠くまで飛んでいく可能性が高い。


これがチェルノブイリの概要ですが、一方福島原発はどうであるか。

1.まず、当局の発表が正しいとすれば、制御棒は正常に作動し、
核分裂は既に停止しています。

ですから、そういうタイプの(爆発的)エネルギーは蓄積されていません。

また、今後再び反応が始まる可能性もなくはないわけですが、
ホウ素(=核反応を抑制する)も大量に投入したみたいですし、
チェルノブイリのように「暴走」するほどの環境は得られにくいと
考えられます。

2.チェルノブイリには格納容器がありませんでしたから、
炉心の蓋があくと、そこはもう大気です。

しかし福島原発においては非常に頑丈に作られている格納容器が
ありますので、蓋が開いてイキナリ世界とつながってしまう、という
可能性は格段に低いと考えられます。

3.この状況で格納容器が大破するということは考えにくいのですが、
仮に一部破壊などがあり、酸素が入ったとしても、福島原発は
軽水炉(減速材が黒鉛ではなく水)ですから、爆発的に燃えるものが
ありません。

4.その結果、チェルノブイリのように線源を天高く舞い上がらせるほどの
爆発が起こる可能性は極めて低く、例えば英国政府の主席科学顧問である
John Beddington氏は、どんなに最悪の爆発が起こったとしても、
500メートルが限界だろうと述べています(もっとも、この人の
専門を考えると、どの程度正確な試算なのかは、若干疑問ですが)。

(※参考: http://ukinjapan.fco.gov.uk/en/news/?view=News&id=566811882

仮にその程度の高さまでしか行かないと、到底、首都圏まで大量の
放射性物質が漂ってくる、ということは考えにくいわけです。

ですから、1の「爆発の威力」に関しては、あまり十分ではなさそうだ、
ということが言えます。

次に2の「風向きと風速」について検討してみます。

東北地方に住んでいる方はなんとなくわかると思うのですが、
基本的にあのエリアは、西から東に風が吹くことが多いです。

つまり、山から海。

ほとんどの場合、放射性物質は海の方に流れていくわけです。

もちろん全方位に風は吹くのですが、基本的にはどの方向に吹くか、
と言われれば、西から東だと思います。

風速も、たかだか500メートル程度の高さにある物質を、
200キロ以上離れた首都圏まで運ぶほどの強風がそうしょっちゅう
吹いているとは考えにくい。

これは基本的な力学の問題です。

高さ500メートル、距離200キロ。

これがどれだけ強い力で飛ばされないと届かない距離であるかという
ことです。

(※例えば今現在、僕が確認する限りでは、福島県で北から南に
吹いている風で最大のものは、風速3メートル/秒程度です。)

ここでそのまま、3の「線源の重さ」にいきましょう。

当たり前ですが、埃はふわふわ舞いますが、パチンコ玉は
まっすぐ下に落ち、舞うことはないですね。

つまり、一般的には軽いものの方が風に乗り遠くまで
飛んでいくわけですが、核燃料であるウランは、
非常に重たい金属です。

比重は約19ですから、鉄の2.5倍くらいの重さがあると
思ってもらっていいくらいです。

ちなみに、3号炉で一部使われているプルトニウムの比重は
約20と、ウランより重たいので、さらに遠くまで飛びにくいと
思います。

これらより重たい物質は、今のところ地球上には片手で数えられる
くらいしかないほど、重いのです。


さて、そう考えてくると、以下のような結論が
「理屈として」導かれます。


1.何にも遮蔽されないほど上空に舞いあげられる
→そんなには舞い上がらない可能性が高い

2.首都圏の方に向かって吹く風に乗る
→乗ったとしても、高さも勢いも足りない可能性が高く、
途中にある山や建物などに邪魔される可能性が高い

3.途中で墜落することなく、首都圏に届く
→重たすぎて、届かない可能性が高い(ヨウ素などその時
気体になっていると考えられるものは除く)


こういうことが、最も楽観的な見解として、
導かれるのです。

これが、専門家の人ほど「首都圏は絶対大丈夫」と言い張る
理論的根拠だと思います。

今、首都圏で「ここは安全に決まってる、なのに不必要に
うろたえているやつはただのバカだ」と言っている人は、
大なり小なり、こういう理屈でもって、つまり首都圏が
線源に包まれ、内部被曝をする可能性がほとんどないという
理屈でもって、自らの安全を確信しているのだということです。

(※前回考察したように、福島で計測されている放射線は、
そもそもまず東京までは届かないです。)

