SONYへ攻撃をしかけたアノニマスの天才ハッカーをfacebookが採用したってニュースがやってました。ところで、アノニマスってご存知ですか?

アラブ争乱においてチェニジア政府のウェブサイトにDoS攻撃(サービス提供を不能にする攻撃)、SONYへのDDoS攻撃(複数で攻撃するためDoS攻撃よりも防御が難しい)などで注目を集めたのが「アノニマス」という集団。アノニマス(anonymous)とは「匿名の」という意味で、一般的にはオンラインコミュニティの利用者を中心に構成されるネット上の集団のことを指す。ニュースなどで取り上げられる場合は国際的ハッカー集団と報道されている。情報の自由に対する脅威に対して大規模な攻撃を突発的に行っている。公の前で集合する時は「ガイ・フォークス」の仮面をつけて登場する。ガイ・フォークスとは17世紀イングランドでの火薬陰謀事件の犯人のこと。ガイ・フォークスの仮面は映画「Vフォー・ヴェンデッタ」で世界的に有名になった仮面。

「アノニマスがYoutubeにアップしている動画」


「Vフォー・ヴェンデッタ」は、第3次世界大戦後の独裁国家化したイギリスが舞台の映画。メディアはすべてコントロールされ、同性愛者などは収容所へと送られるような世界。その政府を”V”と名乗るテロリストがラディカルに崩壊させようとするストーリー。印象的なのが映画で使われていたチャイコフスキーの「序曲1812年」。大砲を使用することで有名なこの曲。1812年というのは、ロシアが進軍してくるフランスを撃退した年なのだ。映画では、独裁者を撃退するという意味を込めて選曲しているのだろう。単に曲が雄大というのもあるのだろうけど。

「序曲1812年」


別に「アノニマス」と「Vフォー・ヴェンデッタ」は直接的な関係はない。ガイ・フォークスの仮面をかぶるところは共通だし、理想とするとこは類似するところを感じる。「Vフォー・ヴェンデッタ」の原作は1980年代の小説。30年前は国家が強大で対抗するのは難しかったけど、現在ではネットの登場で国家の権力は相対的に低下している。ウィキリークスも、民間団体でありながら、国際世論をも左右しかねない情報を流出させている。20年も前ならサイバー戦争はSF小説だったけど、SF小説で想像されたことが少しずつ現実化している。中国などは、軍にサイバー部隊を編成している。サイバー攻撃の場合、相手国のネット空間を攻撃するだけで、経済・政治はもちろん、交通・メディアまで麻痺させることが出来る。軍隊を投入したり、ミサイルの打ち合いなんて、あと数十年で古い戦争と言われるのかもしれない。画期的な発明も完全な普及には40~50年はかかると言われる。ネットの登場が1990年代だから、まだネットが世に出て20年ほど。あと20年~30年で世界はどこまで変わるのでしょう?ネットの普及、アメリカ覇権の弱体化などの兆候からすると、あと20~30年で大きなパライムシフトが起きるかもしれません。なんかSF小説みたいですが、少しワクワクしますね。

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]/ナタリー・ポートマン,ヒューゴ・ウィーヴィング,スティーヴン・レイ