それはそれで、もちろん間違いではありませんから、
そういう判断をするのも、またいいと思います。


しかしご存じのように、僕自身は、逃げたいなら、そして
それが可能な環境にいるなら、なるべく早いうちに
逃げたらいいんじゃないですか、ということを
結論として主張しています。

その理由はたくさんあり、これまでのメルマガでいろいろ
説明してきました。

例えば、何かが起こってからでは、パニックが起こるという観点。

実は、イギリス大使館が「東京よりも西へ移動するように」と
勧告したのは、放射能のせいではありません(少なくとも、大使館が
公に発表した文章を読むと、違います)。

彼らは

「交通や食料などの混乱が予想される」

ことを理由にしており、放射能に関しては、John Beddington氏の
見解に従い、東京は間違いなく安全である、という立場を
「今のところ」「公式には」維持しています。

(※イギリス以外にも、放射能以外を理由にしているところがあります。)

あるいは、内部被曝の、性質です。

核燃料に使われているウラン(235)の半減期は7億年、
プルトニウム(239)は2万4000年、報道で話題になっている
セシウム(137)は30年、ヨウ素(131)は8日間です。

半減期、とは細かく説明すると面倒なのですが、
簡単に言えば、その線源が出す放射線の強さが
半分になるまでにかかる時間のことです。

ウラン7億年とか、プルトニウム2万4000年とか、
なんかもう僕らの感覚では意味がわからないですよね。

内部被曝の場合、厳密には実効半減期という概念が
用いられますが、この辺は割愛。

とにかく今分かってもらいたいのは、線源を吸い込むと、
もんのすごい長い時間、被曝し続ける、という事実です。

チェルノブイリの周辺がいまだに立ち入り禁止なのは、
そしてこれからも極めて長い間立ち入り禁止がとけないのは、
この線源の性質によります。

(※多分福島の原発周辺も、同じ運命になると思います。)

内部被曝というのは、煙草の受動喫煙などとイメージは
似ています。

体の中からジワジワと、生きている間ずっと被曝していく、
そういうことに、なりかねないのです。

吸い込む線源の量が微量であれば、普通、大した問題には
なりません。

例えば20年後に癌になる確率が0.5%上昇するとか、
その程度で済む。

その程度なら、喫煙している方が、慢性的に睡眠不足な方が、
添加物まみれの食事をしている方が、よっぽど癌のリスクが
高まります。

しかし、「被曝」というのは、遺伝子そのものを破壊しますので、
幼いうちからずっと被曝し続けるというのは、おそらく、
成長が完了している大人が被曝し続けるのとは、大きく意味が
異なると思うのです。

いわば、産まれたばかりの赤ちゃんが、産まれる前の赤ちゃんが、
24時間365日、遺伝子の風邪にかかっているようなものです。

影響が「ない」と考える方がおかしいでしょう。

つまり。

平たく言えば、成人しきった大人であればそこまでの問題には
ならないと思いますが、成長期の子供、あるいはお腹の中にいる
細胞分裂まっただ中の赤ちゃんなどに、どういう影響を与えるかと
考えたとき、僕は、やや心配が強く残る。

だから、大人の男は、そんなに神経質になる必要はないと
思いますと言っているわけで、放射線感受性の高い子供や、
妊婦さんを中心に、道を譲れ、交通のチケットを譲れ、
と言っているのです。


ですから僕は、絶対的な意味で、首都圏に危険がないとは思いません。

若い人が微量でも線源を吸い込めば、短期的には影響はないでしょうが、
長期的にはおそらく影響があります。

地震の心配も去っていません。

しかし一方、相対的には、今の100倍くらい放射線を浴びても、
今の3倍くらい停電しても、今の半分くらいしか電車が
動かなかったとしても、東北被災地の、比にならないわけです。

死者は、最終的にはおそらく2万人程度、避難民の数は
40万人近くにのぼり、毎日のように、老人や幼い子供など
体力がない人から死んでいっています。

それも、寒さや、飢えで死んでいるのです。

メディアに全く出てこない悲惨な避難所もたくさんあります。

「全員避難完了」と報道された、原発から半径20キロ圏内。

しかし昨日、そのエリアの病院で、120人以上の寝たきりの
患者が見捨てられ、信頼していた医者や看護師たちに放置され
置き去りにされていたことも明らかになりました。

今後もこういう例はいっぱい出てくると思います。

この後復興には数年を要するでしょうし、何より福島原発周辺は、
おそらくもう半永久的に、人が入れない。

そういう当たり前の事実を踏まえた上で、それでも僕は、日本の未来を
創っていく存在について、できるだけ万全を期してもらいたいなという
思いから、我々にできる最善のことをすべきだという思いから、

(1)逃げたい人、妊婦、子供などは、なるべく早くにどうぞ。

(2)逃げない人、必要なものを用意して、いつも通りどうぞ。

という結論を繰り返しているのです。

何度も言いますが、今首都圏を離れるのは、保険です。

必要なものを用意するのも、逃げるよりはだいぶ少ない掛け金ですが、
保険には違いありません。

保険ですから、ほとんどの場合、無駄になり、損をします。

その無駄と、万が一の事態を天秤にかけて、判断してください、
ということなのです。

保険というのは、足元を見る商売です。

「ほら、どうですか、癌になったら、こんなにかかるんですよ、
大変でしょう、いいんですか、保険に入らなくて」

というのが保険です。

つまり、その人の、自分が可愛いというナルシシズムに
訴えてくるのが保険なのであり、だから僕は保険が例外なく
嫌いなのですが、いずれにしても、その人のナルシシズム度合いが
大きいほど、大口の保険を契約することになります。

今回の場合は、当然、早く遠くへ逃げる、というのが、大口契約です。

ですから、僕は大人が自分のために(=ナルシシズムで)
逃げるのではなく、どちらかと言えば女性と子供を優先して
ほしいなと思っているわけです。

自分で自分に保険をかけるのはあまり好きではありませんが、
未来の世代というのは、これはとてつもない財産であって、
どれだけの保険を掛けても多すぎることはないと、僕は
思うのです。

とは言え、まあ、自分のために逃げるのも別に「悪い」わけではなく、
人間として当然のことと、どこかで理解を示す自分もいるのですが。

その辺は価値観や生き方の問題なので、僕がどうこう言うべき
所ではないような気もしますし。

とにかく、そういういろいろなことを考えて、各自、
後悔のないような判断をしていただければなと思っています。


さて、また20キロバイト位になりましたので、
今回はこの辺でひとまず送ります。

特に重大な局面が特になければ、次回で地震メルマガは
最後になるかなと思います。

質問や感想などがあればこのメルマガに返信してくださいませ。

ありがとうございました!

木坂


追伸:僕がこの一連のメルマガで考察していることは、
数学というよりは算数だし、物理科学というよりは理科です。

例えば、わかる人はわかっていると思いますが、前回の
被曝線量に関しても、常識的には積算量(積分した値)で
論じるべきところを、議論をわかりやすくするために
一次関数的に計算して論じたりしています。

その程度の知識と、人文科学や社会科学的な意味での、
一般的な思考力(類推力)とで、書いています。

言ってしまえば、常識に毛が生えた程度のことを、
偉そうに講釈たれているだけなのです。

ですから、本当に専門的なことが知りたければ、
専門家の書いた論文を研究するとか、彼らに直接聞くなど、
していただければと思います。


追伸2:アドレス変更フォーム、実は和佐君に作ってもらっています。

https://www.insiderscoachingclub.com/kfoam.html

です。

こちらでアドレスを変更するのは、事情があって
すげー面倒なので、こいつで変更してください。

お手数ですが、よろしくご協力お願いします。

あ、アドレスじゃなくて名前などの変更をしたい場合は、
一回メール配信を最下段から解除した後、

https://www.insiderscoachingclub.com/foam.html

から新規登録してください。

一緒に和佐大輔のもくっついてますが、まあ、気になる場合は
一緒に登録し、気にならない場合は無視していきましょう(笑)。

片方に登録したからと言って、両方送られてくるということは
ありませんので。

あくまでも、登録した方だけ、送られてきます。


追伸3:例によって、意義を感じない発行者情報の記載です。

発行責任者:木坂健宣
発行元情報:http://www.licensetostealcopywritingmasterclass.com/08_8/tri/etc/bylaw.html


京都大学原子核工学専攻助教の秋吉さんのご発言を、石原加受子さんのメルマガから

以下、石原加受子さんのメルマガを  掲載させていただいています。



今できることを            


読者の方々および会員の方々から、「無事ですか」コールをいただき、ありがとうございました。心から、感謝いたします。

先般、同不定期メールで「災害対処方法」について、3人の方のメールを添付し配信させていただきました。
何か「今できること」をせずにはいられなかったからです。

その中のお一人の内容の一部について、お二方からご意見をいただきました。
明らかに、偏った内容でした。
うかつにも内容を吟味しないで、そのまま添付してしまったことを、私自身も反省しております。
申し訳ありませんでした。

けれども、こうやって発信することで、また、こんなふうにご意見をいただくこと、非常にありがたく思います。
ほんとに、「今、自分ができること」だと思いました。
(後半に、一通を、転載しています。)

このたびの地震による被害を受けられ不自由な生活を強いられているみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。
みなさまの無事と一日も早い復旧をお祈りいたします。
また、全国の方々の無事を祈る深い思いは、全力で救助にあたってくださっている方々にも通じているでしょう。
世界各国で、被災した日本を応援する声や、支援を表明する声が相次いでいます。

地震当日、私は、オールイズワンの事務所にいました。
地震がおさまって、安全を期するために外に出ますと、
ベビーカーに赤子を乗せて幼児の手を引いた若い母親が、恐怖のために道路でフリーズしています。
その母親に、近所の人たちが声を掛けて安心させていました。

近くの電気屋さんではテレビ報道が流れていて、そこに人が集まっていました。
みなさん、緊張した表情で固唾を飲みながらも、そこには、みんなが一緒にいる安心感が漂っていました。

帰宅するバスの中では、見ず知らずの他人同士で無事だったことを喜び合ったり、
帰宅するためのルートを教え合ったり、「道中、気をつけて」などという、温かい声が飛び交っていました。

それぞれが、「今できること」をしていたのです。

幸いに私たちは被害を受けずに済んだものの、余震の警戒もまだ解かれていません。

「今、できること」
自然災害は、いつどこで起こるか、なかなか予測できません。
無事であったことの感謝と、亡くなられた方々への哀悼の意、被災地の方々の無事と安全への祈願、
その小さな“思いを形に”していただければ、幸いです。

今、私たちができる協力を。
ヤフーやグーグルなど、あちこちで寄付を受け付けてもいます。

私は、小さな意識の偉大な力を信じます。
私たちの思いが集まれば、大きな力を生みます。
驚愕を、愛に変えていきませんか。 
       


■被曝から身を守るには…
(読売新聞 - 03月13日 00:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1533263&media_id=20

京都大学原子核工学専攻助教の秋吉です。
出先のためレスポンスが遅れました。
立場上軽率に物をいうべきでないと自重していた部分もあります。
が、やはり非常に社会的に関心が高いと思いますのであくまでも私個人が分かる範囲で書きます。

とりあえずこの記事はあまり参考になりません。
外部からの放射線防護の三原則を書かれても。

まず、発電所至近距離でない限り外部被曝は無視できます。
瞬間的な敷地境界での最大値(1.5mSv/h)でも、私が実験でしょっちゅう浴びたことがあるレベルです。
まあ、トータルそこにいる時間が効いてくるんですが、速やかにレベルが下がったことから、
短半減期の核種の放出による物だと思われます。

強烈な放射線が飛び交っている環境では、空気も放射化します。
ただし、半減期(強さが半分に減る時間)がせいぜい数分程度で短いため、ほぼ無視できます。

そのほかに気体として放出される核種として、核分裂によって発生する希ガスが考えられます。
最も半減期が長いキセノン-131m でも 11.8日程度で半減します。

http://www.inss.co.jp/seika/pdf/11/214.pdf
「一般的に原子力防災において評価対象となる核分裂生成物は
希ガスとヨウ素であるが,希ガスの放射能量は24時間で約5分の1(0.5MeV 等価
換算値では約40分の1)程度まで低下することが知られている.」

そして、希ガスはほとんど化学的に反応しない原子であるため、体内に取り入れられることもほぼありません。

結局、問題となるのはヨウ素の放射性同位体 I-131 と言うことになります。
ヨウ素は化学的に極めて活性で、特異的に甲状腺に蓄積されることが広く知られています。
このため、体内にこのヨウ素の放射性同位体が取込まれると、化学的性質は普通のヨウ素と同じですから、
甲状腺に取込まれてしまいます。
ただし、事前にしっかりとヨウ素を摂取していて、「満タン」の状態にしておくと、
それ以上ヨウ素を摂取してもそのまま体外に排出されます。
事後であっても徐々に同位体置換されますから全く無意味でもありません。
I-131 自体の半減期は8日ですが、出来る限り早く排出する必要があります。

日本人は幸いにも世界的に見ても極めてヨウ素をたくさん摂取する民族であると言えます。
昆布などの海草類にヨウ素が豊富に含まれているからです。

福島から東京まで飛散してくることは現状ではまず考えられませんが、
基本的な知識として、万一の時には知っていて損はないと思います。
まあ、昆布には 1kg あたり 2000Bq の放射性元素 K-40 が含まれていたりしますが・・・
この程度の量は、まず無視して構いません。

それから上の資料では挙げていませんが、水素の同位体のトリチウム(H-3)も気体として放出され得ます。
半減期は12.3年で、比較的長いと言えます。
非常にエネルギーの低いβ線を放出するだけのため、
体外からの被曝は完全に無視できますが、水や有機物として体内に取り入れやすい核種です。
これも、普通の水を摂取し続けていれば、次第に同位体置換されて体外に排出されます。
また、絶対量として上の二つよりも少ないと思われます。

汚染された衣類の処理を気にしている方がおられますが、上を読めば分かるとおり、しばらく置いておけば無くなります。
水洗いできればそれでも構いませんが、現地では水が無くそれは不可能だと思いますので、
隔離して置いておくというのがベストかと思います。

それから、これだけは覚えておいて下さい。
今回の件が無くても、人類は自然界である程度の量を被曝しています。

日常生活でどの程度被曝しているかは、
http://218.224.231.254/~akiyoshi/Temp/
に置いた、原子力・エネルギー図面集_2010.pdf の120ページを参照して下さい。

元ネタは
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/index.html

胸部レントゲン一回で 50μSv, 国際線片道で 100μSv と言うのを覚えておくと、大体比較が可能かと思います。
世界平均では年間平均 2.4mSv となっています。
ただし、その数倍の放射線をずっと浴びている地域もありますが、特に発がん率が上昇すると言うことは確認されていません。
身近なところで一番大きいのは
CTスキャンで、胸部断層撮影で 6.9mSv、つまり 6900μSv 被曝します。
さすがにこれはやたら浴びるとまずいと言うことで一度受けると一定期間受診できません。
ただ、リスクはあるがそれで病気が発見できるなら、と言うことで必要であれば使うことをためらう必要はありません。
すぐ影響が出るレベルよりも二桁程度小さいからです。

もちろんこれは外部被曝の量で、放射性物質自体を体内に取込む内部被曝とは比較できませんが・・・
世界平均の2.4mSv/年 の半分程度は、空気中に含まれるラドンから受ける内部被曝です。
ラドンとその娘核種は、α線、β線、γ線を体内(肺)で放出します。
この程度の量は人類みんなが浴びている量だと思って下さい。
石造りの建物が多いヨーロッパではずっとこの量は多くなります。
ラドンガスは岩石に含まれるウランやトリウムから放出されるからです。
コンクリートでも同じで、木造の通気性が良い日本家屋ではずっと少なくなります。

他の方の書いた資料として、参考となる資料として、
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=752
を挙げておきます。私から見てほとんど異論がありません。

とにかく今回の事象は、現在のところ固体も含めた核分裂生成物を広範囲にまき散らしたチェルノブイリとは全く異なります。
今後状況がどうなるか分かりませんが、分かる範囲で書いてみました。

各種のサーベイメーターやGe半導体γ線検出器を持つ我々に、何か出来ることがあったら是非教えて下さい。
現地に行きたいのは山々ですが、現状でそれは非常に難しいと思います。
が、行ける物であれば私は行くつもりです。
郵送可能なら受入窓口があれば何かしたいとも考えていますが・・・

なお、この拙文で構わなければ、リンク・転載フリーです。
文責は、負います。

2010/03/14 追記

今回の事故では炉心温度が上昇し、一時期核分裂生成物(FPと呼ばれる、いわゆる核のゴミ)が放出されていたようです。
炉の近くでセシウム-137 が検出されていたようですから。これらは本来固体なのですが高温で蒸発したようです。
大気放出後、冷えて微粒子の固体になっていると思います。
これらの核種は寿命も長いため、取扱がやっかいです。
ただ放出されている時間は限られていますし、量も報道されている範囲では大したことはありません。
また、放射能と言っても化学的には普通の物質と何ら変わりません。
どんどん伝染して増えていくようなこともありません。
インフルエンザ対策でやっているような、手洗いが一番有効です。
また、野菜などは洗ってから食べるなど、ごく普通の対応でほとんどが防げます。

それから、コメント欄でも書きましたが、家庭用のエアコンは外気を取り入れません。
中の空気をグルグルかき混ぜるだけです。

とにかく、「現状では」過度に不安になる必要はありません。
正確な情報を今後も分かり次第お伝えしていきたいと思います。
とりあえず帰学し次第もう少し資料を調べて書き込みます。

※こんな内容を、読者の方から頂きました。
状況は刻々と変わります。
このメールが届くとき、すでに状況が変化しているかも知れません。
内容につきましては、個々にご判断くださいますようお願いいたします。



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